小さなおさかな。
水ぞくかんの大きなすいそうで、なっちゃんはいっしょうけんめいにイワシのむれを、おいかけていました。
あせびっしょりの、なっっちゃんにパパが、はなしかけます。
「そんなに、おいかけなくても、すぐになっちゃんのちかくまでくるよ」
ママが、ゆびをさしながら「ほら、大きなサメもいるよ」
でも、なっちゃんは、たのしそうにイワシたちをおいかけていました。
大きな水そうを出て、ソフトクリームをたべるなっちゃんにママが、ききました。
「なっちゃんは、小さなおさかなが、すきなのね」と。
「おさかなさんは、どれも大スキだよ」
「イワシのむれを、おいかけてあそんでいたのはなぜなの?」
すると、なっちゃんは、さみしそうなかおをして、こたえました。
「だっていっぱいあそんであげないと、あの小さなおさかなさんたちは、水ぞくかんからおいだされて、おさかなやさんにいかされるんでしょう?」
「そんなこと、ないよ」
ママは、おどろいて、こたえました。
「いいの、かくさなくても。人もほかの生きものも大きや、かわいらしさで、だいじにされかたがちがうのは、わたしにだってわかるもん」
「……」
なっちゃんのことばに、パパもママもおどろきました。