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きつねと、ぶどう。
おじいちゃんのいえから、大きなぶどうが、おくられてきました。
ルルをつれてきたなっちゃんは、ママがひとふさあらいだすと、ルルをぶどうのしるがとばないところまではなしました。
「しるがとぶと、シミになるから、がまんしてね」
ルルは、なっちゃんのいうとおり、はなれたところでジッとしています。
しばらくしてママがぶどうをあらってテーブルの上におきます。
なっちゃんは目をかがやかせながら
「大きいね」と、大よろこび。
ところが、ひとつぶ、ふたつぶとたべていくうちに、なっちゃんはだんだんかなしそうなかおになり、とうとうなき出してしまいました。
こまったママが、なっちゃんにききました。
「どうしたの」って。
なっちゃんは、なきながら
「人はひどいの!だってキツネのおかあさんは、こんなに大きくてあまいブドウを子どもといっしょにたべたかったのにちがいなかったのだもん」
さっきまで、なっちゃんがあそんでいたところには『キツネとぶどう』の、え本がおいてありました。




