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魔法の杖には機関銃を!~魔法全盛の異世界に、現代知識と無双の魔法で覇を唱える~  作者: Takahiro
第七十四章 アメリカ本土決戦

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束の間の平和Ⅱ

「ところで、レーダー大将、大八洲からの空母受領の件はどうなっている?」

「交渉は難航しております。大八洲側は鳳翔を引き渡すこと自体は問題ないようですが、我々は下を見られて多大な対価を要求されております。もう少し妥当な対価で引き渡すよう、海軍としては交渉を続けて参ります」


 ゲルマニアは建造した戦艦の全て、つまりアトミラール・ヒッパー、ブリュッヒャー、プリンツ・オイゲン、シャルンホルスト、グナイゼナウを大戦争で喪失した。ゲルマニア海軍は今一隻の鋼鉄戦艦も保有しておらず、海軍力において諸列強の後塵を拝している。


「前にガラティアに売った甲鉄艦を買い戻すのはどうだ?」

「ヴェステンラント軍はアトミラール・ヒッパー級の装甲すら貫く艦砲を開発しています。木造甲鉄船など買い戻したところで、ほとんど意味はないでしょう」

「それなら、鳳翔だって装甲はほとんどないじゃないか」

「鳳翔ほどの船体ならば、巨大な主砲を搭載して敵を一方的に攻撃することが出来ます」

「なるほど。船体が欲しいということか。まあいい。そちらの交渉については、海軍に引き続き任せる」

「はっ。もう暫し、結果をお待ちください」


 大八洲にとっても、たった二隻しかない空母の一隻を引き渡すのはそう簡単な話ではない。値段が割高になるのは仕方がないだろう。


 ○


 ACU2316 11/3 ブリタンニア共和国 王都カムロデュルム近郊 国立第一造船所


 クロムウェル護国卿の支配体制は完全に安定し、王政の名残すら消えさろうとしているブリタンニア。島国というのは海軍を求めずには居られないのか、戦争が終わるとすぐ、ブリタンニア海軍はゲルマニアから導入した技術で戦艦の建造を始めていた。


 岸壁を魔法で掘り下げて造られた巨大な造船ドックには、落ち葉のような形をした巨大な鋼鉄の物体が鎮座していた。戦艦の船底である。


「戦艦マジェスティック。完成はまだまだ先だが、もう完成した時の姿がよく想像出来る」


 ブリタンニア海軍一の功労者であるネルソン提督は、暇になると度々マジェスティックの建造現場を視察に来ていた。


「か、閣下!?」

「ああ、マジェスティックの完成が待ち遠しくてね。進捗はどうかな?」

「先週と同じく、建造は順調です」

「そうかそうか。それはよかった。何か問題があったら、いつでも私に相談してくれたまえ。それと、私のことは無視して作業を進めてくれ。いや、私のことは無視して欲しい」

「……はっ! それでは、私は作業に戻らせて頂きます!」

「うむ。それでいい」


 と、その時、提督に近寄って来る人影が一つ。それは隻眼の魔女であった。


「ベアトリクスか。君も視察に?」

「いや、私は手伝いを頼まれてね。水に乗せてものを運ぶのは、色々と便利だそうだよ」

「なるほど。君の魔法は便利だな。よくブリタンニアに貢献してくれているよ」

「そんなことはないよ。私も、白の魔女クロエのような魔法が使えれば、もっと直接造船を手伝えるのに……」

「造船技術はいずれ進歩し、魔法の助けなど必要にしなくなるだろう。だが水を自在に操る科学技術というのは、全く想像もつかない。君の魔法はその点、科学では代替出来ないものだ。自分をもっと誇りに思ってくれ」

「そ、そうかい……」


 ベアトリクスは照れ臭そうに作業に戻って行った。ブリタンニア初の戦艦マジェスティックの完成は2年後を予定している。


 ○


 ACU2316 11/10 ヴェステンラント合州国 白の国 首都ノイエ・アクアエグランニ


 大きな被害を受けた白の国も復興が始まっていた。完全に無人になっていた首都にも人が戻って来ているが、建物はすっかり荒れ果て、そこら中に死体が転がっているという惨状で、海には沈んだ船の残骸がそこら中で顔を見せている。特にゲルマニアの輸送艦は大きく重く、簡単に動かせるものではない。


「クロエ様、輸送船団より、海上に障害物が多く、港に近寄れないとの報告が」


 マキナは淡々と報告した。もういつものマキナである。


「困りましたね。すぐにどかさないと。私が出ましょう」

「いえ、私が行って参ります! わざわざクロエ様にご足労頂くことはありません!」


 スカーレット隊長は威勢よく任務に志願した。白の魔女であるクロエが行くのが一番効率がよさそうではあるが。


「そうですか。なら、お願いします」

「はっ!」


 スカーレット隊長は魔女達を率いて出陣する。が、そのすぐ後のことである。座礁していた輸送艦の残骸が透明な巨人に持ち上げられているかのように勝手に動き、次々に陸揚げされていったのである。


「マキナ、あれは……」

「クロエ様以外にあのような魔法が使える魔女がいるとは思えせんが……」


 あっという間に航路は片付けられてしまった。クロエが何事かと考えていると、突如として、外を眺めるクロエの視界を黒い影が埋めつくした。


「ッ!?」

「元気だったか、クロエ?」

「女王陛下!? い、生きていたんですか!?」


 不敵な笑みを浮かべながらクロエの前に現れたのは女王ニナであった。


「ああ。誰も余の魔法を継承していないのだから、生きていることは分かっていたのではないか?」

「ま、まあそうですが……」

「今日から余はヴェステンラント女王に復帰する。改めて余に忠を尽くすとよい」


 女王はアメリカ軍程度には殺されないのである。

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