プロローグ
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第0話 プロローグ
1914年7月28日とある議会
議員1「はぁ・・人類はいつも戦争ばかりしているな。また多くの・・・多くの生物が犠牲になる・・・今回の戦争は規模も武器も強力で大きい。だが我々にはどうにも出来ない・・・。どうしたものか・・・。」
「はぁ・・・。」
「確かにその通りだな。我々にはどうにも出来ない・・・。」
ため息や諦めの声が議場にあがる。
議員2「産業革命に飛行機の開発。人類は豊かにはなっていくが、欲望の制御が出来ていないな。まあ無理もない。よりよくしたいという、または凄まじい好奇心というような目的から発展してきたのだから。」
議員3「ああ、しかも争いは発展を促す。皮肉なもんだ。未来予知もまともな結果じゃあない。まあ、確定した訳じゃないがな。議長・・・今回は大変な事になりましたね・・・。もう・・・ため息しか出ません。」
議長「そうだな・・・だがしかし我々もまた人類、気持ちは分かる。未来予知は・・・諸君らが知る通り良い結末ではない。勝っても負けてもお互い大損害を被るだろう・・・。それ、でもだ!いつも通り我々は我慢して見守らなければならない・・・。」
ガン!と机を叩き歯を食いしばりながら議長は言う。
1918年 11月11日
議員4「やっと・・・戦争が終わった・・・。沢山死んだ・・・。人間も・・・そのほかの動植物も・・・。でもこれで世界は平和になる・・・。4年・・・戦争にしてはそこまで長くはない。しかし規模も犠牲も過去最大だった・・・。」
議員5「間違いねえ・・・。でも終わったんだ・・・。やっと平和が・・・。未来予知に似た結果になったが、いざ結末を知ると苦しいものだ。覚悟しててもな・・・。」
議員6「これから戦後処理だ。んまあ世界は生半可にはしないだろうな、特にヨーロッパは。見ろ、常に世界の中心地で、人類発展の爆心地、震源地であるヨーロッパが焼け野原だ。戦闘員、民間人合わせて「3700万人」も犠牲になってしまった。また、戦争を起因とする疾病で無くなった戦病死者は「200万人」、行方不明者は「600万人」だ。多すぎる・・・多すぎるぞ!」
議員7「しかも今回の戦争の戦死者の「3分の1」はスペイン風邪などの疾病で亡くなっている。またもや病気だ。ペストを思い出す・・・。14世紀、あのときはヨーロッパ人口の「3分の1」が犠牲になってしまった。」
ざわざわざわ・・・。
議場が騒ぎはじめる。
議長「・・・・・・」
議長(絶対にこれではすまないぞ。上手くやれよ、戦勝国たちよ。下手すれば新たな戦争の火種を生みかねん。戦争が繰り返されるのは、誰かがこの呪いの連鎖を断ち切らないからだ。未来予知はまともな結末を見せてない。頼む・・・どうにか火種をまかないでくれ・・・!)
時は少し経ち1919年 6月28日
議員8「おい!なんだこのヴェルサイユ条約は!あまりにも・・・。まあ・・・無理もない。こんな事になったんだからな。」
議員9「なぁ、これってドイツ国民とかは納得するのか?どうみても無理な内容だ・・・。彼らには再建する力が底の底までないぞ。まずいな・・・新たな争いが起こりそうだ・・・。」
「本当かよ・・・。また戦争か・・・。」
「さすがにもう一度起こったら人類は滅ぶんじゃないか・・・?」
「やめろよ!そんな事いうの・・・。まぁ確かに未来予知があれじゃあなぁ・・・。」
騒がしくなる議場、そこへ議長が入る。
スタスタスタ・・・
議員一同「「「「「議長!!!」」」」」
全員が起立する。
議長「やあ諸君、お疲れ様。今最新の未来予知結果を持ってきた。直近30年の結果だ。見てくれ」
議長は結果を見せる。
議員10「ん?んんんんん!?これは!なんてことだ!議長!これは!」
議長「ああ・・・。見ての通りだ。近いうちに、このヴェルサイユ条約によってファシズムの台頭、ナチス政権の誕生、そして世界の緊張。それから・・・くっ・・・。」
議員11「戦争が起こる!度々武力衝突が生じ、1939年9月1日に戦争が勃発。しかもまたドイツだ!なんでだ!先の大戦であれだけ絞められたのに!やはり国民の不満が・・・。そこにイタリア、日本が参戦。日独伊三国同盟・・・。待て、イタリアは先の大戦で消耗している。早すぎる・・・!日本は・・・ん?軍部の暴走か!?しかし天皇は何も出来なかったか・・・結果は・・・。やはりな、これでは分が悪い。しかしドイツや日本がもっとまともな運営をすれば未来は変わる。しかしなんだこの結末は・・・どれが正解だ!」
議長「正解なんて今は分からん。その時になってみないとな。しかし、だ。今3つのシナリオがある。
1つ。アメリカ、日本とドイツの両陣営が互いに核兵器を撃ち合い、共倒れの末、ヨーロッパが壊滅。ロシアも壊滅。日本も中国も朝鮮も壊滅。アメリカの1人勝ち。後にアメリカが世界の実権を握り、世界情勢は安定。アメリカが世界を統一することとなる。世にこれを第一次核戦争とし、人類史に残る惨劇となった。犠牲者は正確でないものの、最低でも3億、多くて5億弱とされる。