出撃
ストップモーションアニメのストーリーを、文字で起こしてみた作品です。
携帯でのみ書きますので、文章が下手に見えるでしょうがご了承ください。
「おーい! ここの整備まだかかりそうか?」
そう声を上げたのは、この僕、日下部アラタだ。
年齢は18歳、黒髪の普通と言われればそうとしか言えない、平凡な高校生だが、僕たちは普通とは違う特徴がある。
「ちょっと! アラタ! 整備するなら先に準備してからっていつも言ってるでしょ!!」
彼女はエクセラ。茶髪に見えるロングヘアーで、僕と同じ18歳。服装は、まぁ今は言わないでおこう。
「お二人さん、あまり騒ぐなよ? 今度いつ出るかなんてわからないんだからな」
「でも、アラタが!」
「でもとかはいい、手を動かしな? な?」
そう注意するのは、西村翔太隊長。そう、我らが隊の隊長で、アルト隊のリーダー。
だけど、アルト隊と言っても軍隊では無く、傭兵に近く、乗ってるのもプラモデルなのだ。
『コールコール、こちら管制司令室。エリア8の駐屯してる部隊は応答せよ』
かなり大きいブザー音がなり、透き通った女性の声が聞こえてきた。
「こちら、D3第8エリア所属の、傭兵部隊、アルト第8隊。司令室どうした?」
やはり隊長の受けごたえは個人的に好きだ。
いやいや、関係ない、関係ない!
このブザーがなると言う事は、厄介なことに違いない。
「アラタ、多分かなりヤバいはずだから、アルトの整備終わらせとこう?」
「もちろん」
さっきまで、口喧嘩仕掛けてた僕たちは、テキパキと作業を済ませてく。
そうだそうだ。今どこに居るかと言うと、整備基地という場所で、ここは基本プラモデルの設備により動いてる。
何故、プラモデルが? と疑問に思う人も居るだろう。
初めは皆そうだった。人間は皆。
でも、やらなければいけない事情があった。
そして、この空間は3D2と呼ばれる空間でもある。
三次元型二次元空間。通称3D2。
この空間こそ、僕らの戦力であり、人類がある脅威から身を守るために編み出した技術でもあった。
と、話を戻そう。
僕らは、その3D2内の雪山エリアに存在する整備基地にいる。
そこには、現実では動かないプラモデル、僕らの乗ってるアルトなどを整備改修をする事が可能な施設だ。
そこには現在、僕の乗る白いアルトと、エクセラが乗る青いアルト、そして隊長がのるラビオットが佇んでる。
寒さとかは無く、暖かい場所でオイルや、焦げた臭いなどが充満してる、そんな場所だ。
「了解した。我々の隊で向かい、処理を行う。他の部隊が来るのなら、寄越してくれ」
そう無線に話したかと思えば、ラビオットから飛び降り、僕とエクセラを呼びつけた。
「長引いたが、これから我々は北方エリア1010にあるD2エリアに向かう。今回、極東に存在するD2エリアの一つが何者かに占拠された。俺たちの使ってるラビオット含め地球連合軍と言う設定から派生した量産型だが、それに敵対するアンチ連合軍は、この世界で動かせるもう一つの勢力機体を使っている。その機体の識別調査と、可能ならば無力化が今回の依頼になる」
「隊長。そのD2エリアとは何ですか?」
そう、僕はそもそもD2エリア自体知識でしか知らない。
知ってることと言えば、本来の姿である時、二次元と言われた創作物の次元だ、と言うことくらいだ。
「それは、道中説明する! エクセラ! ロイロイ含めて、ブースターユニットを積んで出撃準備! アラタ、お前は、遠距離狙撃が可能な、遠距離型アーマーを起動待機状態にして出撃!」
「了解!!」
エクセラと2人で返事し、アルトに乗り込んだ。
☆ ☆ ☆
「こちらアルト第8隊、エリアゲート管制室、ゲート異動の申請をする。異動先、北方エリア1010、D2エリア、東側10kmの地点」
『こちらエリアゲート管制室。了解。今から600秒後に識別コードeALT3883の前方に展開します』
「了解した」
通信内容は、全て僕たちにも繋がっていた為、隊長は改めて指示はしなかった。
あれから、数分の間ブースターを使い雪山を移動していた。
吹雪いてる様に見えるが、残念ながらこれはアルトに乗った瞬間停止画の様に動かなくなっている。
「それでD2エリアって何なんですか?」
「D2エリアは、文字通り二次元エリアの事だ。ここ、極東と呼ばれる場所は、俺たちが小さくなる前は日本と呼ばれていた場所だ。二次元エリアは、その地域で作成された創作物が埋まっている空間を形成してる場所、つまり、想像が現実になる空間だ。俺らが乗ってるラビオットやアルトもD2エリアの影響で動き、小さくならなかった者たちからは動いてる範囲が黒く見える様になっている」
なるほど。つまり、空想世界という事か。
そう、先程少し出てきたが、この世界はある時を境に激変した。
僕らはディメイションダウン、通称[次元変革]と呼んでる出来事が起こった。
人々の8割は小さくなり、残りの2割はもともとの大きさだった。
だが、ここで一つの事件が発生した。
そう、二次元の創作キャラクターが動きだし、人間に牙を剥いた。
その力は絶大で、大きさは15cmのフィギュアと同等なのに、国を滅ぼし、人を殺せる、文字通りの幻想能力のまま実体化したのだ。
小さき民と呼ばれる様になった僕らは、彼ら彼女らの標的にはされなかったが、少し動くだけで死ねる様なそんな大きさの違いがそこにはあったのだ。
僕たちの大きさは1cm前後の、本当に小さい人だった。
何も力が無いだろうと絶望していた時、ある人が気がついた。
幻想に対抗するなら、自分達も幻想を作り上げよう。
これにより、創作物で原作が存在してるモノは、アーティファクトとよばれ、独創性に任せられてるモノは借りる力、レンタルウェポンとして僕らが使える様になった。
その結果、もともとの大きさの人間には認識できない様で、黒い円柱が動いてる様に見える様だった。
「と、そろそろだ。異動の準備をしろ! エクセラはブースターユニットを射撃モードにし待機! アラタは遠距離型アーマーのセンサーを装備しとけ!」
「了解!」
ついに初のD2エリア。
心が踊るのと同時に不安と恐怖を含んだ、感情が渦巻き変な汗が噴き出た。