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092 闇の破片(かけら)
明るく笑顔で過ごす日々
手には小さな破片がある
誰も知らないもう一人の自分
手には小さな“闇の破片”
現実を見ている破片
夢幻を見ている破片
笑顔の裏にある涙
他人しか解らない自分
日常の会話で闇を見る
残酷を残酷と思わず
殺人にも興味を持たず
あるのは好きな物の話だけ
破片をしっかりと握り締め
嘘と偽りの中で過ごす
他人の事など判るわけなく
自分の事も解っていない
心の奥に隠し持つ破片
正義心も誤りに変わる
手には小さな破片がある
誰もが持つ“闇の破片”
1998.05.13.




