90/320
090 Self-traitor ~自らの裏切者~
重くのしかかる闇
腕から流れる血
妙に映える人影
頬をつたう涙
薄暗い地下牢の中で
お互いの傷を舐め合う
僅かな肌の温もり
それを感じていたくて
願いだとか望みだとか
表向きのモノじゃなく
ただ己の感情のみで
裏の欲望に忠実だった
自分の感情が押さえられなくて
己の欲望が強くなって
相手のコトも判らなくて
ただ己を壊したかった
罪人だと言うのか
ただ欲望に従っただけ
温もりから逃げただけ
“Self-traitor”
相手も壊れるほどの闇
身体が壊れるほどの血
冷たく重なり合う人影
許しを請う為の涙
感情を人間から取り除いて
獣のように内部を舐め合う
熱く感じる中枢神経
ただ 人手あるコトを忘れたい
周りが薄暗い闇
だからこそ映える血
それが理性を失う鍵
己の欲望に忠実
お互いの望みは関係なく
お互いの欲望に従い
温もりを求め肌を重ねる
ただ闇の中に居たかった
地価牢に逃げ込んだ
感情なんていらない
人格なんていらない
“Self-traitor”
1998.05.09.




