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009 現実
朝が来るのが怖い
毒にまみれた都市を
歩きたくない 生きたくない
でも こうしたのは人間
真夏の熱い太陽
排気ガスにまみれた外
緑がなく 生気のない町
ロボットだけが動き回る
何かやりたくても見つからない
何かやろうとしても何も出来ない
考えられない 考えたくない
無人の町 おちぶれた郊外
人は何を求めて生きている
無関心の大人 無邪気な子供
現実はすでにイカれてる
朝が怖い でも眠りたい
この腐りきった現実を忘れる為に
夜は全てを忘れさせる
毒にまみれた都市を輝かせる
外に出たが最後
うえた獣の餌食となる
――これが現実…――
1997.06.09.