73/320
073 悲嘆
嘆き悲しむ事はできても
心から嬉しくは思えない
悲しくて苦しくて切なくて
今にきっと壊れてしまう
生きてる事自体が嫌
何故 生まれてきたのだろう
誰かを傷つけて傷つけて
誰かに傷つけられて
誰かの変わりに傷ついて
涙を流す事も忘れてしまった
嘆き苦しんだのはいつだったろうか
嘆き悲しんだのはいつの日だったか
心がどんどん失われていく
本音という「もの」は失われる
人形のように感情をもたない
感情というものを忘れたから
忘れようとしているから
人間という器を忘れようと
嘆き悲しむ事もできない
心は凍りついてしまったから
1997.10.29.




