+α 06
身体の中の気怠い感覚。何もやりたくなくて。
怠惰な日々を過ごしたくて、でも日の光を浴びたくて。
ベッドの中でコーヒーを飲みながら、ゆっくりとした時間が過ぎるのを待つ。
近くにコンピュータを置いて。書類と睨めっこしながら、髪をかき上げる。
日の光を十分に浴びたふかふかのシーツと布団。
気持ちよくその中を泳ぐように目覚めの朝を迎える。
夢の中へいるようなそんな感覚が、起きかけた脳を眠りへと誘う。
結構好きな洋楽を聴きながら、シルクのシャツを脱ぐ。
スーツに着替えて、朝食を食べて。二杯目のコーヒーを飲んだら、
新しい一日が、騒がしい日常が始まる。
疲れて帰っても、家には誰にもいなくて。
暗い部屋が明るくなる。朝と変わらない部屋の中。
殺風景で、女らしさなんて一つもなくて。
モノトーンの部屋は、人を恋しがって。緑の植物は生き生きとしてて。
白いシャツだけが「おかえり」と言ってくれる。
出しっぱなしのコーヒーカップ。書類やフロッピーが散乱して。
シャワーを浴びて、淡いブルーのシルクシャツを着て。
書類の見直し、やり直し。メガネを掛けてキャリア・ウーマンっぽく。
コンピュータのデータをもとに、新しい書類を作って。
眠りたいのに眠れなくて、ブラックのコーヒーを飲みながら。
綺麗な星々を見上げて、疲れを癒す。
ベッドの中でいろんな事を考えて。思いっきり誰かに甘えたい。
誰かの腕の中で眠りにいつきたい。密かに香るコロンの香り。
枕に顔を沈めて、今夜も覚めない夢を見る。
夜の帳が優しく包み込む中、深い深い眠りに落ちる。




