表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
過去の詩  作者: 魅桜
186/320

180  堕ちた翼


空を見上げた

高く遠くへと

はばたく為に

幸福になる為に


幾重にも繋がれた

重い暗い鉛の鎖

心が失われるかのように

鎖は外れたりはしない


濁りの無い白い翼

いつしか黒く変わっていく

純粋だった白い羽根

荒みきった黒い羽根


ただ素直に従うだけ

従っていれば楽

考えなくてすむから

例え周りが何を思おうと


汚れを知らないフリして

ズタズタに引き裂かれ

楽になろうとした

鎖は繋がったまま



近くにあった青い空

いつのまにか遠くに

暗い場所からずっと

空を見上げ続ける


動く事もままならない

鎖は次第に重さを増し

奴隷のようになる

ずっと鎖に絡まったまま


はばたこうと暴れる

絡みつく鉛の鎖

幾度となく翼を動かす

浮き上がる事さえ無理


従うフリが辛くなる

昔の白い翼が浮かぶ

振り返れば黒い翼

汚れきった魂の色


鎖が外れないからと

言い訳が多くなる

いつのまにか翼は

堕ちた世界に慣れた



     2001.06.28.


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ