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企画3 月
風の中に浮かんだ光
狂気の夜に胸が騒ぐ
何もかもを脱ぎ捨てて
本来の動物へと戻る
遠くには普段の自分
目の前には欲望の自分
お互い手を差し出して
自分の中に取り込もうとする
けれど正反対のモノだから
決して手は届かない
狂気に捕らわれ過ぎて
月の光を浴び過ぎて
心かき乱され破壊され
普段の自分は消去された
心の中 奥深くに
突き刺さった闇の光
乱れた思考は留まらない
光は永遠に届いていく
細い狂気の光が長く照らし
動物の本能は呼び起こされる