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143 Sweet Desir
毎夜 二人の刻を過ごす
皆が寝静まってからの快楽
大きい声で話せず 囁く様に
それが身体中を駆け抜けていく
背中に電気が走るような感覚
上手く言葉が返せなくなっていく
身体が全て心臓になったみたいに
一刻の甘い夢を二人で見る
普通に会話を交わすよりも
何故か卑猥に聞こえて
脳の中枢から全身に向けて
ゆっくりと快楽は巡っていく
甘い吐息が静かに聞こえて
何かの感情が疼き始めて
心臓が早鐘を打つかのように
何もかもが溶けて絡まる
囁きが甘く響いているから
肌が温もりを求めて寂しがる
甘い吐息は二人を絡めていく
二人の刻が夜を覆っていく
1999.09.04.