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116 蜜乱
花々の香りの中で
幸福の一時を過ごす
綺麗な色に囲まれ
刹那の夢に溺れる
天上の音楽が流れ
身体の力が抜ける
地下の音楽が流れ
快楽に身を投げ出す
花の蜜に群がる
虫のように芯を探る
物欲が目の前にある
無理矢理に捻じ込む
熱い風と甘い香
神の楽園は堕ちていく
例え理性が戻ったとしても
堕ちた者は救われない
蝶々のように舞う
踊り狂う蜜乱
花々の香りの中で
二度とない幸福を過ごす
誘惑の波にさらわれ
久遠の夢に溺れる
天上の音楽が流れ
求めていく快楽
地下の音楽が流れ
獣のように戯れる
捻じ込んだ快楽
引きずり出し喰らいつく
情欲が目の前にある
極上の花の蜜
熱い香と甘い風
堕天使達は舞い上がる
例え翼をはばたかせても
白い翼に戻らない
蝶々のように舞う
躍り狂う蜜乱
1998.11.16.