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過去の詩  作者: 魅桜
114/320

114  月下蜜


絡みつく香り 視線

力なく横たわる貴方

血の失せた身体が

青白く綺麗な光を放つ


きつく閉じた眼

紅く映える口唇

永遠の眠りのように

風が冷たく吹く


そんな貴方が愛しくて

力強く抱き締める

腕が床に落ちる

胸にかかる横顔を見る


吸血鬼が血を吸うように

貴方の首筋に刻印をつける

赤く痕がついて

ゆっくりと貴方は目覚める


白いシャツがはだける

身体中に傷が絶えない

赫い血が流れて

苦しむ貴方に欲情する



嫌がって逃れようとする

力なく横たわる貴方

清らかな処女(おとめ)のようで

その蜜に触れてみたくなる


睨みつける眼

半開きの口唇

刹那の快楽の為

熱い風が騒ぐ


そんな貴方が愛しくて

身体中にキスの雨

抵抗がなくなる

背中を反らせて求める


獣が狂い出すように

熱い狂気が貴方を壊す

中に埋め放ち

激しく夢が崩れる


されるがまま なすがまま

欲情が夢になる

絡みつくその視線が

月下の獣を呼び起こす



     1998.10.05.


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