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112 脱力感
ベッドの上で寝ている
身体に力が入らない
しわくちゃになったシーツ
快楽が過ぎ去った後
視線を隣へとずらす
安心しきった安らかな寝顔
力の入らない肉体
物足りなさを感じ始める
ゆっくりと腕をあげた
気怠さが駆け巡る
髪がさらりと流れ
シーツを重なり合う
夢から破れたように
現実に引き戻されるように
力が抜けた四肢
ベッドに深く沈む
しわくちゃになったシーツ
髪がさらりと流れ
快楽が過ぎ去った後
物足りなさを感じ始める
1998.10.01.