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110 無限精神
何もない空間の中
その中を漂い流れる
無限の空間
精神の漂流
誰もが気付くわけでもない
誰もが知っているわけでもない
ただ解っているだけ
単純な仕組み
解くのは簡単
けれど難しい
誰かに優しくしてほしい
誰かに優しくしていたい
幸福に過ごしたいから
何事も無限の中
無限で安心できる場所
精神で優しくなれる場所
何かがさらさら流れていく
刻を終えた人間の身体
空間の中へ消えていく
何かがある刻の破片
その中で漂い傷つく
無限の空間
精神の漂流
誰かが助けるわけでもない
誰かが求めるわけでもない
ただ直視しないだけ
簡単な仕組み
解くのは単純
だけど疲れる
誰かが優しくしてほしい
誰かを優しくしていたい
思い出がなくなってしまうから
何事も精神の中
無限が安心できる場所
精神が優しくなれる場所
流れていく虚無の嵐
終了してしまった人生
空間の中へ消えていく
1998.09.21.