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過去の詩  作者: 魅桜
11/320

011  血塗られた歴史


剣をおろす 戦いは終った

俺の中で次の歴史が始まる

この記憶は現世のものか

前世のものか わからない


お前が血まみれで倒れている

剣を胸につきさしたまま

息絶えていた 俺を守る為に

こうなるなら守ってほしくなかった


“大丈夫”と耳元でささやいていた

今!!さっきまで!!

それで安心して闘えた

安心しすぎていた無様な俺


今ここに神がいるなら

お前を生き返らせてほしい

それが無理なら来世で

また二人会えるようにしてほしい


前世の記憶を呼びおこしたのは

お前だっただろう?

俺の歴史を動かしたのは……

――お前だっただろう?



今 指が動いたか?

違う動くわけがない

心臓をつらぬかれたのだから

そうあってほしいという願望


この俺の歴史を紡いできたのは

お前だっただろう?

この俺を愛してくれたのは

お前だけだっただろう?


重い身体 血まみれの指

俺は抱きしめるお前を

想いを悲しみを思い出を

二人の歴史をずっと抱く


来世で会えるのか?

会えるはずだ 絶対に

今までもずっと出会ってきた

お前が俺を愛すかぎり


また闘う為に会うはずだ

この俺の無様な姿を

笑ってくれないか?

俺の血塗られた歴史を



     1997.06.10.


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