第一話 いつもの日常だった筈が…。
友達が居ない主人公の話です。
「よし、お疲れさん。
そろそろ行くか」
上司の高宮さんがオフィスのみんなに声を掛ける。
そういえば、今日は飲み会の日か。
今日はこの後職場の飲み会があるのだ。
周りを見るともう帰り支度を始めていて、俺も作業内容を保存すると帰り支度を始めた。
~ 十五分後 いつもの居酒屋 ~
「お疲れさん。
今月もよく頑張ってくれた。
今日も楽しんでくれ。
以上。
では乾杯!」
「「「乾杯~!」」」
高宮さんが音頭を取ると、皆で乾杯する。
うちの会社は月に一度会社主催の飲み会がある。
勿論、支払いは会社持ち。
飲み会の残業手当は出ないから、参加は自由だがほぼ全員が参加している。
何しろタダメシが食える。好きなだけ飲める。
難点は、いつも会社そばの同じ店であるという事くらいか。
社長の知り合いの店だとかいう噂もあるが、メニューはちょくちょく変わるし美味しいから俺は特に不満はない。
広い居酒屋、飲み会の日はうちの会社で貸し切り。
各部課ごとにテーブルを確保して、それぞれで自由にやってる。
割と自由なのがうちの会社の社風みたいなものかな。
俺はいつもの指定席でお通しを摘みながら、ビールをちびちび飲んでいたら、同期の村上貴子が絡んでくる。
「川瀬ー、まぁた一人で辛気臭い顔して飲んでる。
そんな事だと彼女どころか友達も出来ないぞぉ」
俺はこの女が苦手だ。
何故か知らないが、入社以来俺に絡んでくる。
どうせ、友達も彼女もいねーよ。ほっとけよ。
と、心の中で悪態をつく。
これを口に出せれば楽なんだが、俺はそんなキャラじゃない…。
「そんな事言われても…」
そこへ同僚でオフィスでは一番親しい近藤が助け舟を出してくれる。
「川瀬は仕事で頑張ってるから疲れてるんだよ。
察してあげてよ」
そういうと、村上にニッとほほ笑む。
近藤は明るくて社交的で良い奴だ。イケメンだしな。
村上は近藤に微笑まれると頬を染める。
「そ、そうだね。
川瀬も頑張ってるんだね。
じゃあ、お姉さんがビール注いであげよう」
そういうと、テーブルに置いてあるビールのピッチャーをもってきて俺と近藤のジョッキにビールを注ぐ。
「ありがとう、村上さん。
気が利くね」
そういうとまた歯がキランみたいな感じで、それを嫌味なくやってしまうところがこの近藤という男だ。俺が女だったら惚れてるんだろうか?
「あ、ありがとう」
近藤スマイルに気を良くしたのか、俺たちに微笑み返すと村上は席に戻っていった。
まあ、そうなんだよ。
俺は友達も居ない、彼女も居た事が無い。
コミュ障では無いつもりなんだが、他人に距離を詰められるのが苦手というか…。
頭の中での思考は兎も角、フランクな話し方するのは苦手だし。
話しかけてくれる人は居るんだが、どうもうまく話せないというか。
上手く友達が作れたためしがない。
特に異性と話をするのが苦手だ。
小学校から地味な感じの人生歩んでるな俺。
ネットだとそれでも多少はマシなんだけどね。
「村上さんっていい子だよな。
面倒見良くて優しくて。
俺思うんだけど、村上さんって川瀬に惚れてるんじゃないか?」
は?何言ってるの?
そんなわけ無いだろう。どこに俺に惚れられる要素があるのさ。
「え?
それは無いと思うんだけど、多分近藤の事好きなんだと思うよ。
俺、近藤と一緒に仕事してる事多いからさ」
「んー?そうかなあ。
でも、俺村上さんに仕事以外で直接話しかけられた事ないよ?」
そうなの?
でも、それってあれじゃないのか、本命は好きすぎて直接話しかけるのが恥ずかしいとか。
実際、近藤は性格も良いからもてるじゃんよ。彼女が居るのかどうかは知らないが。
「きっと、直接話しかけるのが恥ずかしいんだよ。
大体、俺に異性から惚れられる要素なんてどこにもないと思うんだけど。
仮に近藤が女だったら俺に惚れるか?」
近藤はきょとんとした顔をするが笑いだす。
「ははは。
てか、川瀬って自己評価低すぎじゃないか。
川瀬は確かに話すの苦手みたいだけどさ、仕事出来るし真面目だし。
部署でも頼られてると思うんだけどな。
俺が女だったら惚れるかと言われたら、それは女になったことが無いからわからないけどさ。
見た目も普通だし、悪くは思わないと思うんだけどな」
ちなみに、俺は近藤とは一緒に仕事してるし良く話すから結構話せてるだけで、他の人だとこうはいかない。
まったく話せないわけでは無いが、どうしても敬語になってしまうというか、馴れ馴れしく話すなんて無理だ。
それに、俺の見た目が普通だとか、自分がイケメンだから憐れんでるのかと一瞬ムカッと来るが、こいつはそういう事考えないってわかってるから。
でも、毎日洗面台で顔を見てるがかっこいいどころか普通だと思ったことも無いぞ。精々ギリギリキモオタじゃないレベルだ。
ただ、まあ確かに仕事は多少は自信がある。
近藤は社交的で客先で折衝能力は高いが、本来の開発の仕事は俺の方が出来ると思う。
ちなみに、俺たちの仕事はシステムエンジニアだ。
営業が売り込めた客先で話を聞いて、客の望む業務システムを構築して納品するのが仕事だ。
近藤は開発の仕事自体は出来ないってわけじゃないと思うんだが、センスがちょっと残念な感じなんだよ。
だから、客と折衝して見積だしたりするのが近藤、近藤の隣で話を聞いてシステムを作るのが俺。
納品時も説明担当が近藤、操作担当が俺みたいな感じの役割分担にいつの間にかなってるな。
そんなこともあって、確かに部署でシステム系のヘルプデスクみたいなことやってるのは確かに俺かもしれん。
村上もそうだが、事務の女子たちはパソコンの類は苦手だからなあ。
残念なのは上司の高宮さんも営業出身だからかパソコン関係は苦手っぽい。
話がそれた。
まあ、なんというか、近藤も悪くは思わないが惚れるわけじゃないって事なら、今の部署の女子たちと同じスタンスだって言ってるのと同じじゃないか。
「はは、俺の見た目が普通だとか、慰めありがとう。
仕事は頑張ってるつもりだから、そこを評価してくれるのは嬉しいよ」
それを聞いて近藤は微妙な表情を浮かべる。
「うーん。
川瀬って、自虐っぽいのが難点だよなあ。
慰めとかで言ってるつもりはないんだけど。
村上さんにさりげなく川瀬の事どう思ってるか聞いてやろうか?」
こいつはなんてことを言いだすのやら。
「や、やめろよ…。
そんな事、聞かなくていいよ。
お、俺別に村上さんの事嫌いじゃないけど、好きってわけでも無いし」
「そうか?
ならやめておくけど。俺絶対村上さんは川瀬に気があると思うよ?」
「そんな事無いって。
まあ、俺の事はそっとしといてよ」
「はは、まあお前がそういうなら」
再び一人で飲み始めようとしたら、女子たちがやってくる。
「近藤さん、あっちで一緒に飲みましょうよ」
近藤は俺の方を見るが、どうぞいってきて。
俺は一人で飲みたいんだ。
頷き返すと、女子たちに連れられて行った。
そして、なぜか入れ替わりに村上が隣に来た。
「川瀬、飲んでる?
また注いであげようか?」
「飲んでるよ。
気持ちだけありがたく」
まだそれなりに入ってるジョッキを見せる。
「村上さんは近藤たちのところで飲まなくていいの?
楽しそうだよ?」
女子たちが座っている席で近藤と女子たちが楽しそうに盛り上がってるのが見える。
村上はそっちの方をちらっと見る。
「話が盛り上がりすぎて疲れちゃった。
だから、ちょっと休憩」
あー。まあ確かに女子たちは酒の席は楽しそうだよな。
あれだけ話してれば疲れもするだろう。
ちなみに、俺の座ってる席と女子の席はテーブルを挟んで対極の位置。
「そ、そうなんだ…」
そんな村上はなぜか俺の方をじーっと見てくる。
そして、口を開く。
「川瀬さあ、もう少し自分に自信を持った方が良いよ」
それさっき近藤にも言われたよ。
たけど、どうしようもないんだ。これが俺だもの。
「そ、そんなこと言われても…」
俺の情けない返事をきいて村上がため息をついて視線を外す。
その後、お開き迄村上はそこに居たが、特に会話も無かった。
本当に単に疲れてただけなのかも知れないな。
~ 二十一時ごろ 電車の中 ~
会社の連中と別れ、多少酔いの回った頭で家路につく。
俺は今マンションで一人暮らしをしてるんだが、会社まで電車にのって三十分くらいの所に住んでいる。
帰りの電車に揺られていると、今日の飲み会の事が思い出される。
村上もさ、近藤もさ、俺の為を思ってかも知れないけどさ、余計なお世話なんだよ。
そんなことが出来るなら、とっくに別の人生歩んでるっての…。
ああ、なんで俺ってこんな人生歩んでるんだ。
幼稚園の頃は忘れたが、記憶に残る限り小学校の頃からずっと俺はこんな感じだったような気がするよ。
とにかく自分に自信が持てない。自信がもてる要素が思い浮かばない。
兄貴は勉強が出来てスポーツマンなイケメンで小学校の頃からモテて華やかな人生を送っている。
それに引き換え俺は…。
両親に兄貴と比較されたことは一度も無いが、案外出来過ぎな兄貴の事にコンプレックスを持ち続けているのが俺の原点なのかも知れないな。
もうため息しか出ないよ。
せめて俺が女に生まれてたら、別の人生があったんだろうか。
妹なら兄貴にコンプレックスを抱く必要はないからな。
村上とは仲の良い同期の同性、友達になってるかもしれないし。
近藤とも単に憧れの対象として眼福していればいいだけだったかもしれないし。
これまでの人生もそう考えだすと、女に生まれてたら別の人生歩んだ気がしてきた。
彼氏も居て、友達も居て、もっとマシな女性としての人生送れてたのかなあ…。
はあ、妄想は尽きんな。
くだらない事を考えていたら、家の前だった。
扉を開けると、誰も居ない部屋にただいまの挨拶と共に入る。
まあ、誰も居ないいつもの俺の部屋だよ。
いつもならここからシャワー浴びて、ゲームとかして寝るんだが、今日はなんだかものすごく疲れた。
面倒だから、服だけ皺にならないように脱ぐとそのままベッドにダイブ。
直ぐに意識を手放した。
~ 翌朝 マンション自室 ~
んー、良く寝た。
何時に寝たのか覚えてないが、久しぶりにぐっすり寝た気がする。
身体を起こして伸びをして、起きようとベッドに手をやると。
あれ?なんか違和感が…。
それに、ベッドのシーツって、水色だっけ…。灰色だったような…。
もしかして、酔っ払ってて大変な間違いを?
慌てて顔を上げて周りを見渡すと、雰囲気は似てるが見た事が無い物が幾つが目に入る。
あ、この部屋って、俺の部屋じゃないや…。
血の気が音を立てて引いていく気分だ。
きっと顔面蒼白だろう。
慌てて外に出ると部屋の番号を確認する。
312
あってるじゃん、マンションの廊下の風景も廊下から見える外の風景もいつもと同じ。
部屋の位置も同じだ。
出勤なのか隣の部屋の男性がガチャっと音を立ててドアを開けて出てくる。
お隣さんは確か高橋さんだっけか、付き合いは無いが引っ越しの時に挨拶したし何度も顔を合わせた事がある。
思わずいつもみたいに挨拶すると、お隣さんは何故かぎょっとした表情を浮かべ赤面すると、見てはいけない物を見てしまったような感じで慌ててエレベーターの方を向いた。
「お、おはようございますっ」
挨拶を返すと慌ててエレベーターの方に行ってしまった。そしてこちらを見ることなく下に降りていく。
俺は不思議に思いながら、部屋に戻る。
ここは間違いなく俺の部屋の筈だ。
そう思うと少し気が楽になって、今度は落ち着いて部屋を見る。
うーん、やはり俺の部屋じゃないような…。
でも、家具とか調度品は同じような気がする。
このマンションは備え付けではないから、これは俺が買ったものだ。
テレビも同じものに見えるし、ゲーム機も俺のもの…だよな?
そして、ふと昨日脱いで皺にならないように掛けた服が視界に入った。
明らかに、それは俺が脱いだスーツとワイシャツでは無かった。
どう見ても女もののスーツとブラウスなんだけど…。
俺はまだ寝てるのか…。
慌てて洗面台に向かい顔をバシャバシャと洗う。
夢なら目が覚めるだろう。
夢じゃなくても目が覚めるだろう。
そして、冷たい水で意識がはっきりすると鏡で自分を見てみる…。
鏡に映る自分は、どう見ても女。
それも、明らかに自分で見て俺だってわかる女がそこに居た。
そう、なんというか。出来の良い女性化写真アプリで女性化させたら出てきそうな。
或いはホルモン注射で女性化したらこんな感じになる様な。
そんな感じの顔。
どう見ても、昨日までと違う明らかに女の顔なのだ。
確かに、なんだか昨日女に生まれていたらって思ったけど、まさかその夜のうちに女性化するとか、神様仕事早すぎじゃないか?
まったく、今日も仕事なのに、仕事どうするよ。
こんな顔じゃ行けないよ…。
身体はどうなってるんだと視線を下におろすと、隆起する胸があった。
身長も明らかに低くなっていて、さっきから感じていた妙な違和感の原因はこれか。
そして、驚いたのはブラをつけてるんだよね。これが。
浴室の大鏡に映すと、しっかり揃いの下着をつけていた。
つまり、どういう事だよ。
俺がそのまま女性化したなら、トランクスはいてて胸は丸出しの筈。
だけど、ちゃんと揃いの下着を着てる。
再び洗面台に戻り、鏡を開けて整髪料とか入ってる棚を見てみる。
そこには、ドライヤーは同じだったが、明らかに女性用の見たことのない整髪料や化粧水などが並んでいた。
洗面所の引き出しを開けてみると洗剤がある位置には同じ洗剤と見た事のない洗剤が。
そして、一番異なっていたのが一番取り出しやすい位置に、前であればそこに洗濯ばさみとか入れていたのが、化粧品入れと思しきそれっぽいポーチが入っていた。
俺は笑えてくると同時に腰が砕けてへたり込んでしまった。
これってさ、どういうことなの?
俺って生まれた時から女だったっけ?
もうね、冗談じゃすまないよ。
よろよろと部屋に戻ると、部屋を見回す。
俺の仕事鞄を置いた筈の位置に、女性物のトートバッグが置かれてあった。
村上とか会社の女子たちも使ってるような奴だ。
それをもってきてテーブルに置いて、中身を一つ一つ並べていく。
女性物の財布、それに女子がよく持ち歩いてるポーチ。
中身は…、ああ見なかったことにしたいがハンカチとか生理用品の類だ…。
背徳感を感じまくりだが、女の人のバッグの中身的なものがテーブルの上に並びましたよ…。
他人のものをこうやって出したり触ったりするのは、本当に精神を削る。
そして、恐らく俺が一番見たかったものはパスケースの中か…。
中身を空けると、いつも見慣れた俺が勤めている会社の社員証が入っていた。
社員証の写真に写っているのはさっき鏡に映ってた女性、つまり女性化した俺。
そして、社員番号、生年月日、血液型、名前まで同じだった。
ちなみに、俺の名前は川瀬薫。社員証に書かれていたのも同じ川瀬薫。
違うのは性別が女となっていた…。
俺はもう何が何だか。一体どうなってるんだ。
もしかしてこの世界は俺が女性として生まれた場合の世界なのか?
俺は思わず突っ伏した。
だが、それすら肩まであった髪がふぁさっと被さりいつもと違う感触に違和感を感じる。
ふと、スマホを開いてみる。
おお、これは俺のスマホだ。
中身は昨日まで使ってたスマホとまるで変わらない。
気になったのは写真だ。
写真のアイコンを押すと、俺が撮りためたフォトライブラリが開く。
パッと見た感じ、中に入ってる写真は同じに見える。
つい先月行ったばかりの社員旅行の時の写真があったはずだ。
それを見ればはっきりする。
恐る恐る、社員旅行の時のフォルダを開くと、そこに写っていたのは俺が見たのと異なる写真だった。
部署の人たちが写る写真がその中に入っている。だが、近藤と一緒に取った写真が一枚も無くなっていた。
代わりに、村上や部署の女子たちと写ってる見た事のない写真が入っていた。
そして、他の人に撮ってもらったもらった写真に写っているのは、俺ではなく普通の女性らしい恰好をした女の俺、そして一緒に写っているのは近藤ではなく村上貴子だった…。
これではっきりした、俺は女として生まれた世界に居る。
何故かは分からない。もしかしたら、男として生きて来た人生自体が何らかの記憶障害で生じた偽りの記憶で、最初から女として生きて来たのにそれを忘れているのかも知れない。
だが現実問題、女として生きて来た記憶はないし、そもそも女としてどうやって生活して行けばいいのか途方に暮れる。
ただ、ため息が出るばかりだが、ふと時計が目に入る。
「やっべ、仕事の準備しなきゃ間に合わんぞこれ…」
昨日のままシャワーも浴びずに行くわけにはいかない。
四苦八苦してブラを外し、下着を脱いで脱衣籠に放り込むと慌ててシャワーを浴びる。
鏡に全裸の女の姿、まあ俺が写るんだが、気持ちが焦っているのもあるのか、自分の身体だからか不思議とピクリともこなかった。
兎に角、女の身体はよく分からないから、ざっと全身をシャワーで流して頭を洗う。
頭を洗う…。
思わず叫びそうになる。
肩まである髪の毛を洗うのは途方も無く面倒くさい。しかも、シャンプーが俺が使ってたものと違う。
辛うじてコレというのを見つけ必死に洗い、必死に流し、ドライヤーを掛けるがこれがまた乾かない。気持ちばかり焦る。
そして、身体を大慌てで拭いて、着替えだ着替え。
幸い、いつもの習慣で自然と体が動いた位置に下着があった。
性別が変わってもこの辺りは変わらないのか。
だが、当然ながらそこに並ぶのは女もの。どれを着ていいのかわからない。
時間が無いから、無難なのを選んではいて、ブラは…、着けるの面倒だから良いや。
順番に引き出しを開けていけば女ものの無地のTシャツっぽいのがあったからそれを着る。
兎に角、大慌てでブラウスを着て掛かっていたスーツを着て。
慌ただしくトートに中のものを戻すと、戸締りをして外に出た。
スマホを見るとこのまま電車に乗れば遅刻確定だ。
タクシーを拾って会社まで行って貰う。
途中、ドライバーがバックミラー越しにこちらをチラチラ見てるのが気になったが、何とか定時までに会社に駆け込んだ。
並行世界で女の自分になってしまった主人公の悪戦苦闘はこれからです!




