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シナリオライターだった令嬢はかならず執事を助けます

作者: フェイリー

初めての小説です。思いつくまま書いたので設定がゆるかったり読みにくいのはご容赦くださいませ。



「ねぇ、アル。ちょっといいかしら。……話があるの。」


もう就寝という時間、就寝の挨拶をして下がろうとする執事を私は引き留めた。

振り返った黒髪の青年は切れ長のアメジストの瞳を細めて微笑んでくれる。


「どうしました、シルフィお嬢様?何か悩み事でも?」


「悩んでる、わね。でも違うわ。」


この5年、ちっともうまくいかなかった。これさえ失敗したら最終手段を取らざるをえなくなる。

それは嫌だからお願いよ。

私よりもずっと背の高い彼を見上げて、私は緊張した声で告げた。


「アルセイド・ロング。───貴方を解雇します。」




私はシルフィール・アデラント。アデラント公爵家の令嬢で、『聖女』候補の1人。

そして創世の女神の魂を持っている……という隠し設定(・・・・ )もある。

実際に入ってるのは、ただの一社会人だった前世をもつ魂だけどね。

ここは私がシナリオを描いた【聖女と巡る星々】という恋愛シミュレーションゲームを元にして創られた、ふざけた異世界だった。


前世での私の仕事は、ゲームのシナリオライター。

なかでも【聖女と巡る星々】は初めて世界観からキャラクターの製作まで手掛けた、私にとって思い入れの深い作品。

城と神殿をゲーム舞台に、平民ながら『聖女』候補になったヒロインが2人のライバル候補とあらゆる分野において、たった一人の『聖女』の座を競い。その傍らで親しくなった王子や騎士達と恋愛もする、ありがちな育成恋愛シミュレーションゲームだったけどね。

ちなみにシルフィールは艶やかな銀の髪と翡翠の瞳を持つ、淑やか清楚系美人のライバルキャラだ。


売れ行きはまぁまぁで順調だー!と思ってたんだけど、まぁその矢先に私は突然の病で命を落としちゃった……らしい?うろ覚えだけど。全然順調じゃなかったわ。



気が付くと一面真っ白な世界。髪がどピンクの頭の軽そうな女が目の前にいました。



『初めましてぇ~、私はぁ~、この世界を創った女神ですぅ~。』


(は?何この人?…あれ、喋れない!?)


『あなたはぁ~、死んで魂だけの存在ですからぁ~、一方的に説明だけしちゃいますぅ~。』


(死ん…っ?え……私、死んだの?)


『昔ぃ、この世界を創る時にぃ~、参考に異世界から情報を集めたらぁ~げぇむ?の情報があったんですぅ~。気に入っちゃったのでぇ~、貴女の頭の中の世界観?とかきゃら情報?とか、ぜーんぶ私の世界に採用しちゃいましたぁ~。』


(はぁ!?頭の中?世界に採用??)


『でもでも、私がシルフィールの役をやるのは無理だし嫌なのでぇ~、ある意味あなたもこの世界を創った人だしぃ~、今回あなたが死んだと同時にぃ~代役として呼んじゃいました~!シルフィール役(・・・・・・ )、頑張ってくださいねぇ~!』


(何言ってるの!?シルフィール役……っ!?ちょっと、もっと説明を…っ)



───これだけ。女神は本当に一方的でした。



そして全てを忘れてシルフィールに転生した私は、5年前に『聖女』候補に指名された時に一気にそれまでの記憶を思い出した。多分これは女神には予定外だったんじゃないかな。


(~~~最悪すぎる、あのクソ女神っ!!)


最初に抱いたのはそんな怒り。


私は各ルートに終盤を盛り上げる為の大事件・犯罪を仕込んだのよ!

酷い過去のあるキャラだっていたのよ!

ただのゲームシナリオだから出来たことを、気に入ったからって自分の世界の人達の運命にするな!!



記憶が戻って5年、色々と頑張った。

元はお淑やかな筈のシルフィールは中身が私なせいか、幼少期から色々とアクティブな令嬢だったので色々動きやすかった。「見た目だけは清楚な美人なんですけどねぇ」とはメイドさんの言。

公爵家の力と、記憶と共に使えるようになった女神としての力(ほんの一部だろうけど)を使って、犯罪組織は潰し死ぬ予定の人達は助け、騎士の演習についてったり大火事を雨でこっそり消したりと頑張ったよ。

政権争いとかの不幸の種はまだ残ってるけど、出来る限りの事はしてきたつもり。

…5年より前の事は、申し訳ないけどどうしようもなかった。

途中、女神のちょっかいらしき事もあったけど、そこまで手が出せないのか『ちょっかい』で今はすんでいる。


そして最後に残った問題が、執事のアルセイド・ロングをどうやって助けるか。

彼は【真相ルート】では死ぬ運命にある。

しかも既にヒロインは現れていて幾つもルートはあるのに、どういう訳かよりにもよって真相ルートに沿った行動をしている。


アルを死なせたりなんか、絶対にさせない。





「……解雇?どうしてですか、シルフィお嬢様。」


突然の解雇宣言に、アルの綺麗な顔が歪む。彼は立ち絵すらないモブだけれど、攻略対象に引けを取らないくらいお顔が整っている。

おまけに彼は優しくて。どこまでも誠実に私を見てくれる。

そんな彼の顔を見て話すのもツラくて、さりげなく顔を逸らしながら言葉を紡ぐ。


「ごめんなさい、こちらの一方的な都合よ。新しい仕事はこれまで以上に良い所を探してあるわ。」


「嫌です!私はあなたのお傍にいたいんです!」


悲痛な声に私の顔も歪む。ああ、やっぱり拒否された。


「事情があるのよ、お願いだから───」


「聞きません!私の生きがいはあなたの傍にいる事です。どんな事情があろうと、あなたが私を解雇しようとも、私はあなたのお傍にいます!」


その言葉にツンと鼻の奥が痛くなる。アルは多分一歩も引く気がないくらい、本気で言ってくれている。

最終手段──真実を話すしかない。話さずにいられるならと解雇を告げたけど、やっぱり無駄な悪あがきだったな。


……この5年、執事じゃなく別の仕事を斡旋しようとしたり、他家へ推薦しようとしたりと、私の傍から離す為に色々頑張ったけど惨敗した。


アルは私に恩義を感じてくれてる。

私が8歳の時、たまたま街に行った際に路地で蹲ってるのを見つけて保護したのがアルだった。怪我してボロボロだった10歳のアルを、両親を必死で説得して連れ帰って。気付けばアルは私付きの使用人になっていた。


それ以来ずっと一緒に育ってきた。誰よりも近しい大切な人。


あの女神のちょっかいもある。本当は…本当は、アルの死亡フラグを確実に折るには、アル自身が私を嫌うのが一番良いと分かってた。それなのに出来なかった弱い私。


嫌われたくなかった。憎まれたくなかった。

強制解雇でちょっと嫌われるくらいなら耐えられたのに。

真実を話してしまえば絶対に嫌われる。もしかしたら憎まれすらするかも。


──出来れば隠しておきたかったなぁ、と思う私は、相当ずるい──



「あなたが私に恩義を感じてるのは知ってるわ。だけど本当は全部、私の所為なの。本当はアルの傍にいてもらう資格なんて、私にはないのに黙ってたのよ。」


「お嬢様が私を遠ざけようとしているのは知っておりました。それはその所為ですか?貴女は何を隠されているんです?」


詰め寄って顔を覗きこもうとするアルを避け、数歩先のソファーに深く腰掛けて顔を覆う。

胸が痛い。本当はこのままでいたい。

…だけどアルの為、思いっきり嫌われてあげる。


「私には、前世の記憶があるの。」




前世のこと。シナリオの事。女神のこと。

隠しておきたかったことの全てを、私はアルに打ち明けた。



ゲームには個々のルートの他、【真相ルート】がある。

【真相ルート】は最後にシルフィールが強大な魔力を暴走させ、世界滅亡の危機をヒロイン達が止めるというもの。

暴走のきっかけはアルセイドがシルフィールに向けられた凶刃から庇い、亡くなるのを目の当たりにしてしまったから。


(私をかばって死んでしまうのがアルの運命なんて。)


それじゃ最初から最後まで、アルは私の被害者だ。

ゲームでは孤児だったのを拾った、と( ぼか)したけど違う。本当は。


「あなたの両親があなたを虐待したのは、私がそう設定を作ったからよ。」


アルは両親から虐待を受けていた。私が作った設定通りの運命を背負わされた親子が、アルとアルのご両親。

償っても償いきれない、私の罪。


「あなたの幸せを奪ったのは私。更に私を庇って死ぬ運命まで背負わせた。あなたの人生は最初から最後まで私の所為で狂わされるのよ。ねぇ、それでも私の傍にいると言える?」


これで嫌われ確実。おめでとうアル。あなたの命は助かりました。

胸中で涙する私にアルの視線が刺さる。


(わかってたでしょ、シルフィール。アルの為には嫌われるのが一番いいの。)


アルが私を嫌いになれば、いくら女神が状況を整えようと、私を庇ってアルが死ぬなんて事にはなりえない。

……だけど、怖い。アルはどんな表情で私を見てるんだろう。怖くて身体が少し震えてしまう。



俯く私。齎される静寂。──それを破ったのは聞きなれた艶のある低い声。


「……お嬢様が仰ってるのが真実だと仮定して。」


「………。」


「お嬢様には何の罪もないように思いますが?」


「………………は?」


アルの信じられない驚きの台詞を理解した途端、ビックリして反射的に顔を上げてしまった。

見上げたアルは私が想像してたどんな顔とも違う。小首を傾げ、ジッと私を見つめるその表情にはどこにも憎悪とか感じない、というか本気で疑問に思ってる!?


「え、アル?それ本気で言ってる?」


「本気ですが。あなたは変わりなく私の恩人です。」


「私の所為で虐待されてたのよ!?」


「シルフィお嬢様はただ物語を作っただけですよね?それを運命なんかにしたのは女神で、貴女の所為ではない筈です。」


「それはそうだけど、それで納得できるようなものじゃないでしょう!?」


「私は納得できますが。」


「うそでしょ!?」


この5年、悩みに悩んだ事をあっさり否定!?そんな簡単に納得できるもの!?

ちょっと待って、このパターンは考えてなかった!これが最終手段だったのよ!?

どうしよう、これじゃアルの死亡フラグを折り切れない!


「それより私が気になるのはシルフィお嬢様の事です。【ゲーム】では暴走した貴女はどうなるんですか?」


「え?」


気になるのはそっち?

シルフィールも【真相ルート】では何者かは秘されたまま、最後は舞台から消える予定になっている。ヒロインが【真相ルート】を進んでる今、私はその前に自分から姿を消すつもりだけど。暴走とか嫌だし。


「えぇと、攻略成功したらシルフィールは女神として天上に戻り、失敗したらシルフィールが消滅して世界の終わ…り……、」


言葉は最後まで紡げなかった。執事の背後に黒いオーラが漂いだした気がして。

しかもいつの間にか、またも距離を詰められてソファのすぐ前に立ってるし。


「あ、ある?」


目が、アルの目が怖い。整った顔で無表情だと迫力が!


「シルフィお嬢様が……いなくなる、と、仰いましたか?」


「え、えぇ。でも大丈夫よ、私もその前に姿を消そうと思っているから……?」


「消す、ですか。どうやって?」


なんでだろう。ますますオーラが濃くなって背中がゾクゾクするのは。


「そ、の。女神の力が、使えるから、王都からは空を飛べば、簡単に。」


「ああ、成程。女神の力は既に使えるのですね?魔法では人を浮かすのも難しいですが、さすがはシルフィお嬢様。王都から抜け出した後は?」


アルはようやく無表情から笑顔になった。けど、だけど。


「ぜ、前世は庶民だったから、ある程度は自炊も出来るし。手持ちの宝石を売って当面の生活費にして、適当な街で平民に、なろうかなーと……。」


「良いですね。足が付かないように気を付ける必要はありますが。」


「そう、ね?」


曖昧な微笑みを浮かべて相槌を打つけど、たぶん口元が引き攣ってると思う。

それくらい今のアルの雰囲気は怖かった。

何でだろう、顔はすごくステキな笑顔を浮かべていると思うのに。


「いつ頃に出発しましょうか?ああ、荷物は私がご用意しますのでご安心を。」


まるでピクニックに行く予定でも話すかのような軽い口調。優しい笑み。

でも残念ながらその裏に潜む彼の意図に気づかない程、私と彼の付き合いは短くなかった。


「……ちょっと。ちょっと待って、まさかついて来るつもり?」


「当然です。」


嘘でしょ!?これにはさすがに怯えてる場合じゃないと声を張り上げる。


「当然じゃないわよ!私といたら命が危ないかもしれないんだって!!それにアルにだって王都に思い入れとか大事な人とかいるでしょう!?」


「貴女の傍にいられないのなら私の生死に興味はございませんし、思い入れも大事な人もおりませんので。」


「ちょっとは自分に興味を持ちなさいよ!?あなたね、前々から思ってたけど私を優先しすぎなのよ!モテるのだから恋人の一人や二人くらい簡単に──」


「失礼ながらシルフィお嬢様。」


「!?」


訴える私の上に影がかかり、急に目の前にアメジストが迫って驚く。

アルの両腕が私の横に伸びてソファの背もたれを突いている。

背後はソファ、両脇にアルの腕、目の前にアルの……顔?……顔!?



「な、なななな……っ!!??」


なんですかこの体勢はーっ!?



「例えばですがお嬢様、あなたは恋愛小説を好まれてますね?特にお気に入りの続編を今は楽しみに待たれていますが。」


「な、ちょっ、えぇっ?」


内心パニック状態の私を無視して、いきなり趣味の恋愛小説を持ち出された。好きですよ、えぇ!前世でも今世でも縁がありませんから!


「そこに私が続編と別の三流恋愛小説をいくつも持ってきたとします。読むならどれを選びますか?」


いやそれよりこの体勢は何!?恋愛小説?何その質問!?


「そ、そりゃあ。続編を読む、わよ?面白いのがわかってるもの。」


「そうですね、私もです。どうでも良いものが手に入っても仕方ありません。」


アルが目を三日月のように細めて私の目を覗き込む。

固まる私を見つめるアメジストの瞳が妖しげに揺れて、まるで紫の炎のようだなーと場違いな感想を抱いた。


「手に入らないと諦めるべきなのに諦めきれなかったものが、私の手の届く所に降りてくると言うのですよ?手に入れようとするのは当然ですよね?」


「そ、そう、かしら?」


肯定するのは危険だと感じるのは何故かしら…。

今なら獲物認定された草食動物の気持ちがわかる気がするわ。


「そうなんです。ところでシルフィお嬢様?」


「は、はい。」


「お嬢様が平民になられるのでしたら、私と同じ身分( ・・・・)ですね?」


「……。」



今度こそ。


私は頬を引き攣らせたまま、凍り付くしかないのだった──。







──その後。


シナリオが迫ってくる前に、私はアルを連れて王都を脱出。無事にある街でアルと共に庶民として暮らしている。

風の噂では王都は特に大きな事件なども起きる事無く、『聖女』候補の失踪が騒ぎになった程度だったらしい。あのバカ女神ならシナリオを修正させようとしただろうけど、さすがに重要キーワードの私がいなくて諦めたのか。

ちなみに『聖女』はヒロインではなくもう一人の候補がなったという。


そして私は──



「おかしい。絶対おかしい。」


「何がですか、シルフィ。」


テーブルに腕を突いて頭を抱える私の前に、アルが紅茶を運んできてくれる。隣に腰掛けるアルは私のことを愛称だけで呼ぶようになった。


私はもう公爵令嬢じゃないし、彼も執事じゃない。私達はもうシナリオからは遠いところにいる。


今のところ公爵家に見つかる様子はない。公爵家にいた頃のように贅沢は出来ないけど、私達は割と平穏な日々を送れていた。

過去に想いを馳せればいつも思う『どうしてこうなった』。


「あなたよ。【アルセイド】が【シルフィール】を好きだなんて、ゲームにも設定にも作った覚えないわよ!恩人ってだけだったでしょ!?」


そう。あの日から私を好きだと迫ってくるアルに、私は見事に絡め捕られた。そんなの脳内の設定にすらなかったし、当然シナリオにもあるはずがない。

ホントにどうしてこうなった!?


「勿論、恩も感じていますよ。ですが共に過ごすうちに愛するようになったのは当然の事だと思いますが。」


「あぃ・・・っ そ、それがわからないわ!私なんかのどこに惹かれる要素があると言うのよ。自慢じゃないけど前世・今世ともにモテない自信があるわよ。」


婚約者がいないのは『聖女』候補だから仕方ないとして、公爵令嬢だった私に全く声がかからないのは私に魅力がなさすぎたからだと思う。


「シルフィは鈍いですからね。それに私も多少裏で手をまわしましたし…。」


「何ですって?」


なんと、私がモテないのはまさかの執事のせいだったらしい。思わず睨んだ私の頭を優しく撫でてくれるけど、騙されないんだから!


「申し訳ありません。愛ゆえの行動です。」


「ぐっ…べ、別に良いけれど…私、自分に魅力がないんだと思ってたわ。」


「なら少しだけお教えしましょうか。排除してきた男達ですが、あなたに想いを寄せるきっかけとして多いのは、あなたが身分を鼻にかけず、誰に対しても同じ視線で言葉をかけるからです。」


サラッと排除って言ったわね。わかってたけど黒いわ、この元執事。


「単に前世では身分制度がなかったから、その影響が今世でも出てただけよ。」


「怪我をすれば自ら治療してくれる、悩みを親身になって聞いてくれる、家族を助けられた、その言葉に癒された、とあなたに惚れたきっかけは様々でした。」


「……。」


あれ?それってもしかして、フラグをバキバキに折りまくってた時の事では?


「誤解だわ!!」


「あくまできっかけですからね。私の場合は、ぐいぐいと無理やりにでも元気にさせようとする強引さとか、自分が痛い訳でもないのに泣いてくれる優しさとか、絶対に一人にさせまいと寝所にまで潜り込んでくる行動力とかでしょうか。」


「う゛っ」


アルが引き取られてすぐの頃、確かにそんな事をしていた。

だ、だってアル、最初の頃は暗くて引きこもってたから。幼心になんとか元気になってもらいたくて必死だった覚えがある。


ゲームのお淑やかなお嬢様(シルフィール)がそんな事をしたとは思えないから、そこが相違点になった……?


「あとはそうですね。私を傍から離したいのに上手くいかず、けれどそれに安堵もしながら、でもやはり離れないと、と。そう苦悩するあなたの泣きそうな顔はとても可愛らしいと思ってましたよ。」


「………。」


嬉しくない。なんだそのS発言。というかわかってたのか。


「アル。あなた、性格が悪いと思うのよ。」


「申し訳ありません。もちろん私の隣で笑っているお姿が、一番お可愛らしいですよ、シルフィ。」



肩を抱き寄せて額に口づけてくる元執事は幸せそうで。


……それを可愛いとか思っちゃう私も多分、末期なんだと思います……。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

読みやすく纏めるのってこんなに難しい事だったんですね…。

よろしければ評価などお願いします。

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