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光夜叉  作者: ソラネ
第三章
59/128

少年は過去に翻弄される


「あ、あの、すみません!」


 校門を出た時、声をかけられた。


振り返れば、知らない人がいた。

眼鏡をかけた…良くいえば真面目で大人しい、悪くいえば暗く気弱そうな見た目の少年が立っていた。

隣地区の中学校の制服。あの美少女…姫川と同じ中学校の制服だ。


最近、校門前で待ち伏せされることが増えた気がする。


「神代さん、ですか?」

「……そうだけど」

「あの、もうツクヨミと会わないでください!」


 そんな大声で言わなくても……。

校門を通る他の人達が何事かとチラチラとこっちを見たり、立ち止まったりしてるじゃん。


「え、と…ツクヨミ、って?」

「あ、いや、姫川のことです……」


 『ツクヨミ』と聞いてすぐに出てこなかったが、名前を聞いてあの美少女のことだと分かった。


「とにかくアイツとはもう会わないでください!」


 大声で言わなくても聞こてえるよ。

君のせいでだいぶ目立ってるからね。

地面向いてて気付いていないだろうけど、見られてるから。


「ここじゃ、あれだから…少し歩きながら話そう」



「姫川さんとは友達?」

「……違います」

「ツクヨミって姫川さんのこと…だよね。彼女のあだ名なの?」

「便宜上。僕はそう呼んでるだけです。前の名前だったので」

「あの会わないでって、どうして……? 姫川さんと付き合ってるからとか?」

「違います! 付き合ってません。付き合えるわけがない」


 「とにかく会わないでください」とだけ一方的に言われる理由が分からない。

そもそも、彼女の方から来て待ち伏せされてるし。


「僕は会いたくて会ってるわけじゃないよ。彼女の方から来るんだ」

「神代さんからきちんと言ってください」


 う~ん。どうして、この人に言われてしなきゃいけないだろうか。


確かに姫川さんと一緒に帰るのは億劫ではある。

でも、明確な理由がないうえで彼女を拒否するのはおかしい気がする。

姫川さんとどんな関係か分からないが、勝手すぎるんじゃないか?


「君が言えばいいじゃないかな。僕なんかに頼らずに君が姫川さんにいえばいいよ。会いに行くなって」

「それはできません。できないから神代さに頼ってるんです」

「どうして?」

「え」

「どうして、そんなことをしなきゃいけない?」


 「それは…」と呟き、少年は俯いた。


「君のお願いは相手を傷つける行為だ。理由もなく会いに来るな…なんて言えないよ」


黙ってしまった少年に「これ以上、用がないのなら先に行くね」と言ってその場に少年を残し、僕は別れた。




「最近、おもろいことなかった?」


 休み時間。

わざわざ僕の所へやってきたスバルはニヤニヤと笑いながら聞いてきた。


(昨日、一昨日と学校にいなかったくせに)


 スバルの様子から一昨日にあった出来事を知っているくさい。

どこで聞いてくるのやら……周りが噂してるのをきいたのか……。


「誰から聞いたの?」


 僕はため息をつきながら聞き返した。

「何を~?」と子首を傾げて答えてるが、確実に知ってるだろう。

別に隠してるわけではないので、一昨日の出来事を軽く話した。


「出待ちされるなんて……ヒカルは有名人になったなぁ」

「はぁ、静かに暮らしたい」

「美少女と同じ学校の制服だったんやろ。ソイツは美少女のおっかけとか?」

「おっかけ? よく分からない。付き合ってはいないみたいだった」

「あんな美少女だからなぁ。隠れファンやらオタクやらがたくさんいてもおかしくないな。これからもありそうやな」


 勘弁してくれよ。

僕はこれ以上、目立ちたくないんだ。


「さてさて、今日はどんなのがいるのやろうなぁ」とスバルはニヤニヤしながら教室の窓をチラリと見る。

まだお昼前なので校門には誰も待っていないのは分かっているが、思わず自分も見てしまった。




いつも【光夜叉】を読んでいたたぎ、ありがとうございます!


ちょっと姫川さんは作者の趣味が入ったキャラクターだったりします。

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