対峙する
<ヤハリ………オマエガ……オマエガ……!>
八つの目を一斉に僕の方へ向けれる。
自分の身体を拘束していた『糸』が金色の光によって解かれたのを憎らしげに睨まれている。
これが『チカラ』なのだろうか?
全身を包むように光が僕から放たれている。
あの『少年』と似た色……ううん、少し薄い…白金に近い色合いかも……。
まじまじと身体を纏う光の粒を凝視して自分に起こった現象を観察すると。
「っ!」
『蜘蛛』から伸ばされた『糸』を腕で払えば、パラパラと『糸』は綻んだ。
<ナッ……!?>
それを目にした『蜘蛛』は驚きの声をあげ、後退った。
<コレハ…アノ子の……>
苦々しく、そして、憎らしげに顔をますます歪めながら僕を見ている。
すぐでも襲ってきそうな気迫を放っているのに行動に移さないのは、僕の変化に様子を窺っているからだろう。
それはこっちも同じだ。
これから、どうすれば良いのか女の姿をした『蜘蛛』を見つめ、動けずにいた。
「哀れな蜘蛛よ」
そんな中、口からついた台詞に見開く。
自分の声なのに、自分ではない。
自分の身体なのに、自分の意思とは関係なく勝手に振る舞っている。
「主までを狙うとは愚かな」
――怖がらないで。
ボクの云うとおりにすれば、大丈夫だから。
僕ではない意識が語りかけ、優しく包み込んだ。
それが『声』だと分り、ホッとした僕を確認すると続けて言い放つ。
「覚悟するんだ。蜘蛛」
僕達は『蜘蛛』と対峙した。




