表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光夜叉  作者: ソラネ
序章
1/128

プロローグ



「ボクのチカラをカしてあげる」


突如、目の前に現れた少年は汚れることを厭わず、傷付いた頬を両手で包む。


「君は……?」


微笑みだけ返すと目を閉じ、ゆっくりと顔が近付いてきて――。


「な、何を…んっ」


唇が重なる。

ぞわりとした感覚に自分の身体に絡み付く『糸』がなければ、咄嗟に払い避けていた。


「……っ!」


重なった唇から何かが流れ込んでくる。

僕という器の中に何かが流れ込み、混ざり、自分という意識が曖昧になっていく。


半ば強引にを受容した僕達は一つになり、やがて――。



<ヤハリ…………オマエガ、オマエガ……!>



『蜘蛛』が八つの目を一斉に僕の方に向けた。

自分の身体を拘束していた『糸』は金色の光によって解けていた。


僕の全身から淡い光が放たれている。

『蜘蛛』から伸ばされた『糸』を腕で払えば、パラパラと『糸』は綻んだ。


「哀れな蜘蛛よ」


口からついた台詞に見開く。


自分の声なのに、自分ではない。

自分の身体なのに、自分の意思とは関係なく振る舞う。


「主までを狙うとは愚かな」


――怖がらないで。

ボクの云うとおりにすれば、大丈夫だから。


僕ではない意識が語りかけ、優しく包み込んだ。


「覚悟するんだ。蜘蛛」


僕達は『蜘蛛』と対峙した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ