九話 パーティー結成!
俺は今、冒険者ギルドで指名依頼を受けて、街周辺の警備に当たっている。
というのも、この前のような大規模襲撃は比較的魔物の攻撃頻度が高い陸の戦艦でも初めての事で、残党がいないか、襲撃の予兆が無いかを確認している。親父は、休暇が終わると同時にクビにされ、強制的に家に返された。ちなみに、なんて母さんに言おうかオロオロしている親父は傑作だった。
「うぉらぁぁぁ!!」
怒号が聞こえた方向に行ってみると、3人パーティーの冒険者が60ほどの魔物の大群に囲まれていた。タンクらしき男が攻撃を受け、ストライカーが隙を突き、ヒーラーが回復すると言うバランスのいいパーティーなのだが、囲まれているせいでタンクが持ちそうにない。
応援に行くとするか。襲撃の際に仲間になった、エルダーリッチを4体を出して魔法攻撃をさせると、蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
エルダーリッチはリッチの長老とも言える存在で強力な魔法攻撃で攻めてくる。一撃でパーティーが全滅することも珍しくない。
そのエルダーリッチが現れて攻撃してきたんだ、逃げ出しすのも分かる。まぁ…逃さないけどね。俺はエンシェントウルフを出して逃げた魔物の殲滅をお願いした。
「あ、あんたは一体何者なんだ?」
タンクらしき男が話しかけてきた。俺はゼロ=ガロットだと伝えるとタンクとストライカーが騒ぎ出す中、ヒーラーが話しかけてきた。
「僕の名前はタケルって言います。失礼ですが、あなたもモンスターテイマーですね?」
俺は驚いた、タケルがモンスターテイマーを知っていた事にではない。今確かに『あなたも』と言った。つまり、俺の他にもモンスターテイマーがいたという事になる。
「いきなりで申し訳無いのですが、僕達とパーティーを組んでくれませんか?あなたがここに残るのなら僕達も残ります。あなたが旅をするのなら僕達も共に行きます。」
俺は少し考えて2つだけ条件を出した。
条件は、隠し事はしない。嘘をつかない。
「分かりました、その条件を呑みます。」
「ちょっと待ってくれ!あんたが街の英雄だって事は知ってる。だからこそ、なんで俺達とパーティーを組むのかが理解できねぇ!」
俺はタケルがモンスターテイマーだと知っているのかを聞くと、
「「モンスターテイマー?なんだそれ?タケルはヒーラーだろ?」」
タケルの方を見ると………慌てていた。
「ゼ…ゼロさん、あの、その……………」
慌てすぎて何を言っているのかわからない。
「落ち着け、はい、深呼吸。」
「スーハースーハー。」
やっと落ち着いたようで事情を話してくれた。
どうやら俺と同じく領主とかから逃げているため、仲間にもヒーラーと言っていたそうだ。
ヒーラーとしてやっていけていたのは、フルヒールスライムをテイムすることに成功したからだと言う。
仲間に実は俺と同じモンスターテイマーだと言うと、すごく疑っていたが、俺とタケルの手の甲のあざを見せてこれがモンスターテイマーである証だと言ったらすごく驚かれた。
それから俺達は冒険者ギルドに戻りパーティー、『モンスターズ』を結成した。
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