八話 襲撃!
街からの緊急依頼が入ると、ギルドマスターが2階から降りてきて、
「Dランク以上は緊急依頼を受注しろ!受注しない奴は登録履歴及び冒険者履歴を削除するぞ!」
こう言うと、その場にいた俺も含めたDランク以上の冒険者達は一斉に緊急依頼を受注して迎撃に出た。
街から出ると、既に多くの冒険者が魔物と戦っていたが、やや劣勢のようだった。そこで俺はミハエルに魔物をどう攻撃したらいいか相談したら
「後方からカルマとクオンを、右側面からエンシェントウルフを、左側面からミレニアムドラゴンで攻めれば魔物の逃げ場を無くし殲滅できますぞ。しかし冒険者達にその事を知らせなければさらなる魔物が攻めて来たと士気を下げかねないのです。どうするのですかな?」
その時、親父が「じゃあゼロがミハエルの作戦で攻撃を始めたら俺がその事を皆に伝える。なぁに心配すんな、俺はこの街じゃ3指に入る冒険者だ。」
俺は親父を信じてミハエルの作戦どおりにカルマ、クオン、エンシェントウルフ、そしてミレニアムドラゴンを展開した。
そうしていると、冒険者達の方から、
「皆、安心しろ!あの神獣達や魔物達は俺の息子の仲間達だ!つまり…強力な援軍の登場だ!」
冒険者達は初めは疑っていたようだが、次々と魔物達が消えていっているのを見て、味方だと理解したようで一気に士気が上昇して、俺達が優勢になった。
掃討が完了した後、魔物の死体がやたらと少なかった事に冒険者達が不思議がっていたが、カルマ達が倒したそばから丸呑みしたりしていたと伝えると、納得していた。
だが、事実は全く違う。カルマやクオンを見た魔物が次々と降伏し自分からテイムされてきたのだ。5万ほど仲間が増えた。おかげで鞄の中を皆が快適に過ごせるように拡張及び追加をするはめになった。どうやら、陸はカルマ、空はクオン、
海はキールが統治するらしい。皆、仲間が増えて結構喜んでいる。今回は力で仲間にしたようなものだから、反乱の危険があるがカルマたちがにらみを効かせているから大丈夫だろう。
冒険者ギルドに戻ると、ギルドマスターに呼ばれた。受付の人が案内してくれた部屋に入ると、ギルドマスターがそこのソファーに座ってくれと言われて腰を下ろすと、
「さて、ゼロ、君は一体何者だ?」
「俺はモンスターマスターです。モンスターマスターは神獣及び魔物を仲間にする職業です。」
ギルドマスターはそんな職業きいたことがないというので、事のあらましを説明すると、納得してくれた。俺が貴族達に利用されそうになった時は保護して欲しいと言うと、
「もちろんだ。お前みたいな貴重な戦力を貴族どもに利用させるなど、愚の骨頂もいいところだ。できればこの街を拠点にして活動してくれるとありがたいのだが…」
「すみません。母との約束のがあるため、それはできません。」
ギルドマスターは残念そうに頷くと、話題を変えてきた。
「ところで、報酬だが、Bランクへの昇格と金貨50枚でいいか?」
俺は驚いた、まさか金貨だけでなくBランクへの昇格もあるとは。その理由を聞くと、「金貨50枚はお前と仲間が討伐した魔物の数、Bランクへの昇格は、そんだけの力を持ってんだからBランクくらいにはいないともったいねぇからな。」
なるほどと納得し、俺は冒険者ギルドを出た。
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