異世界
「うーん…ここは…?」
優樹が目覚めると、そこは土とほどよく生えた草、どこまでも青い空に絶妙な木漏れ日…どう考えても優樹の部屋ではなかった。
「……」
とりあえずうずくまる優樹。そのまま時がすぎて何分経っただろうか。優樹に近づく人影が現れる。
「…え?」
はい。優樹さん気絶いたしました。人影に殴られたんですから当然ですね。
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日がくれて黄昏時、優樹は目を覚ました。体が動きません。なぜなら、手が縛られていますから。慌てて辺りを見渡すと20人ほどの人影。
(人じゃない…鋭い爪、醜い顔…まさか、ファントムワールドのゴブリンじゃないか!)
「ぐぎゃ?…ぐがぁぁ!!」
「「「「「「ぐがぁぐがぁぐぎゃぁ」」」」」」
一匹のゴブリンが優樹が起きたことに気づいて仲間に掛け声をかけると、一斉に謎の躍りを披露する。その先は誰でもわかる。
(ぼくを食べる気だ…どうしよう…でも、これはゲームの世界なんだよな…)
「伏せて!!」
突然どこからか謎の声。伏せようにも木に縛られている優樹には何もできない。森の奥から何かがばらまかれ…
ちゅどぉぉぉぉーーーん!!!!!
「…うわぁぁぁぁぁぁ!!死ぬぅぅぅ!!」
派手な爆発が起きた。木と一緒に飛ばされ、地面に激突。
「痛い…」
「大丈夫ですか!?さぁ!早く!」
謎の女性が縄を切ってくれて、手を引く。煙のせいで顔は見れない。だが、その手を握っていると懐かしいような気持ちにさせた。
「ふぅ…やっとまけたかな、あの…大丈夫ですか?」
優樹は目を見開いた。見慣れた金髪にエメラルドの瞳、深紅の衣装…そう、毎日会っていたソフィアだったのだ!
「え…どう言うこと?ゲームの世界だよね…?なんでソフィアが動いて…」
「?よくわかりませんが、ここはファントムワールドで自然を司るエルフが住んでいる地です。」
「エルフがいるの…?」
「はい!5種族が対立しながら住んでいます」
「え…じゃあぼくたちこんなところにいちゃいけないんじゃない…?」
「…そうですね…あ!自己紹介がまだでしたよね!私はソフィアです。これからよろしくお願いしますね!マスター!」
「え?マスター?ぼくのこと知ってるの?」
「はい! もちろんです!ユウキ様ですよね?」
「そうだけど…マスターはちょっと…」
「マスターはマスターです♪」
(これだから人付き合いは嫌だ…はやく帰りたい…)
「さぁマスター、ここは危険ですから人間の住む都市へ行きましょう?」
「あ…あぁ…そうだね」
(そんなキラキラした目で言われたら嫌と言えないや…)
ソフィアとユウキの出会いです。




