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初めてのダンジョン

「んんー…マスター、朝ですよ~起きてくださ…いっ!?」


「あぁ、おはよう。もう朝か」


「…どうしたんですか?すごい隈ですけど…」


実を言うとあれから寝てない。というか、女の子とろくにしゃべったことないぼくがあの状態で寝れたらおかしい、とは言えないので


「いやぁ…ずいぶん早くに起きちゃって…」


と、ごまかしておく。


「そうですか…そういう場合は私も起こしてくださいね!」


「今日は何をいたしますか?」


「そうだなぁ…」


とりあえず、こんな自分じゃ生きていけないので


「レベル上げしてもいい?」


「はい!お手伝いします!」


*********************


装備をそろえてから意気揚々と町の外にでたのはいいが、


「うわぁぁぁぁぁぁ!!むりぃぃぃぃっっ!」


「なんで逃げるんですかー?頑張ってくださいよぉー」


レベル上げという名のゴブリンとのおいかけっこを楽しんで?いた。弱小のゴブリンくらい余裕だろうと思っていたが、いざ目の前にしてみると怖い。とても醜い顔をしていて、ギョロギョロと目が動いてる様子は気持ちがわるい。


「えぇー…こんなにかわいいのに…」


そう言いながらゴブリンを葬るソフィアはもっと怖かった。


「強い敵だともっと気持ち悪いし怖いですよ?」


今僕たちがいるのはD級ダンジョンの近くの草原だ。この世界はD級が一番難易度が低い。そしてダンジョンに潜れるほどレベルは高くないので近くの草原でレベルを上げているのだが…


「上がらないな…」


「すみません…私がほとんどやっつけているからですよね…」


「いや、逃げる僕が悪い。」


「敵…いなくなっちゃいましたね」


ここは草原だから見晴らしがよく、敵がいないのは一目瞭然だった。


「ダンジョンに潜ってみないか?」


「え…」


シュンとするソフィアがかわいそうになり、ついそんなことを言ってみる。


「わかりました…私が絶対守ってみせます!」


「ありがとう、無理はしないでね」


*********************


「ここか…」


ダンジョンは神殿のような白い建物だった。装備を確認する。初級者用の剣に旅人っぽい服装。どこから見ても初心者!という感じだった。


「ポーションもありますし、行きましょう!」


しばらく歩くとこちらに背を向けているゴブリンがいた。


「チャンスです!」


卑怯かと思ったがレベルのためには仕方がない。


「よし…えぇい!」


「ぐぎゃっ」


「よ、よし!やったよ、ソフィア!」


「え、ちょっ!」


攻撃は見事あたり、喜びのあまりソフィアの方を振り向く。


「まだ生きていますよ!!」


「え」


振り向くと傷が痛むのか背中を擦るゴブリンのすがた。次の瞬間ユウキに襲いかかってきた!


「いっ…」


30ほどのダメージ。体力が少ないのですぐにレッドゾーンへ。ソフィアが治癒魔法をかけると全快した。


「えぇい!これでもか!これでもか!」


「見事でしたよ、マスター。ゴブリンはマスターが倒しましたよ!」


「はは…」


力が抜けてその場に座り込む。あんなに怖いとは思わなかった。とにかく無我夢中で剣技もあったもんじゃないが自分の手で倒したことは嬉しかった。


「でも、なんで一撃で倒せなかったんだ?ソフィアは一発だったのに…」


嬉しい気持ちもソフィアの返答ですぐに打ち消される。


「えっと…ユウキ様の攻撃力は10程度なので、ゴブリンが相手なら4回ほど攻撃しなければ勝てません。」


なるほど。4回攻撃を当てればいいだけだったんだ。


「しかし、私の攻撃力は100はあるので一撃で倒せるんです…」


聞かなければ良かったと思ったユウキでした。


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