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空っぽな心の人  作者: ゆう
3/3

友達

私が転校してきてから2週間が経った…


あれからずっと真空くんに話しかけているんだけど



真空くんは大抵無視をするか



『…ウザいんだけど』と言って突き放すばかり



(まぁ、この程度じゃ挫けないけどね)



時刻は7時30分…今日は何故か早くに目が覚めたから


早く学校に行く事にした



◆◆◆◆◆◆◆◆◆ガラガラ◆◆◆◆◆◆◆◆


教室に着いてドアを開けて中を見ると


誰の姿も見えなかった…



(こんな早くに人が来る訳ないよね…)と私は苦笑する



『あれっ瑞沢さん?』と女の子の声が聞こえて後ろを振り向くと



『貴方…確か同じクラスの』とそこには私より背の低い可愛らしい女の子がいた



(ツインテール…凄い似合ってるな)



彼女は黒くて長い髪をツインテールに結っていて彼女が動く度に髪が揺れる


『あっ、私__黒木(くろき)沙耶(さや)宜しくねっ』と笑顔で名前を述べる黒木さん



『…黒木さん』と私が彼女の名前を口にすると



『そんな他人行儀じゃなくていいよ…下の名前で気楽に沙耶って呼んで』と満面の笑みで言われる



私は何度か躊躇ったけど、言わないと話が進まないと思い



『さ、沙耶…ちゃん』と照れくさかったけど名前を口にした



(人の事、下の名前で呼んだの…久しぶりで違和感が…)と照れ隠しに苦笑していると



(ウー、呼び捨てにして欲しかったけど…良しとしよう)と心の中で勝手に納得して満足気に頷く沙耶ちゃん



私は思わず笑った__



『雪ちゃん、どうしたの?』と聞かれて


『ううん…何でもない』と私は笑って返す



(沙耶ちゃん、裏表のない__純粋で良い子だな)



でもどうして私なんかに声掛けたんだろう?



『ねぇ、どうして私に話し掛けたの?』と冷たく言う私


我ながら感じ悪いなと思う



でも沙耶ちゃんはそんな私の態度に臆する事なく



『う〜ん、前から話し掛けたかったんだけど

タイミングがなかなか取れなくて…でもこんな朝早くに来てるじゃないっ‼︎だからこれは話し掛けなきゃっと思って』と笑顔で答える沙耶ちゃん



(本当に凄く真っ直ぐで良い子ね)



無意識に沙耶ちゃんの頭に手が動いていて既の所で気付いて手を引っ込める



沙耶ちゃんは良い子だ…それは間違いないだろう



心の声も大抵の人達と違い、裏表がない


でもだからって私が沙耶ちゃんと仲良くなったら



沙耶ちゃんは周りからの不興を買って


私みたいに孤立する可能性が有るかも…



だから…



『そう…なら今度からは話し掛けないで』と淡々と告げて自分の席に向かって歩く

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