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放課後七不思議倶楽部  作者: ササタニタクシ
3/3

始めるよ。倶楽部の活動を!

「ほら、2人ともこの甘いもの食べて落ち着きなさいな。」

チラシにも書いてあった最中とアイスが出て来た。

しかも、これでもかと言うくらい皿に最中が積まれて居た。

「わーい!アイスだ!頂きます!」

まずは、この最中を触れろよ。そんな事を僕が思っているとは、知らずに黒田みずきは、カップに入ったミルク味のアイスを口に頬張って食べた。

「あまーい!そして美味しい。。痛っ」

「どっどうしたの?みずきちゃん!」

「いや、行きよく食べたせいで、頭がキーンて」

「あっなるほど。」

アイスをそんなに勢いよく食べたら、そうなる事くらいわかるだろう。

「ほら、太郎くんも食べな。最中もアイスも好きなだけ食べていいからさ。」

「しっ仕方ない。出されたものだからな。闇の食べ物しか普段食べないのだが、今日だけは、特別だ。女よ。ありがたく思え。」

「あら。メスから女になったわ。これは、私の評価が上がったことでいいのかしら?」

あっ読み方を間違えてしまった。

「太郎…は最中が…好きなんです。昔から。」

口に物を入れたまま喋るな行儀が悪いから。そんな事を思った。しかし最中が好きなのは、当たっている。

毎日食べても飽きないほど何故最中が好きなのだ。

「あら、それは、よかった。いっぱい食べてね。」

アイスをすごい勢いで食べ終えた黒田みずきが僕に向かって言った。

「太郎?食べる前にちゃんと部長さんにお礼を言わないと。」

「貴様!闇の王に命令する気か!無礼者が……。」

「もう素直じゃ無いわね。なら、私が太郎の分の最中も食べちゃおう。」

そう言うと黒田みずきは、最中も凄い勢いで食べ始めた。

「あっ!最中…」

いっいかん。空切闇死がこんな最中のために頭を下げるわけには…

「部長!この最中も美味しいですね!何処の最中なんですか?」

「ありがとう!自分は、それ私の実家で作ってる最中なの!」

なんですと!!この女の実家は、最中を作っているのか!

「もしかして部長の家って和菓子屋さんなんですか?」

「そうよ。私の家は、和菓子屋なの。多分2人とも一回は、私の家の和菓子を食べたことがあると思うわ。この街に一軒しかない和菓子屋だから。」

「!?」

まっまさか、あの早乙女和菓子店の住人なんのか!?

「あ!だから、そんなに綺麗な容姿なんですね。だってお茶とか立てそうですもん。」

「あら、ありがとうみずきちゃん。茶道の他にも花道も習ってるわよ。」

いや、和菓子屋じゃなくて容姿の事を触れますか?黒田みずき。

だっだめだ。僕のキャラがここに来てブレすぎている。

ここは、冷静に。

「あっあの早乙女和菓子屋との女だったとはな。この空切闇死が認めた数少ないお店の1つだ。僕に褒められる事を誇りに思っていいぞ。」

「太郎くんは、私のお店を知っているのね!ありがとう。」


「それは、知ってますよ!あの、和菓子屋なのにケーキが売っていたり、プリンも何故だかお弁当まで売ってるところですもん!よくお世話になってます!」


「・・・」

「・・・」

あれ、僕は、何か変な事を言っただろうか?

「太郎。あんた。。」

黒田みずきが僕の顔を懐かしむように見ている。

なんだか、気まずい空気が流れた。

「太郎くん。うちのお店をそこまで思ってくれてありがとう!いつでもいらっしゃいね。さぁ食べて食べて!」

「はい!」

最中を1つ口に入れた。一口かじった時僕は、冷静に戻った。

あれ?なんだこの感じ僕は、何故敬語を使っているんだ?空切闇死は、僕自身のことだキャラじゃ無い。

だけど、なんで″キャラがブレる″なんて思っているんだ。しかも、最中のために。

それは、なんだか不思議なそして、懐かしい気分にもなっていた。


「さてと、2人とも食べたって事は、もう入部って事で良いかしら?て言うよりももう入部は、決定だけどね。」

「ちょっ早乙女弓子よ。何故決定になっているのだ。」

「私が2人を気に入ったからよ。言われなくてもわかるわ。2人の関係。太郎くんは、厨二病キャラで高校生活を謳歌したいけど、まだ迷ってる。

そして、みずきちゃんは、それを止めたいと思っている。そんな感じでしょ?」

いや、なんか大きなところが抜けているのだが。。

「部長!そんなところです。」

沈黙を貫いていた黒田みずきは、急に元気に答えた。

「・・・」

まぁいいか。でも、一言言わせてくれ。

「僕の名前は、太郎じゃない。空切闇死だ!」

「まぁ名前なんてどっちでもいいのよ。とりあえず、この倶楽部の事を説明してもいいかしら?」

多分もう何を言っても無駄だろう。この女さすがなかなかのやり手だ。今日のところは、名前を間違える事を許してやろう。

「意義はないみたいね。それでは、始めましょう。」


バシャ。

急に開いていたカーテンを閉ざされた。するとそれと同時に映像が流れ始める。

「これは、この学校に伝わる7つの不思議な話。

そして、明らかに学校側が隠したがっている昔の事件の話。それを新入り諸君には、教えてあげよう。」

明らかに早乙女弓子の声だ。多分自分達で作ったものなのだろう。

何故、この僕が暗闇の中こんな映像を見ないといけないのだ。しかも、命令口調の映画を。

そんな事を思っていると場面がまた変わった。

「1つ目は、タバコの匂いがする教室。」

あれこれは、早乙女弓子の声じゃ無い。まぁ流石に他にも人がいるか。

しかし、なんだこのナレーションは、何回噛むんだ。

多分怖いって思わせたいのだろう。だけど、それのせいで違和感がある。こいつもしや闇の住人の怖さに怯えているのか?

それなら、仕方がない聞いてやろう。

しかし、暇だ。僕は、人の話を聞くのが嫌いだ。地上の低レベルの人間を闇の住人空切闇死が聞かないといけないのか?疑問である。

不意に黒田みずきの方を見て見た。

………

……

こいつ寝ている!?

なんだ。満腹感で眠くなったのか?

早乙女弓子の方もいちを見て見た。すると早乙女弓子は、なかなかの出来ね。と誇らしげな顔で映像を見ている。

どうしたものか。

これは、起こすべきなのか?それとも寝かしておくべきなのか?闇の住人を迷わせるとは、いい度胸してるじゃないか。

僕は、考えた結果黒田みずきを起こすことにした。

僕の書き手は、右手だから、右手ゆすったり、人に触ったりすると闇の力で何が起こるかわからない。だから、左手にしよう。

左手で黒田みずきの肩を叩いた。

起きない。それどこか体勢が崩れた。

くっ体が寄りかかってくる。

もう一回揺らす。起きない。

小娘が何故僕がこんな心配しないといけないのだ。

そんな事を繰り返していると映像が終わった。

映像が途切れる。そして、早乙女弓子がカーテンを開けた。

「2人ともどうだった。?」

「…あれ?」

「・・・」

また再びの沈黙。

「じっじつに面白い映像であったぞ。早乙女弓子よ。」

なんで僕が焦らないといけないんだ。

そんなこと思っていると黒田みずきが目を覚ました。

「あれ?太郎?もう朝?」

違う今は、そんなこと言ってる場合じゃない。

「みずきちゃん。おはよう?」

やばいこれは、闇の力では、抑えられない怒りを感じる。

下手したら、召されるぞ。黒田みずきよ。さらば、短い付き合いであった。

「太郎が昨日遅くまで電話するからこういうことになったんじゃん。部長すいません。」

「は?」

「もしかして、2人は、そうゆう関係なの!?」

「いや、まて、早乙女弓子よ。僕と黒田みずきは、そんな事は…」

「違いますよ。こんな男と付き合う女性は、いないですよ。やだなぁ。部長たら。」

なんだろう。僕は、この女に遊ばれた気がする。

早乙女弓子よ。頼むからこの無礼な女を捌いてくれ。

「まぁ厨二病だし。きついよね。あはは」

なんですと?何故そっちの味方になる。僕は、何か悪い事をしたのか?

「僕は、厨二病ない!選ばれし闇の住人だ。」

「はいはい。もうそこで厨二病なのよ。太郎君。」

もう映像の話は、どこに言ったのだろうか。

「ところで、黒田みずきよ。さっきの映像は、どうだったんだ?」

恩を仇で返した罰だ。この女の怒りを全身で受けるがいい。

しかし、黒田みずきは、そんな簡単な小娘では、無い事をこの時の僕は、忘れていた。

「えっ?凄いわかりやすい映像でした。確か1つの七不思議は、タバコの匂いがする教室でしたよね。あの教室には、この前行って見たのですが、なにも匂いは、しませんでした。でもとても気になります!」

ほら行った通りだ。何故寝ていない僕の方が知識が全く無いのか不思議だ。

「みずきちゃんは、もうあの教室に行ったのか!行動力がある生徒は、いいわね。」

満更でも無いような顔をして、黒田みずきは、こちらを向いた。

「太郎君は、どうだった?」

先ず、名前が違う…その事は、後で置いて置くとして。

これは、困った。僕は、この映像を全く見ていない。

当てずっぽでも言っておくか…

えい!一か八かだ。

「セブンスター。って銘柄聞いた事あるなぁと思ったのが一番印象に残っている。」

「・・・」

いかん。これは、外れてしまったみたいだ。この女の力は、闇の力では、防げない。もうだめだ。空切闇死よ。永遠の闇に包まれて静かに眠れ。

「よく知ってたわね。そう、その教室の担任が吸ってた銘柄は、セブンスターなのよ。映像には、無い情報だったけどね。」

早乙女弓子は、よく当てたわね。今回は、見逃してあげる。と言ったような顔をして僕にその言葉を言った。

だから、なにも悪いことしてないのに。

「まぁ2人とも明日から、放課後は、直でここにきてちょうだい。この学校に眠る七つの謎を解き明かすことそれがこの倶楽部の存在理由よ。」


そんなこんなで、僕は、この放課後七不思議倶楽部に半ば強制的に入ってしまった。

本当なら、放課後は、闇の力を高める練習をしたかったのだが、無理そうだ。

話は、戻るがあの一瞬山口太郎らしき人格が出てきたのは、何だったのだろうか?

僕の中に眠る記憶のピースのカケラは、いつの間にか手に入れていて、自然と山口太郎という人格が戻りつつあるのだろうか?

わからない。だけど、面白いじゃ無いか。

山口太郎そして、空切闇死の直接対決。今の僕は、どっちが本当の僕なのか白黒はっきりつけたい気分だった。

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