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くまクマ熊ベアー  作者: くまなの
クマさん、新しい依頼を受ける

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942 クマさん、武器の作り方を聞く

 夕食を食べ、くまゆるとくまきゅうを送還し、わたしとカガリさんはドワーフの町に戻ってくる。

 日は落ち、時間もちょうどいい。

 わたしとカガリさんは鉱山の近くにある鉄工所に向かう。

 

 鉄工所の近くに来ると、待っていてくれたのかロージナさんとバッソさんがいた。


「嬢ちゃん、大丈夫なのか?」


 ロージナさんはカガリさんに尋ねる。


「あのぐらい、大丈夫じゃ」

「あのぐらいって……」


 ロージナさんは信じられない顔をする。


「その嬢ちゃん、なにかあったのか?」

「なんでもない。さっき、調子が悪そうそうだったから」


 ロージナさんは誤魔化すように言う。

 カガリさんがお酒を飲んだことは言えないし、実は大人だったとも言えない。

 どちらを話しても、問題になる。

 幼女なのにお酒を飲ませたことになるし、大人だと言えば、頭がおかしくなったと思われる。


「歩き疲れておったが、休んだから大丈夫じゃ」


 カガリさんもロージナさんに合わせるように誤魔化す。

 バッソさんもそれ以上は追求はしてこなかった。


「こっちだ」


 バッソさんは歩き出し、わたしたちはその後をついていく。

 建物にやってきて中に入る。


「暑いのう」


 ロージナさんとカガリさんが顔をしかめる。


「あたりまえだろう。鉄を溶かしているのだから」


 どうやら、この部屋は暑いらしいが、クマ装備をしているわたしには暑さは感じない。

 本当にクマ装備は凄い。

 でも、温度変化が分からないから、他人を気遣ってあげることができないのが難点だ。

 フィナと一緒に行った先が、もし寒かったり、暑かったりしても、わたしは気づいてあげることができない。

 周囲を見渡す。

 部屋の中には鉄鉱石が積まれている。


「ここに例のゴーレムを乗せてくれ」


 周囲を見ていたら、バッソさんがローラーコンベアを指さす。

 ここに鉄鉱石を置き、流すみたいだ。


 わたしはミスリルゴーレムクマボックスから取り出し、ローラーコンベアに乗せる。

 ギリギリ乗った。


「ミスリルゴーレムなんて貴重なのに、もったいないな」

「使わないのは、もっともったいないよ」


 バッソさんの言葉も理解できる。

 限定グッズのフィギュアは箱から出さず、そのままとか聞いたことがある。

 でも、飾ってこそ、フィギュアの意味がある。


 バッソさんがボタンを押すと、ローラーは動き出し、ミスリルゴーレムは溶鉱炉に向かって動き出す。

 わたしたちはミスリルゴーレムが溶鉱炉に入っていく姿を見送る。


「どのくらいでできるものなの?」

「それほど時間もかからないはずだ」

「それまで、どうするかのう」


 一度、帰るのも面倒だ。

 わたしが考えているとロージナさんが口を開く。


「嬢ちゃんには氷竜の角を使って、どうやって武器を作ったらいいのか聞きたい」

「別に構わぬが、どこかで話せる場所はあるか? ここは暑いから遠慮したい」


 カガリさんの言葉を受けて、ロージナさんがバッソさんを見る。


「休憩室はあるが、嬢ちゃんたちが休めるところじゃない」


 むさ苦しいドワーフが休んでいる部屋。

 勝手なイメージだけど、綺麗とは思えない。

 バッソさんは少し考える。


「仕方ない。ロージナ」


 バッソさんがロージナさんに向かって何かを放り投げる。


「鍵?」

「俺の仕事部屋の鍵だ。俺はこの溶鉱炉を見ていないといけないから、ここを離れるわけにはいかない。部屋の場所は分かっているだろう」

「いいのか?」

「構わん。おまえさんが武器を作り始めたことは、正直嬉しかった。そのおまえさんがミスリルの武器。さらにはその氷竜の角を使った武器を作ろうとしているんだ。その手伝いぐらいはさせてくれ」

「……バッソ。ありがとう」

「完成したら、見せに来てくれればいい」


 男同士の友情ってやつかな。

 ロージナさんは鍵を握りしめると礼を言う。

 そして、わたしたちは建物から出る。


「ふぅ。外は涼しいのう」


 わたしには温度の変化は分からないけど、2人も涼しそうにしている。


「こっちだ」


 ロージナさんは歩き出し、わたしたちはついていく。

 建物の中に入り、そのうちの一つのドアの前に立つ。

 そして、先ほどのバッソさんから受け取った鍵を使って、鍵を開け、部屋の中に入る。

 ロージナさんは手慣れた感じで、壁に触れると天井にある灯りがつく。

 部屋は思っていたよりも片付いている。

 書類らしきものが机の上に置いてあり、その前には打ち合わせをしたり、ちょっとした会話をする場所がある。


「それで、どうやって氷竜の角を使うんだ」


 ロージナさんは椅子に座ると尋ねてくる。


「ミスリルが魔力と結合しやすい物質じゃということは知っておるな」

「もちろんだ」


 ロージナさんは当たり前にうなずくけど、わたしは知らないよ。


「ミスリルに魔石を砕いた粉を入れることで、魔力が通りやすくなることぐらい鍛冶職人なら誰もがしっている」

「もしかして、わたしのミスリルナイフも?」


 ミスリルナイフを作るときに魔力型と攻撃型のどっちを作るか聞かれた。

 わたしは魔力を使うから魔力型のミスリルナイフを作ってもらった。


「そうじゃ、そして、魔物には魔力を集める部位があるのは知っておるな」

「爪とか角だな…………!?」


 ロージナさんは、なにか気付いた表情をする。


「つまり、魔石と同じように使うってことか?」

「そうじゃ。氷竜の角を砕き、粉末状にして使う」

「そのままの状態では使えないの? 刀身の中に氷竜の角を入れるとか?」


 ゲームだと魔物素材から武器を作り出すことがある。


「できるかも知れぬが、妾はその製法を知らぬし、成功例を聞いたことがない。だからといって、その製法ができぬとは言わぬ」


 それはそうだ。

 なにごとも絶対はない。

 研究によって、作れることはある。


「もしかすると、妾が知っている方法よりも強い武器ができるかも知れぬ。じゃが、逆にできないかも知れぬ」


 こればかりは作ってみないと分からないこと。

 失敗すれば素材を無駄にすることになるかも知れない。

 貴重な素材ほど、やすやすと試すことはできない。

 まあ、氷竜の角は大きいから、いくらでも実験はできるけど。


「話は分かった。だが、問題は量だ。どれほどの量を入れればいい? 魔石の粉末と同じ量ではないだろう」

「量の判断はミスリルを叩きながら氷竜の角の粉末をかける。粉末は吸い込まれていく。吸収が止まれば終わり。じゃが、こやつの武器となると量は分からん」


 カガリさんがわたしを見ながら言う。


「わたしの武器だから?」

「お主には粉末になった氷竜の角に魔力を込めてもらう」

「わたしがするの?」

「他の者の魔力でもいいが、最高の1本が欲しいのじゃろう」


 わたしはうなずく。

 どうせ作るなら、最高の1本が欲しい。


「使い手の魔力で作った武器は、強度も威力も上がる。もちろん、武器に魔力を乗せたときも通りもよく、威力が上がる」


 そう言われちゃったら、わたしが氷竜の角に魔力を込めるしかない。


「そのあたりのことは分かったが、結局のところは量は、どのくらいなんだ?」


 ロージナさんが尋ねてくる。


「その氷竜の角に込める魔力量によって、ミスリルに吸収される量は変わってくる。量の判断は吸収されなくなるから分かるはずじゃ」


 だから、わたしが必要と言ったわけか。


「最高の1本になるかは、お主の魔力量。そして、鍛冶職人の腕に関わってくる」


 つまり、魔力次第では強い武器が作れるってことらしい。


「よく、そんな作り方を知っていたね」

「だてに長く生きていない」

「嬢ちゃんに確認だか、他の魔物素材でもできるのか?」

「可能と言えば可能だが、強い武器にはならんじゃろう。今回は氷竜の角であり、魔力が集まる角だからこそ、素材として使えるのじゃ。普通の魔物の素材を使っても、強度が落ちたりする。じゃが、逆に言えば強い魔物の素材であり、魔力が集まる部位なら可能じゃ」

「それじゃ、強い魔物の魔石でも同様のことができるのか?」

「普通の魔物の魔石だと違って魔力の吸収力は低い、だが氷竜の魔石なら、同じようにできるじゃろう。むしろ、もっと強い武器が作れるかもしれぬ。じゃが、魔石は角や爪と違って活用方法が多い。そう考えると、貴重な魔石を使うのはコストが掛かりすぎる」

「確かに氷竜の魔石を粉末にできないな」


 貴重な魔石といえばクラーケンの魔石を持っていたことがあるけど、クラーケンの魔石なんて、簡単に手に入らない。

 クラーケンの魔石が無かったら、砂漠の町を救うことはできなかった。

 そんな貴重な魔石を砕いて、武器を作る人はいないってことだ。

 わたしだったら、使うかもしれないけど。

 

 それから、しばらくカガリさんによる鍛冶職人の講習会が始まる。

 離れた場所から見れば祖父と孫が楽しそうに会話をしているように見えるけど、内容は専門的なことを話している。


「嬢ちゃん、凄いな」

「伊達に歳はとっていないからのう」


 2人は意気投合している。


「いや、それでも俺よりは年下だろう。でも、その若さで凄い」


 そうだよね。

 大人になる姿を見たといっても、20代の綺麗な女性だ。

 数百歳生きているとは思わないよね。


「今度、酒でもおごらせてくれ」

「それはいいのう」


「どこで飲むの?」というツッコミはしない。

 そんな会話をしているとバッソさんが部屋に入ってきた。


「終わったぞ」


 話もひと区切りして、ちょうどいいタイミングだ。

 わたしたちは溶鉱炉に向かう。


「かなりの量になったぞ」


 溶鉱炉に行くと、小さな金属の延べ棒が山になっていた。


「そっちが鉄で、そっちがミスリルだ」


 鉄の量はミスリルの3倍以上はある。

 ミスリルゴーレムは鉄の部分が多かったから、必然的に鉄の方が多くなる。


「この鉄の塊の大きさは?」


 わたしは小さい塊を手にする。


「1キロだ」


 話によると平均的な武器は1㎏ぐらいだと言う。

 それに追加したり、量を減らしたりするらしい。

 ナイフ用だと100gを基本として売り出すのこと。


「かなりの量だね」

「両方で約500㎏ほどだ」


 アイアンゴーレムにしては重いか軽いのか分からないけど、中は空洞だったから、そんなものなのかな。


「内訳としては鉄が約400㎏、ミスリルが約100㎏ほどだ」


 鉄400にたいしてミスリルが100か。

 ミスリルは1/3ぐらいあると思ったけど、思ったよりも少なかった。

 まあ、神様が作ったハリボテミスリルゴーレムだから、十分だと思う。


「まあ、思ったよりもミスリルが少なかったと思うかもしれないが、ミスリル100㎏はかなりの量だぞ」

「そうだな。普通の武器なら単純計算で100本は作れる」


 そういえば、フィナにミスリルナイフをプレゼントしたとき、金額が高いからフィナとティルミナさんに怒られたっけ。


「滅多に取れない鉱物がこんなにあるのは凄いな。嬢ちゃん、売るなら買うぞ」

「お金には困っていないから、売る予定はないよ」


 バッソさんはわたしの言葉に残念そうにする。

 元ゲーマーとしては、不要、必要にかかわらず、お金に困るまで持っておくのが当然だ。

 本当にお金に困ったり、アイテムボックスがいっぱいで、持てないときに売る。


「まあ、気が変わったら、いつでも言ってくれ」


 そのときが来る可能性はゼロだけど、頷いておいた。


活動報告やTwitterに書きましたが、投稿が遅れて申し訳ありませんでした。

そして、申し訳ありません。次回の投稿少し遅れます。


※調べると鉄1000㎏の大きさは約50〜51cmの立方体らしい。

軽自動車の重さの平均が900㎏

普通時自動車の重さの平均が1500㎏

※エンジンなど、その他もろもろ含む

らしいなので、ミスリルゴーレムは空洞もあることで500㎏にしました。

適当なので、ご了承ください。


あと、調べると刀の重さは約600〜700g、鞘や柄、いろいろいれると1㎏~1.5㎏らしい。

西洋の剣も1㎏、両手剣は1.5〜3kgらしい。

※あくまで、簡単に調べたことです。違う場合もありますのでご了承ください。


活動報告にて、書籍23巻の書き下ろし、店舗購入特典の書き下ろしのリクエストを募集中です。

参考にしたいと思います。リクエストがあれば活動報告にて、よろしくお願いします。

22巻の発売の情報はもう少しお待ちください。


出版社『PASH! BOOKS』創刊10周年記念POP UP SHOPが開催決定しました。

東京(新宿マルイ アネックス 6階 カレンダリウム5)2026年4月11日(土)~ 4月19日(日)

大阪(リンクス梅田 地下1階 イベントスペース)2026年5月1日(金)~ 5月8日(金)

クマグッズも販売されます。内容に関しては活動報告にてお願いします。


※現在、出版社のクラファンが行われています。

ここでしか手に入らないクマのグッズなどもあります。

気になる方がいましたら、よろしくお願いします。

期間:3月31日まで

リンク先や内容については活動報告や旧Twitterよりお願いします。

支援してくださったみなさま、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
>夕食を食べ、くまゆるとくまきゅうを送還し、わたしとカガリさんはドワーフの町に戻ってくる >日は落ち、時間もちょうどいい 和の国の時も思ったのですが・・・この世界には「時差」はないのでしょうか?。 …
下で雨音結花さんが見てみたいお話を書いていたので私も。 ①第一回、ユナさんファンクラブ総会 このネタを考えつくのはノアでしょうね。 クリモニアにクマさんファンクラブ会員が集まってわちゃわちゃするお話…
>「内訳としては鉄が約400㎏、ミスリルが約100㎏ほどだ」 今回ユナがロージナさんに作ってもらう「最高の刀」は、"対人戦闘用の刀”ですよね。 残りのミスリルで、斬馬刀のような、"対魔物用の大型の剣…
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