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くまクマ熊ベアー  作者: くまなの
クマさん、新しい依頼を受ける
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873 クマさん、表彰式を見る

申し訳ありません。

前回の話で勝ち残り人数を間違えていました。

現在、12歳以下は4人、13以上は8人となっています。

投稿日5月12日に読んだ読者様にはご迷惑をおかけします。(5月12日、夜に修正済み)

ベスト4とベスト8から始まります。


 12歳以下では決勝進出者が決定する。

 決勝はノアに勝った女の子と男の子の対戦となる。

 勝てばベスト4だった13歳以上ではギルとレムおじさんは負けていた。

 負けた相手は、どちらも老人会の年配者だった。

 ギルの体格もお爺ちゃんには効かなかったみたいだ。

 ギルを応援していたルリーナさんは残念そうにしていた。


「負けてしまいました」


 ノアがやってくる。


「お疲れ様」

「ノアお姉様、残念でした」

「でも、凄いです」

「3位だよ」


 3位決定戦はしないので、準決勝で負けた2人が3位扱いになる。

 3位決定戦も考えていたけど、リアナさんと話し合って、準決勝まで勝ち残ったのだから、2人とも3位にしようとなった。


「でも、残念だったね。勝てば決勝だったのに」

「彼女のほうが強かっただけです」


 負け惜しみを言うのかと思ったら、素直に負けを認める。


「どうかしたのですか?」

「素直に負けを認めるんだなと思って。いつもだったら、負けた理由をいろいろ言うから」

「わたしを我が儘な子みたいに言わないでください。今日は今までで一番集中ができて、頭の回転も良かったんです。どこに置けば、有利になるか、かなり先の手も読むことができたんです。だから、負ける気はしなかったんです。あの対戦でもそうです。でも、一歩届かず、負けました。彼女のほうがわたしより、盤面全体が見えていました。悔しいですが、負けたのも納得しています」


 わたしはノアの頭の上にクマパペットを置く。


「なんですか?」

「成長したなと思って」

「身長なら、伸びています」

「違うよ。立派な大人に向けて心が成長しているって意味だよ」


 わたしがノアぐらいの年齢のとき、こんなに賢かったかな?

 こういう子が将来、人を引っ張っていくんだろうね。

 でも、身長は伸びているのかな?

 いつもの高さと変わらないような気がするけど。


 どっちにしてもノアが納得しているならよかった。

 力を発揮できずに負けるのが一番辛いからね。

 力を出し切ったなら、負けても悔しさはあっても、納得はできる。

 わたしもゲームのとき、思いどおりな動きができず負けたときは悔しかった。

 でも、自分の最大限の力を発揮して負けたときは、清々しい気持ちだった。

 次は勝つぞってなる。

 まあ、何度も負けるとへこむけどね。


 そして、12歳以下の決勝と13歳以上の準決勝が始まった。

 12歳以下の決勝ではノアに勝った女の子が圧勝した。

 離れた場所から見てても、盤上には女の子が使う黒が多いことは分かった。


「事実上、ノアが2位だったかもね」

「わたしに勝ったんです。優勝してくれないと困ります」


 ノアは彼女が優勝して嬉しそうだ。

 そして、13歳以上では老人会のお爺ちゃんの2人が決勝に進んだ。

 次の決勝戦ではお爺ちゃんの周りに老人会の友達らしい人たちから、多くの家族が集まって応援していた。

 お爺ちゃん対決はお爺ちゃんが勝った。

 えっ、どっちが勝ったか分からないって?

 わたしにとっては、どっちも赤の他人のお爺ちゃんだから、説明しようがない。


 試合は全てが終わり、賞品の授与となる。

 会場の真ん中には3位にまで入った8人が集まる。

 まずは12歳以下から表彰式が行われる。


「それでは授与式を行います」


 リアナさんから賞品が授与される。


「名前を呼ばれた方は前に出てきてください。12歳以下、3位ノアちゃん」


 フルネームではなく、登録名で呼ばれる。

 本来は偽名はダメなんだけど、領主の娘ってことで許されている。


「はい」


 ノアは返事をして、前にでる。


「おめでとう」

「ありがとうございます」


『ノア殿 あなたはリバーシの第一回大会において12歳以下で3位と優秀な成績を収められました』


 などの文面が書かれた賞状が渡される。

 食べ放題だけでは物が残らないので用意した。

 本当はメダルも考えたんだけど。金や銀を用意する訳にはいかなかったからね。

 心の中でクマのバッジがあるんだから、クマメダルでもいいのでは? と思ったのは内緒だ。

 これはあくまでリバーシ大会であって、クマのリバーシ大会ではない。

 ノアは賞状を受け取る。


「賞品に食べ放題の券と、もう一つ食べ放題の券かぬいぐるみを選べますが、どうなさいますか?」


 3位の賞品は1人様限定食べ放題と追加賞品として、食べ放題券をもう一枚か、くまゆるとくまきゅうのぬいぐるみセットを選べる。


「ぬいぐるみでお願いします」


 ノアは迷わずに言った。

 ノアにとっては食べ放題もくまゆるとくまきゅうのぬいぐるみもいらないと思うんだけど。

 リアナさんから、ノアへ食べ放題の券とぬいぐるみが授与される。

 周りから拍手がされる。

 ノアは嬉しそうだ。

 そして、もう1人の3位になった男の子の名前が呼ばれる。

 男の子は追加賞品に食べ放題を選ぶかと思ったら、くまゆるとくまきゅうのぬいぐるみセットを選ぶ。

 男の子はくまゆるとくまきゅうのぬいぐるみを受け取ると、応援席にいる小さい女の子に渡す。


「お兄ちゃん、ありがとう」


 って声が聞こえてくる。

 どうやら、妹のためにくまゆるとくまきゅうのぬいぐるみを選んだみたいだ。

 もしかして、クマの憩いの店で若奥様から聞いた(盗み聞き)兄妹だったのかもしれない。

 兄は食べ放題が良いと言っていたけど、食べ放題を選ばず、妹のためにぬいぐるみを選んだなら、優しいお兄ちゃんだ。

 そして、12歳以下、2位の男の子の名前が呼ばれる。

 2位の賞品は1人様限定食べ放題2枚と追加賞品になる。

 追加賞品は食べ放題を選んだ。

 やっぱり、追加賞品をぬいぐるみだけにしないでよかった。

 そして、優勝は準決勝でノアに勝った女の子。


「優勝、エルテちゃん」

「はい!」


 自信に満ち溢れた表情をした女の子。

 堂々としている。

 これで12歳以下って本当?

 わたしだったら緊張しているよ。

 ミレーヌさんが商家の家の子と言っていたから、人前でも慣れているのかもしれない。


「優勝おめでとう」


 まずは賞状が授与される。


「ありがとうございます」


 女の子は賞状を受け取る。

 そして、1位の賞品、家族食べ放題の券と追加賞品を受け取る。

 女の子は追加賞品にくまゆるとくまきゅうのぬいぐるみセットを選んだ。

 受け取ると嬉しそうに抱きしめる。

 その表情は年相応の顔をしていた。

 女の子がぬいぐるみを選んだことで、4人中3人がくまゆるとくまきゅうのぬいぐるみセットを選んだことになった。

 思っていたよりも人気がある?

 母数が少ないから、たまたまかもしれないけど。


 そして、13歳以上の授与式が行われる。

 3位になったのは20歳ぐらいの男性とお爺ちゃん。

 追加報酬には男性は食べ放題。お爺ちゃんはぬいぐるみを選んだ。

 お爺ちゃんは応援にきてくれていた孫だと思う女の子に渡していた。

 女の子が嬉しそうにしていたので、お爺ちゃんも嬉しそうだった。

 次に2位の授与式が行われる。

 2位もお爺ちゃん。

 こちらのお爺ちゃんも、追加報酬はくまゆるとくまきゅうのぬいぐるみセット。近くに孫娘が2人いて、くまゆるとくまきゅうのぬいぐるみをそれぞれ渡す。どちらかの取り合いになっていないようでよかった。


 そして、1位になったお爺ちゃんの追加賞品も、くまゆるとくまきゅうのぬいぐるみセットだった。

 お爺ちゃん3人が連続のぬいぐるみを選んだ。

 まさかのくまゆるとくまきゅうのぬいぐるみが大人気だ。


「みなさん、くまゆるちゃんとくまきゅうちゃんのぬいぐるみを選んでいきます」

「やっぱり、大人気みたいね」


 ミレーヌさんだけは、分かっていた表情をする。


「やっぱりって、知っていたの?」

「さっきも言っていたでしょう。老人会の情報が入ってくるって。そのとき、『勝って孫娘にクマのぬいぐるみをプレゼントするのはわたしだ!』って言い争いになったって聞いていたのよね。だから、老人会の人たちはぬいぐるみを選ぶと思っていたのよ」


 孫娘パワー、強し。


「それで、ユナちゃん。くまゆるちゃんとくまきゅうちゃんのぬいぐるみの販売を考えてみない?」

「前にも言ったけど、片方だけ売れるところは見たくないから」

「確かにそうですね。くまゆるちゃんだけ売れて、くまきゅうちゃんが売れなかったら、悲しいです」


 ノアが同意してくれる。

 棚に白いクマが並んで、黒クマは売り切れ中の紙が張り出されている。

 そんな光景は見たくない。


「くまきゅうちゃん、売れないの?」


 シュリが悲しそうに尋ねてくる。


「その逆もあるけど、こればかりは売ってみないと分からないよ」


 白いくまきゅうが人気で、黒いくまゆるが不人気の可能性もある。

 でも、実際はくまゆるとくまきゅうは同じぐらい人気があり、両方とも売りきれる可能性もある。

 こればかりは統計もなければ、情報を集めたこともないのでわからない。

 人気投票でもしたら分かるかもしれないけど。

 片方が上位で片方が下位だったら、それはそれで悲しい。


「それなら、一緒に売ったらどうですか? 賞品と同じように一緒に」

「それも考えたんだけど、片方がいらないから半額にしてとか言われるかもしれないでしょう」


 もしくはくまゆるを2つとか。


「確かに、言われそうです」

「だから、くまゆるとくまきゅう、そしてわたしのメンタルのため販売はしていないんだよ」


 わたしの言葉にノアとミサは納得した表情をする。



くまクマ熊ベアー人気投票したい気持ちはあるけど、くまゆるとくまきゅうの差があったら悲しい。


※コミカライズ13巻、文庫版12巻の発売日が2025/6/6に決まりました。


※PRISMA WING様よりユナのフィギュアの予約が始まりました。

初の子熊化したくまゆるとくまきゅうも付属します。


※祝PASH!ブックス10周年

くまクマ熊ベアー発売元であるPASH!ブックスが10周年を迎えました。

いろいろなキャンペーン中です。

詳しいことは「PASH!ブックス&文庫 編集部」の(旧Twitter)でお願いします。


※投稿日は4日ごとにさせていただきます。(できなかったらすみません)

※休みをいただく場合はあとがきに、急遽、投稿ができない場合はX(旧Twitter)で連絡させていただきます。(できなかったらすみません)

※PASH UP!neoにて「くまクマ熊ベアー」コミカライズ133話公開中(ニコニコ漫画、ピッコマでも掲載中)

※PASH UP!neoにて「くまクマ熊ベアー」外伝23話公開中(ニコニコ漫画、ピッコマでも掲載中)

お時間がありましたら、コミカライズもよろしくお願いします。


【くまクマ熊ベアー発売予定】

書籍21巻 2025年2月7日発売中。(次巻、22巻、作業中)

コミカライズ12巻 2024年8月3日に発売しました。(次巻、13巻6月6日発売予定)

コミカライズ外伝 3巻 2024年12月20日発売しました。(次巻、4巻発売日未定)

文庫版11巻 2024年10月4日発売しました。(表紙のユナとシュリのBIGアクリルスタンドプレゼントキャンペーン応募締め切り2025年1月20日、抽選で20名様にプレゼント)(次巻、12巻6月6日発売予定)


※誤字を報告をしてくださっている皆様、いつも、ありがとうございます。

 一部の漢字の修正については、書籍に合わせさせていただいていますので、修正していないところがありますが、ご了承ください。

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― 新着の感想 ―
>でも、身長は伸びているのかな? >いつもの高さと変わらないような気がするけど それって・・・ユナも同じように身長が伸びている、と云うコトではないでしょうか?。 なので、ノアールの身長が伸びても、”…
この世界のトランプのオリジナル(クマ柄) はユナがリアナさんに量産してもらいましたので トランプ大会もリアナさん主催かな、複数の遊び(大会)が開催できますしね 他の読者のかたのラーメンいいですね、す…
くまゆるとくまきゅうじゃなくてじゃなくて蜂の木にいたくまさんカラーにすればかいけつ!!
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