表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
くまクマ熊ベアー  作者: くまなの
クマさん、新しい依頼を受ける

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

707/939

684 クマさん、ギルマスに実力を示す

「それでギルマスは、なにか知っていることはあるの?」

「悪いが、俺も妖精のことは見たことがないから噂程度と、騎士たちが話していることを聞いたぐらいだ。だが、妖精はまちがいなく実際にいると思っている。近くに妖精が見える奴がいて、他の奴らも見えている」

「それが、領主ってこと?」

「可能性は高い」


 プリメのお姉さんが、領主の魔力を使って、他の人に見せている?

 そうなると、プリメのお姉さんは領主に力を貸していることになる。

 囚われている線は薄い?

 う~ん、分からない。


「カーラさんは領主のことは知らないみたいだけど、ギルマスは領主のことは知っているの?」


 プリメのお姉さんのことも気になるが、今は領主の情報だ。


「子供のときは頭の良い少年だったな。魔法にも長けていた」

「でも、王都に行ってから、詳しいことは分からないんですよね」

「ああ、だから調べさせた」


 ノアの問いにギルマスが答える。


「ギルマス、いつのまに?」


 カーラさんは知らなかったみたいだ。


「別に俺が調べたわけじゃない。冒険者ギルドの伝手を使って、少し調べてもらっただけだ」

「それで」

「王都の学園でも、優秀だったらしい。魔法も勉学も」


 天才ってやつ?


「それで、学生時代。あることを熱心に研究していたことがあるらしい」

「それって、もしかして」

「ああ、妖精だ。妖精のことをいろいろと研究していたらしい」

「それで、プリメのお姉さんに出会い、連れてきたと」


 少しだけ、2人の関係が繋がった。


「研究していたからといって、わたしたち妖精が見えるようになるとは思えないけど」

「妖精だって、一人や二人しかいないわけじゃないだろう。たまたま多くいる妖精の中から、おまえさんのお姉さんが見えたんだろう」


 ギルマスの言葉に、みんな納得する。

 たしかに、妖精の森に行ったとき、たくさんの妖精がいた。あそこに集まっていた以外にもいるはずだから、かなりの数の妖精はいると思う。

 それで、プリメのお姉さんと波長が合った可能性が高い。


「それでも、分からないことがあるわね。それだけなら、どうして住民から魔力を奪い、その力を騎士たちに与えて、魔石を集めさせているのか」


 ローザさんの言葉にギルマスは首を横に振る。


「そこまでは俺も分からないが、妖精に関することなのかもしれない」


 妖精の研究をしていたなら、十分にあり得る。

 ただ、カーラさんの言葉通り、理由が分からない。


「妖精から力を抜き取るためとか……」

「お姉ちゃんの!?」


 ふと、頭に浮かんだことが口から漏れ、プリメが反応する。


「いや、可能性の一つだから、そうと決まったわけじゃないよ。だから、落ち着いて」


 ファンタジーものでは、妖精は特別な存在だ。

 不思議な力を持っていたとしても、おかしくはない。

 わたしたちが知らないだけで、妖精には凄い力がある可能性は十分にある。

 妖精の研究をしていた人だ。妖精の力について知っている可能性はある。 

 でも、プリメの前で下手なことは口にできないね。

 プリメのお姉さんが、もっと酷い目にあっている可能性もある。そんなことを言えば、一人で飛び出すかもしれない。


「そういえば、カーラさんはどうして、領主のことを聞こうとしたら危険だと言ったの?」

「この街で領主の悪口を言うと、粛清されるのよ。過去に魔力を奪われることに反対した人が酷い目にあったわ。だから、みんな領主のことは口にしないようにしているの。騎士たちに聞かれでもしたら大変だからね」

「酷いです。住民が幸せに暮らせるようにするのが領主としての役目なのに。魔力を奪ったり、酷い目にあわせたりするなんて」


 話を聞いたノアがなんとも言えない表情をする。


「あなた、まだ子供なのに、立派な考え方をするのね」

「いえ、その、そう思っただけです」


 だって、ノアは領主の娘だし、クリフも孤児院の件では失敗はしたけど、基本的に街の住民のために頑張っている。その親の背中を見て育ったノアにとって、この街の領主は酷い領主に映るんだろう。

 わたしとしては、住民からお金を搾り取る悪政をする領主とか、女を自分の物にする領主とかを小説や漫画で見てきたので、そんな領主もいる程度には思っている。

 領主に限ったことではないが、どこにでも良い人、悪い人はいるものだ。


「それで結局のところ、どうするんだ? やることは領主の目的を調べること。それから妖精の居場所を調べることはもちろんだが、魔石を集めている理由も調べたいな」

「それじゃ、俺の嫌がらせを手伝わないか」


 ブリッツの言葉にギルマスが提案する。

 なんでも、ギルマスは1人で魔物討伐をしているらしい。

 そういえば、カーラさんがそんなことを言っていたっけ。

 基本的に、冒険者ギルドに魔物討伐の依頼が来たり街道などに魔物がいたら、冒険者ギルドから騎士団に伝わることになっているらしい。

 それで、ギルマスは騎士団の仕事を奪い、魔石を少しでも住民たちに回していたという。

 魔石のほとんどが騎士団、領主に持っていかれるため、住民が困っていたので少しでもと思って始めたらしい。


「それでも、俺1人じゃ焼き石に水だがな。でも、少しでもと思ってな」

「他の街から魔石の購入はしないのですか?」


 領主の娘らしい考えだ。

 足らなければ、他の街から買えばいい。


「やっているみたいだが、それは商人や商業ギルドの仕事だ。俺が口を出すことじゃない」


 それは、ごもっともな話だ。

 それぞれには役割ってものがある。

 国語教師が数学教師に勉強の仕方に口出しをするようなものだ。


「それじゃ、つまりわたしたちで魔物を騎士たちより先に倒して、魔石を奪うってことね」

「そっちの兄ちゃんたちの実力があればの話だが。死なれても困るからな」


 ギルマスがブリッツたちを見る。


「そこのユナほどではないが、それなりに場数を踏んできたつもりだ。足手まといにはならない」


 ブリッツがわたしに目を向けながら言う。


「おいおい、そのクマの嬢ちゃんほどじゃないって。それって当てにしていいのか、分からないぞ。いや、普通に考えれば、当てにならないってことになるぞ」


 ギルマスがわたしを指さしながら言う。

 人に指をさしちゃダメって教わらなかったのかな。

 でも、ギルマスの気持ちも分からなくもない。クマの格好した女の子と比較されても、困ると思う。

 だけど、ブリッツたちは顔を見合わせると笑う。


「そうね。ユナちゃんの格好を見たら、そう思うわよね。そもそも小さい女の子だし」

「ユナ、最強」

「ユナ、強い」

「そこにいるクマは、俺が知っているどの冒険者よりも強く、心優しい冒険者だ」


 ローザさんの言葉に、ラン、グリモス、ブリッツたちが続ける。


「ちょ、何を言い出すの!」


 恥ずかしいから、やめてほしいんだけど。

 わたしは私利私欲で動くような人間だ。ブリッツたちが言うほど優しい人間ではない。


「はい、ユナさんはとっても強い冒険者です」


 わたしが否定しようとするが、ノアまでがブリッツたちに同意する。


「面白い。そこまで言うなら、嬢ちゃんの実力を確認してやる。判断はそれからだ」

「ちょ、勝手に決めないでよ」


 ブリッツたちの実力を確かめるはずなのに、どうしてわたしの実力を確認することになるの?


「ユナ。冒険者として、おまえが実力を隠したい理由は分からないが、ここでは隠さないほうがいい。本心を隠す者には、誰も心を開いてくれないぞ」

「うぅ」


 ブリッツは、わたしの心を読んだのか、そんなことを言い出す。

 だけど、ブリッツの言葉は正しいので、なにも言えなくなる。


「それに、なにかしら行動するときがあれば、いちいち心配されるのも面倒くさいだろう。ユナは一人で行動するのが好きだからな」


 ブリッツはわたしの心が分かっているかのように言う。

 人の心が読めるスキルなんて持っていないよね。

 それで、女性の心を手玉にとって、ハーレムを築いているとか。


「それに、ユナの実力を知らずに待たせる人の気持ちも考えるべきだ。ユナのことを普通の女の子だと思えば、危険なことはさせたくない。危険なことが起きれば心配もする。でも、実力があると知っていれば、不安も心配も無くなるとは言わないが、少なくとも減るはずだ」


 ブリッツの言う通りだ。

 もし、騎士たちと戦うことがあれば、カーラさんやギルマスに心配をかけることになる。でも、わたしの実力を知っていれば、心配をかけることもなくなる。

 もしかして、ブリッツはわたしの実力をギルマスたちに教えるために、あのようなことを言ったのかもしれない。

 ブリッツの言いたいことが分かったので、ギルマスにわたしの実力を証明することにした。

 わたしは冒険者ギルドに裏にある広場に移動し、ギルマスと手合わせをした。


「…………」


 ギルマスが地面に手を突いている。


「信じられないわ」とカーラさん。

「流石、ユナさんです」とノア。

「やっぱり、ユナは強いな」とブリッツ。

「魔法も使えるんだから、凄いわよ」とローザさん。

「一人で、剣士と魔法使いの役目ができるしね」とラン。

「わたしもユナと手合わせしたい」とグリモス。


 わたしとギルマスの試合を見ていた、ブリッツたちが、それぞれ感想を漏らす。


「クマの格好した女の子に負けた……」


 わたしは不安にさせないためにもギルマスに実力を示した。

 もちろん、クマ魔法などの最強魔法は使っていないよ。

 使ったら、死んじゃうからね。


「ちなみに、そっちの少女は」


 ギルマスは、わたしより年齢が低いノアに目を向ける。

 まさか、って気持ちになっているのかもしれない。


「魔法の勉強はしていますが、戦うことはできません」


 その言葉にホッとした表情をするギルマスとカーラさん。


「ノアールちゃん、魔法が使えるのね」

「はい、ユナさんに基本的なことを教わりました」


 そう言って、手のひらサイズのクマの土人形を作ってみせる。

 その土で作られたクマを見て、みんな感心する。

 形が精密であればあるほど、魔力操作とイメージがちゃんとしていることになる。

 ちゃんと、あれからも勉強はしているみたいだ。

 それから、ついでに、くまゆるとくまきゅうが大きくなることを教え、ノアの護衛をしていることも伝えておく。


「俺の常識が崩れていく」


 そんなことを言われても困るが、わたしにとっては異世界そのものが常識外れの存在だ。

 魔法? 非常識だよ。


「嬢ちゃんの実力は分かった。ついでに、おまえたちの実力も見せてもらおう」


 ブリッツたちもギルマスに実力を見せることになった。

 ギルマスも強かったが、ブリッツたちも強かった。




遅くなり申し訳ありませんでした。

ワクチン3回目、副反応があり、二日ほど寝ていました。

でも、そんなに酷くはありませんでした。少し、熱が出て、寒気がして、腕が痛かったぐらいです。

二日もしたら、治りました。

あとは書籍確認作業、コミカライズの確認作業、アニメの確認作業などをしていました。

2週間休んだだけなのに、一ヶ月休んだ気分です。

あと、ユナのフィギュアが発売しました。気になる方がいましたら、活動報告にてお願いします。

それから、アプリのピッコマの漫画にて、コミカライズを描いてくださっている「せるげい先生」のイラスト色紙のプレゼントをしています。ピッコマのアプリを使って漫画を読んでいる方がいましたら、よろしくお願いします。応募期間は4/28(木)迄となっています

こちらも、活動報告にてお願いします。


※誤字を報告をしてくださっている皆様、いつも、ありがとうございます。

 一部の漢字の修正については、書籍に合わせていただいていますので、修正していないところがありますが、ご了承ください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
丁度この頃中国ウイルスが流行っていたのですね!パンダじゃなくてコロナだった?
“ユナのフィギュアが発売しました”  日本語がおかしいです!  それと、前々から思ってたのですが、同じ言葉を続けて使うのは稚拙な表現に取られます。  また、読点が不要な所に使われてるのを多々見かけます…
[一言] ワクチンは二回までは特に問題が無かったけど三回目は酷かったので四回目とか打っていません ギルドカードは思ったが和の国でも見せてなかったはずだし隠したいんだろうね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ