表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
くまクマ熊ベアー  作者: くまなの
クマさん、新しい大陸を発見する
632/912

アニメ番宣小説

「えっと、なになに?」


 メール音がしたかと思ったら、神様から手紙が届いていた。


『ユナちゃんへ、なんとこの世界で過ごしたユナちゃんの出来事がアニメになりました!』


 いきなり、バカげたことが書かれていた。


「何を言っているのかな?」


 わたしが異世界で過ごした話がアニメ?

 そんなことがあるわけないでしょう。

 誰が、そんなアニメ見て楽しむのよ。

 誰得よ。


『テレビも用意したから見てね』


 アニメの話が本当か冗談か分からないが、クマボックスを確認すると、本当にテレビが入っていた。しかも大型テレビだ。


「そもそも、この異世界でアニメなんて見ることができるの?」


 とりあえず、いろいろと確認するため、わたしは土魔法でテレビ台を作ると、その上にテレビを乗せる。

 コンセントがない。そもそも、この家にコンセントを挿す場所はないし、電気はない。それに受信する方法は? って話もある。

 流石のわたしもアンテナを作ることはできない。

 何気なくテレビの電源ボタンを押すと、電源ランプが点灯する。


「もしかして、本当に映るの」


 画面に何かが映り始める。

『くまクマ熊ベアー放映開始まで、もうしばらくお待ちください』

 と画面に映し出された。


「なに、このタイトル? もしかして、これがわたしの異世界での話を元に作ったアニメのタイトル? わたしの格好がクマだから、くまクマ熊ベアー?」


 センスがないタイトルだ。ただクマを並べただけだ。

 タイトルを付けるなら「異世界に行ったら、クマの着ぐるみで最強でした」とか「異世界で、クマの着ぐるみが最強で、脱げませんでした」とか、「クマの着ぐるみで冒険者をしています」とか「神様にもらったクマ装備で異世界を満喫してます」とか、普通は内容が分かりやすいタイトルをつけると思うんだけど。

 絶対に「くまクマ熊ベアー」ってタイトルだけを見ても、内容は想像はつかないし、どんな話なのか分からないよね。

 リアルなクマがたくさん出てくるアニメと思って、誰も見ないんじゃない?

 このタイトルを付けた人に、どんな理由でタイトルを付けたか聞いてみたいものだ。(※1)


 でも、画面に映るってことは、冗談でなく、本当にわたしのアニメやるの?

 今日はエイプリルフールじゃないよね?

 よく画面を見ると、放映時間のことが書かれている。

 放映局や放映時間などの、詳しいことは活動報告やアニメ公式サイトから?

 アニメ公式サイトって、そんなものまであるの?

 あと活動報告って?


 付属されていたリモコンを見ると、それぞれの放映局のボタンと、「アニメ公式サイト」と書かれたボタンがあった。

 公式サイトのボタン(※2)を押すとテレビの画面が切り替わる。


「おお、わたしたちが映っている」


 くまゆるとくまきゅうにわたしとフィナが乗っていたり、他にもノアやシア、ミサ、シュリもいる画像がある。

 さらにわたしたちをアニメにした映像まである。

 PVってやつだ。

 本当にアニメになって動いて、喋っているよ。

 今更だけど、わたし、こんな恥ずかしい格好で、よく街中を歩けるね。

 フィナ、可愛い。

 ノアもミサもシアもシュリも可愛い。

 くまゆるとくまきゅうも可愛い。

 この画面を見ているだけでも、真実味がでてくる。

 でも、わたし、アニメをする許可は出していないよね。

 肖像権は?

 チリン

 メールが来た音がする。


『異世界なので、適用されません』


 ちょ、酷い。

 個人情報保護法もないし。

 だけど、PVを見ると、どんな風にアニメになるかは楽しみでもある。

 ここで文句を言っても、神様には通じないし、諦めることにする。

 他に情報はないかな。


「あれ?」


 1話の告知を見ると、ブラックバイパーとの戦いとなっている。神様によって異世界に飛ばされて、フィナとの出会いじゃないの?

 よく調べると、2話の告知もある。

 

「2話で、異世界に来たときのことや、フィナとの出会いのときの話をやるみたいだ」


 フィナと出会ったときは、まだ、ここがゲームの中で、異世界だとは思わなかったよね。

 本当に異世界だと知ったときは、驚いた。

 でも、お金もあったし、チート防具もあったから問題はなかった。

 唯一、不満があるとすれば、どうして、チート能力がわたし自身でなく、クマ装備なのかだ。

 こういう手の話は、本人にチート能力が与えられて、自由に異世界を遊ぶのが定番だと思うんだけど。

 わたしが、どれだけ、クマ装備で恥ずかしい思いをしたことやら。

 まあ、今更怒っても仕方ない。

 このクマの格好にも若干慣れてしまった自分もいる。

 慣れとは怖いものだ。


 あと、なにかあるかな。

 他に面白そうな情報がないか調べようとしたとき、当初の目的を思い出す。

 そうだ。放映時間を確認しにきたんだ。


「えっと、どこかに……あったあった」


 右上の黒いクマをクリックすると、放映&配信があったので、クリックする。

 すると、いろいろな放映局や配信先の名前がでてくる。(※3)


 テレビで放映されない地域もあるんだね。でも、見れない人はネット配信で見ることができるのか。


「って書かれても、こっちの日にちと時間で書いてくれないと分からないよ」


 わたしがそう言うと、画面の文字が変化して、こちらの世界の日にちと時間で表示される。


「これって、早いところだと、今日の夜じゃん」


 このテレビに録画機能は?

 おお、ちゃんとある。これなら、後でフィナたちと一緒に見ることができそうだ。


 でも、わたしのアニメが見れるってことは他のアニメや番組が見れるってこと?

 もしかして、引きこもり生活ができるかも?

 わたしは適当にリモコンボタンを押してみる。


「このテレビは『くまクマ熊ベアー』のみしか視聴することができません」


 リモコンをテレビに投げつけたくなる衝動を抑える。

 見逃した再放送のアニメとか、いまどんなアニメをやっているか気になっていたのに。

 使えないテレビだ。

 せめて、ゲーム機があれば楽しめるのに。


「ゲーム機とゲームソフトを送ってよ」


 神様が聞こえているか分からないけど、頼んでみる。

 チリン。

 返事がきた。


『くまクマ熊ベアーがゲームになったら、送ってあげます』


「いらないよ!」


 誰が、自分が出てくるゲームをしたがるのよ。

 バカなことをしている間に放送時間が迫ってくる。

 夕食を食べて、お風呂に入って、あと録画をして。

 あっ、テレビ観賞にはポテトチップスは必要だね。

 急いで準備をしなくちゃ。

 わたしは放送開始までに準備をすることにした。



※1 答え、なにも考えずに、クマだから、これでいいかなと適当に付けました。作者


※2(アニメ公式サイト)https://kumakumakumabear.com/


※3 放映局をここに書きたかったのですが、アウトかもしれないので、活動報告やアニメ公式サイトで確認してください


本日、各局より、くまクマ熊ベアーのアニメが始まります。

AT-X 10月7日より毎週水曜日 21:00~

TOKYO MX 10月7日より毎週水曜日 23:30~

BS11 10月7日より毎週水曜日 25:00~

サンテレビ 10月8日より毎週木曜日 25:00~

KBS京都 10月9日より毎週金曜日25:00~


他にもネット配信などもあります。

そちらはアニメ公式サイトにてお願いします。


※ネタばかりに走り、本編が始まらなくて、申し訳ありません。


※誤字を報告をしてくださっている皆様、いつも、ありがとうございます。

 一部の漢字の修正については、書籍に合わせていただいていますので、修正していないところがありますが、ご了承ください。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 二期の鉱山辺りを見てからWebを読みに来ました ここまで読むのに1週間も経ってないけど面白くて他の動画見たりはしてないので溜まっています 感想読んでるとスランプになったのですか? でも二期…
[一言] 確かにこのタイトルだとどんな話か一切判らん☆ 特にスマホだと粗筋が見えないので、タイトルだけでどんな話か判るようにする傾向があるそうですが、そんな説明タイトルでなくても売れるモノは売れると…
[良い点] くまさんになりきって戦うゲームが出来たら、向こうの世界の子供たちが喜んで遊ぶかも? 戦闘訓練のために、冒険者ギルドでも採用されるかと
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ