ミニミニショートストーリー ノア、パンダになる
本編ではありません。
タイトルどおり短いお話です。
くまゆるとくまきゅうと一緒にのんびりと過ごしていると、ノアがクマハウスにやってきた。
「今日はどうしたの? くまゆるとくまきゅうと遊びに来たの?」
「遊びたいのはもちろんですが、新しいクマの服をシェリーに作ってもらったので、ユナさん、くまゆるちゃんとくまきゅうちゃんに見てもらいたいと思って」
「クマの服って、お店の服みたいな?」
「それは見てからのお楽しみです。着替えするお部屋を借りてもいいですか?」
どうやら、着た姿を見せてくれるみたいだ。
「二階でも、風呂場の脱衣所でもいいよ」
「それでは、二階のお部屋を借りますね」
ノアは階段を上がっていく。
新しいクマの服ってなんだろう?
まあ、ノアならどんな服を着ても可愛いと思う。
くまゆるとくまきゅうと待っていると、ノアが階段を降りてくる。
「ふふ、どうですか?」
ノアはクルッと、可愛らしく回る。
「くまゆるちゃんの黒と、くまきゅうちゃんの白を合わせて作ってみたんです」
ノアの言う通りに、ノアが着ている服は黒と白が混ざったクマだった。
「シェリーと話し合って、どこの部分を黒にするか、白にするか決めたんですよ。いつも片方だけじゃ、可哀想と思って、これなら、くまゆるちゃんもくまきゅうちゃんも一緒です。くまゆるちゃん、くまきゅうちゃん、どうですか?」
「「くぅ〜ん」」
ノアは笑顔でくまゆるとくまきゅうに尋ねるが、くまゆるとくまきゅうは悲しそうに鳴く。
「えっ、どうして、そんな悲しそうな表情で鳴くんですか?」
予想外の反応にノアが戸惑う。
そんな理由は決まっている。
「それは、パンダだからだよ!」
そう、ノアが着ている服はクマはクマでも、ジャイアントパンダだ。
「パン、だ? いえ、パンでなく、クマですが。どこもパン要素はないと思うのですが」
ノアは自分の格好を見る。
どうやら、パンダのことは知らないらしい。
「違うよ。パンダって動物がいるんだよ。まあ、パンダもクマ科だから、間違っていないけど」
ジャイアントパンダはクマ科だ。
「パンダっていう動物がいるのですか?」
「うん。黒と白の模様をした、まさしくノアが着ている感じの動物がいるんだよ」
顔は白く、耳と目の周りは黒く、体の上半身は黒く、下半身は白く、足は黒く、尻尾は白い。
見事にパンダそのものだ。
偶然でも、ここまで合うと恐ろしい。
パンダを知ってて、作ったんじゃないかと思うぐらいだ。
「それじゃ、わたしが着ているクマの服はパンダという動物だから、くまゆるちゃんとくまきゅうちゃんは悲しそうに鳴いたんですね」
「まあ、クマとパンダは似ているようで、違うからね」
「残念です。くまゆるちゃんとくまきゅうちゃんに喜んでもらおうと思ったのに」
「「くぅ〜ん」」
ノアが悲しそうな顔をすると、くまゆるとくまきゅうは、ノアにすり寄って慰める。
「くまゆるちゃん、くまきゅうちゃん、ありがとう。でも、そんな動物がいるとは知りませんでした。どこにいるんですか」
聞かれても、この世界でパンダには出会ったことも、話も聞いたことがない。
「遠くかな?」
「ユナさんは見たことがあるんですか?」
難しい質問だ。
小さい頃に動物園で見たことはある。テレビやネットでいいなら、何度もある。
でも、それは元の世界のことであり、この世界のことではない。
「えっと、本で見たことがあるだけだよ」
「わたし、パンダ見てみたいです」
「「くぅ〜ん」」
くまゆるとくまきゅうが悲しそうに鳴く。
ナイス。くまゆる、くまきゅうのアシストがでる。
「自分たちじゃダメなの? だって」
「そんなことはないです。くまゆるちゃんとくまきゅうちゃんは最高です」
ノアは慌てて否定して、くまゆるとくまきゅう抱きしめる。
「パンダより、くまゆるちゃんとくまきゅうちゃんが良いに決まっています」
お店の制服にと考えていたみたいだけど、パンダの服はノアの家のタンスに封印されることになった。
でも、ノアパンダは可愛かった。
そのことを口にすると、くまゆるとくまきゅうがいじけるから、言わないけど。
申し訳ありません。本編ではありません。
小ネタ話です。
前からパンダネタは書きたかったので、気分転換に書きました。
本編は17巻の作業をしながら書きだめ中です。
しばらくお待ちください。
【お知らせ】
活動報告にて、17巻の書き下ろし、及び、店舗特典のSSを募集しています。
参考にさせていただければと思います。
範囲などは活動報告にて、お願いします。
※アニメ放送まで、ちょうど一ヶ月後となりました。
楽しみに待っていただければと思います。
※誤字を報告をしてくださっている皆様、いつも、ありがとうございます。
一部、漢字の修正については、書籍に合わせていただいていますので、修正していないところがありますが、ご了承ください。