30 (フィナ視点 その4)
書き始めて一ヶ月が過ぎた。
くまきゅうのおかげでクマさんのおうちに戻ってこれました。
無事にお母さんの薬草は手に入りました。
次は解体の仕事をしなければなりません。
それがわたしの仕事です。
くまきゅうには外で待ってもらい、わたしは倉庫に向かいます。
奥にある冷蔵倉庫からウルフを運びます。
ウルフは魔物の中では小さい方だけどわたしには大きいです。
頑張って一匹を運び、テーブルの上に乗せます。
ユナお姉ちゃんが踏み台を用意してくれたので十分にテーブルの上で作業ができます。
剥ぎ取りナイフで毛皮を剥ぎ取ります。
肉を部位ごとに分けます。
魔石も取り、別に分けておきます。
捨てる部分はゴミ箱に捨てます。
なんでも、このゴミ箱は深い穴になっているそうなので落ちないように言われています。
怖いので気をつけることにします。
ウルフの解体の作業を何度か繰り返ししていると倉庫のドアが開きます。
ユナお姉ちゃんが帰ってきました。
もう、タイガーウルフを倒してきたのでしょうか。
まだ、解体の作業は終わってません。
お姉ちゃんからタイガーウルフの魔石を剥ぎ取ってほしいと言われました。
もちろん、仕事なので了承します。
出てきたタイガーウルフは大きくて驚きました。
こんな大きな魔物を倒せるユナお姉ちゃんは凄いです。
さっそく、魔石を取り出す作業をします。
お腹の部分を切り裂きます。
タイガーウルフもウルフと同じ系列の魔物なので魔石の位置は同じはずです。
お腹の中心から魔石が出てきました。
タイガーウルフの魔石はウルフの倍近くの大きさがありました。
水で綺麗に洗いユナお姉ちゃんに渡します。
それから、お昼を食べ、わたしは解体作業の続きをします。
ユナお姉ちゃんは寝るそうです。
タイガーウルフとの戦いで疲れたのでしょう。
わたしも頑張ります。
頑張って解体を終わらせました。
ユナお姉ちゃんを起こしに行きます。
2階に上がります。
どの部屋で寝ているのでしょうか。
とりあえず、手前の部屋から調べていくことにします。
一番手前の部屋をノックして中に入ります。
居ました。
ベッドで寝ています。
ユナお姉ちゃんを揺すって起こします。
「ユナお姉ちゃん、ユナお姉ちゃん」
ユナお姉ちゃんが起きます。
ベッドから降りたユナお姉ちゃんは白かったです。
まるでくまきゅうのように白いです。
黒いくまさんの格好も可愛いけど、白いくまさんの格好も可愛いです。
どうやら、服を逆さまにすると、黒くまから白くまに変わるようです。
解体が終わったことを伝えると帰ることになりました。
ユナお姉ちゃんはクマさんの家を消します。
魔法って凄いです。
帰りはくまゆるに乗ります。
なんでも、片方だけに構うと片方の機嫌が悪くなるそうです。
その気持ちはわかるような気がします。
くまゆるに乗って街に戻ってきました。
門兵の人が驚いてます。
このクマさんを見たら誰でも驚くと思います。
でも、クマさんは可愛いです。
翌日もユナお姉ちゃんの所に行きます。
でも、解体する場所が無いそうです。
確かに毎回外に行くのは大変です。
ユナお姉ちゃんはギルドに向かい、土地を借りるそうです。
わたしの解体の仕事のためにいいのでしょうか。
冒険者ギルドの紹介で商業ギルドに向かうことになりました。
ユナお姉ちゃんは、商業ギルドに行くと、その場で決めてしまいました。
土地を案内してもらい。
その土地にくまさんのおうちが建ちます。
何度見ても、凄いです。
倉庫に入り、本日はタイガーウルフの解体をします。
解体の仕方はウルフと同じだけど、緊張します。
わたしでも知ってます。この毛皮が高いことは。
でも、頑張ります。
無事に解体が終わり、本日の解体作業が終わります。
それから、数日、毎日のようにユナお姉ちゃんの家に通いました。
解体をしていると、一瞬めまいがしました。
まずいと思ったら倒れてしまいました。
しかも、運が悪いことにユナお姉ちゃんに見られてしまいました。
ユナお姉ちゃんが駆け寄ってきます。
わたしの手を見て驚きます。
手から血が流れています。
倒れた時にナイフで手を少し切ってしまったようです。
少し、痛いです。
ユナお姉ちゃんが血が出ている部分に触れます。
魔法でしょうか。
温かくなったと思ったら、痛みが消えて、傷も無くなっていました。
凄いです。
ユナお姉ちゃんはクマさん手袋を外して、わたしのオデコに手で触れます。
どうやら、熱があるそうです。
とりあえず、二階の部屋のベッドで寝るように言われます。
ベッドに寝ていると、もう一度オデコを触ります。
今度はクマさんの手のままです。
柔らかくて気持ちいいです。
段々と気持ち良くなって寝てしまいました。
目が覚めると夕方でした。
食事を用意したから、持って帰って家族で食べるように言われました。
それから、明日は一日休むように言われました。
倒れた日から二日後ユナお姉ちゃんの家に行くと。
これからは解体の仕事は3日したら1日休むように言われました。
もし、休日に他の仕事をしたら、もう解体の仕事はさせないとまで言われました。
これも、ユナお姉ちゃんがわたしの体のことを心配してくれているからなので素直に従います。