25 クマさん、解体する場所を求めて
先日、魔石の修正で読み返して思ったこと。
ナイフ100本買ったけど、使ってない件。
プロットに何も無しに毎日適当に書くからこうなるんですよね。
誤字脱字、文章力? それは今更です。
いつ読み返しても思います。
ギルドの前に来るとフィナは外で待っていると言うので一人で入ってく。
確かにむさくるしい男どもの中には入りたくはないだろう。
子供が入るとすぐに絡み付いてくる馬鹿も多いし。
「すぐに戻るから」
ギルドの中に入り受付に向かうとヘレンがいる。
ちょうど誰も並んでいないのでヘレンの所に向かう。
「ユナさん、依頼の報告ですか?」
「うん、終わったからね」
「ではギルドカードをお願いします」
ギルドカードを渡す。
ヘレンはギルドカードに登録されている依頼を確認する。
「ユナさん、タイガーウルフの討伐を受けたんですか!」
「そうだけど」
「しかも、今日受けて、今日討伐してきたんですか!」
ヘレンの大きな叫び声で、部屋にいる冒険者たちが騒ぎ始める。
「タイガーウルフだとよ」
「Dランクモンスターを一人で討伐かよ」
「でも、タイガーウルフが出た場所って、ここから離れた場所だろう。日帰りで帰ってこれるのか」
「おまえ、知らないのか」
「なにを」
「クマだよ」
「クマ? あの嬢ちゃんの格好のことか?」
「違うよ。召喚獣にクマを呼び出して、それに乗っていったんだよ」
「召喚獣に? クマ?」
「俺、見たぞ。しかも二頭、白と黒」
別の冒険者が話に割り込んでくる。
「二頭!」
「しかも、そのクマ、速かった」
後ろで話が盛り上がっているが、こちらも話が進んでいる。
「それではユナさん。討伐証明の魔石をお願いできますか」
クマボックスから2つの魔石を取り出す。
「2つですか?」
「二頭いたから」
わたしの二頭発言で後ろが騒ぐが無視をする。
ヘレンは魔石を受け取り、水晶板に乗せる。
「はい、間違いなく、二つとも本日討伐されたものです。依頼では1頭でしたので討伐金には上乗せしておきますが、よろしいでしょうか」
「うん。いいけど。断った場合どうなるの」
「1頭分の依頼料しか支払いがされず、ギルドカードの登録も1頭の討伐扱いになります。そして、魔石はお返しします」
「うん、今のところ魔石はいらないから2頭でお願い」
「わかりました。二頭討伐で登録させてもらいます。それで失礼ですが、タイガーウルフの素材はお持ちなのでしょうか」
ヘレンの視線がクマボックスに向かっている。
「あるけど、売らないわよ」
「そうなんですか、ギルドとしては売ってもらえると助かるのですが」
「毛皮が欲しいから駄目」
そう、縞模様のタイガーウルフの毛皮をフィナに剥ぎ取ってもらって、殺風景なクマハウスに飾ろうと思っているのだ。
壁に飾っても良し、床に敷いても良し。
「そうですか、毛皮は残念ですが、牙とか爪、肉はどうでしょうか」
「それはいらないから、解体したら持っていくよ」
「ありがとうございます。それではこちらが依頼料となります。あとギルドカードをお返しします」
ずっしりと重いお金とギルドカードをクマボックスに仕舞う。
ヘレンと別れ、外で待っているフィナのところに行く。
「お待たせ、それじゃ帰りましょうか」
「ウルフと一角うさぎは売らないの?」
「面倒だから今度売るよ。ちゃんとお金は支払うから心配しないでいいよ」
解体した素材はクマハウスに入れたままでクマボックスに仕舞うのを忘れただけなのだが。
でも、解体をしたフィナにお金を払わないわけにはいかない。
「ユナお姉ちゃん」
渡された銀貨を見てフィナが驚いている。
「いいから」
買取の受付をしているゲンツさんに魔物の相場を聞いておいたのだ。
それよりも少し多めに渡している。
「わたしがいつまでもいるとは限らないから。だから貯金しておきなさい」
「ありがとう、ユナお姉ちゃん」
にっこり笑うフィナの頭を撫でてあげる。
翌日もフィナが朝早く宿にやってくる。
昨日の今日だから休めばいいのにと言いたい。
わたしも今日は休もうと思っていたが、昨日伝えなかったわたしのミスだ。
解体するにも毎回外にでるのも面倒だし。
どこかに倉庫でも借りるかな。
それだとお金がかかるし。
ギルドの倉庫でも借りられればいいけど、とりあえずギルドに行ってみることにする。
フィナを連れてギルドに向かう。
出発したのが遅かったため、ギルドには冒険者は少ない。
暇そうにしているヘレンの受付に向かう。
「ユナさん、おはようございます」
「おはよう」
「今日も依頼ですか」
「ちょっと、聞きたいことがあって」
「なんですか?」
「どこか、解体する場所って借りられる?」
「タイガーウルフですか」
「それも、あるけど、いろんな魔物の解体もあるから。ギルドの倉庫が借りられればいいんだけど」
「それはちょっと無理ですね」
「やっぱり」
「あと短期ではなく、長期なんですよね」
「うーん、それはちょっとわからない」
「それだと、他の場所を紹介することも」
「……そうだ。何もない土地ってある?」
「土地ですか」
「そう、少し広めで何もない場所」
「あると思いますが、土地は冒険者ギルドの管轄ではないので、商業ギルドに相談するといいかもしれません」
「商業ギルド?」
「はい、商品の取引をするギルドです。もちろん、土地も取引しているので紹介をしてくれると思いますよ」
「わかった。行ってみる」
フィナに商業ギルドの場所を知っているか、聞くと知っているということなのでさっそく行ってみることにする。