雪音の1日
みなさんお久しぶりです。
5ヶ月間も放置してしまって
申し訳ありませんでした。
久々の更新です。
まずは私の1日を紹介します。
平日は毎日学校に行きます。
専門学校では朝の登校時間が決まっていて
私の学校は9時までに登校しなくてはいけない。
「あっ、雪音おはよう。」
「おはよう海。
今日珍しく早いね。」
彼女は 蒼野 海<あおの うみ>。
ちょっとバカで、天然で、残念な子。
いい子なんだけどね。
「今日??
星座占いで朝早く行けって
言ってたからさ。」
「...それだけ??」
「うん。」
「...あぁ、そう。」
やっぱりバカだわ。
「あっ、雪音。
新しいマンガ買ったよ。読む??」
「読む読む!!」
「今回の男の子、
ロールキャベツ男子なの。」
「なにそれ私得すぎ。」
そんな感じで朝から15時くらいまでは
学校で授業を受けている。
大学と違って専門学校は
しっかりとした時間割があって
その時間割通りに授業と実習を受ける。
「じゃあ、また明日ね。」
「また明日。」
学校が終わると私は駅に向かう。
電車に乗ってバイト先へ。
ほぼ毎日バイトを入れてるけど、
全然苦痛じゃない。
むしろ楽しみでしかない。
「おはようございます。」
「あぁ、雪音ちゃん。
おはよう、今日もよろしくね。」
「はい、よろしくお願いします。
着替えてきますね。」
「はいよー。」
シフトを確認して更衣室で着替える。
私のバイトは
作る方がメインだけど
たまに接客の方もやっている。
今日はその接客の方。
「おはようございます。」
「おはよう。
雪音ちゃんが来てくれたから
私は中に入っても大丈夫よね??」
「はい。」
「じゃあ、よろしくね。」
店長さんの奥さんが中に入り、
ホールには私1人。
寂しい気もあるけど、
この時間は嫌いじゃない。
ショーケースに並ぶケーキを見て
新作のアイデアを考える。
「やっぱり秋だから
秋ならではなもの使いたいな...
栗??それとも林檎??」
まだテーマすら決まっていない。
目を閉じてイメージを膨らませる。
カランカラン
「あっ、いらっしゃいませ。」
「こんにちは。
モンブランを3つ下さい。
持ち帰り用で。」
「はい、少々お待ちください。」
棚から箱を取りだし、
注文の品を丁寧に入れる。
「保冷剤とフォークは、お付けいたしますか??」
「お願いします。」
「はい、3本でよろしいですか??
「えぇ。」
「...こちらでお間違いないですか??」
箱の中が見えるようにし、
間違いがないかお客様に確認してもらう。
「えぇ。」
「ありがとうございます。
ではモンブラン3つで900円です。
スタンプカードの方はお持ちですか??」
「はい。」
「カードと1000円お預りします。
...こちらレシートと100円のお返しと、
モンブラン3つでございます。」
「ありがとう。」
「ありがとうございました。」
こんな感じに接客をする。
もう半年もやれば
明るく接客出来るようになる。
初めての時は
笑顔が出来てなくて
よく注意されてたな...
そんなことを考えてると
次のお客さんが来た。
「いらっしゃいませ。」
先ほどのように接客する。
接客と店内の整理をして
気付いたら
あと1時間で閉店だ。
カランカラン
「いらっしゃいませ。あっ。」
「こんばんは。」
少し微笑んで頭を下げる成瀬さん。
「こんばんは。
今日は何にしますか??」
「フルーツタルトをお願いします。」
「かしこまりました。
店内でお召し上がりでよろしいですか??」
「はい。」
成瀬さんは私が言う前に
お金とスタンプカードを出した。
「さすがですね。
ちょうどお預りします。」
「通いすぎでしょうか
ほとんどの値段を覚えてしまって。」
「そんなことありませんよ。
これからも是非。」
「ありがとうございます。」
「ふふふ、こちらお返しします。」
「はい。」
成瀬さんにカードとレシートを差し出す。
キレイな手でそれを受け取り、
財布の中に入れた。
「お持ち致しますので
あちらのイスに掛けてお持ち下さい。」
「はい。」
店内でお召し上がりいただくお客さんには
+100円で紅茶か珈琲がつく。
成瀬さんはフルーツタルトと珈琲を
いつも頼む。
「お待たせ致しました。」
「ありがとうございます。」
「どうぞごゆっくり。」
「いただきます。」
嬉しそうに食べる成瀬さんは
とても可愛い。
食べる邪魔をしたくないので
私は頭を下げて
その場を後にしようとした。
「あっ、五十嵐さん。」
背を向けた瞬間に
成瀬さんに呼び止められた。
「はい。」
「明日って学校お休みですか??」
今日は金曜日。
「はい。」
「じゃあ、良かったら閉店後
新作考えませんか??」
「良いんですか??
成瀬さん、明日もお仕事なんじゃ...」
「僕は大丈夫です。
もしかしてお忙しいですか??」
「いえ。私は全然。」
「良かった。」
そう言ってまた微笑む成瀬さん。
「あの...本当に良いんですか??
成瀬さんはお仕事あるのに
それを私のワガママで付き合わす上に
無償でなんて...」
「貴女のワガママではないですし、
無償でもありませんよ。」
「でも...」
「僕は本当に大丈夫ですよ。
もちろん嫌になったら
遠慮なく言ってください。」
「嫌だなんて、とんでもないです!!」
お願いしてる身なのに、
文句だなんて
むしろ感謝しかしていない。
「僕はプロではありませんし、
そんなに気になさらないで下さい。
それに、大好きなこのお店の新作に
携われるのは嬉しいんです。」
なんていい人なんだ...
「ありがとうございます。
でも、お仕事を優先して下さいね??」
「ありがとうございます。」
成瀬さんは珈琲を飲んだ。
「今日も美味しいです。
タルトも珈琲も。」
「ありがとうございます。」
私は再度頭を下げた。
「雪音ちゃん、おっと。」
店の向こうから店長が出てきた。
「店長。」
「お邪魔だったかな??」
「何言ってるんですか。
私は良いですけど成瀬さんに失礼ですよ。」
「こんばんは。」
「成瀬さん、こんばんは。
いつもどうも。」
「いえ、こちらこそ。
今日もとても美味しいです。」
「ありがとう。」
「それで、五十嵐さんに
ご用があったのでは??」
確かに私の名前呼ばれたな。
「あっ、そうそう。
雪音ちゃん、新作の方は順調かな??」
「...いえ。」
「まぁ、初めてだからね。
たくさん悩んで、良いのを頼むよ。」
「はい。」
「店の方も多少なら
使ってくれて構わないよ。」
「本当ですか??」
「多少ね。」
「ありがとうございます。」
「うん。
成瀬さんも付き合わせちゃってごめんね。」
「いいえ。」
「店長、今日閉店後
少し残ってもいいですか??」
「いいよ。
スペアキー使って戸締り頼むね。」
「はい。」
「じゃあ、そろそろ閉めようか。」
時計を見ると
ずいぶんと時間が経っていた。
「そうですね。」
「成瀬さんはそのままでいいからね。」
「すいません。」
「いいの、いいの。」
そう言って店長は中に入っていった。
私はカーテンを閉め、閉店作業を始めた。
「じゃあ雪音ちゃん、お先に。」
「お疲れ様でした。」
全ての仕事が終わり、
店内には私と成瀬さん。
着替えを済まし、急いで成瀬さんの元へ。
「成瀬さん、ごめんなさい。
お待たせしました。」
「いえ、大丈夫ですよ。
では、始めましょう。」
「はい。」
今日は作らないので、
さっき成瀬さんの正面に座った。
「では、まずテーマを決めましょう。」
「テーマ...」
「もう決まっていますか??」
「いいえ、実は何も。」
手伝ってもらうのに
何も決まってないなんて
申し訳なさすぎる。
「気にしないで下さい。
昨日から始めたんですから。」
「成瀬さん。」
「ゆっくり進めていきましょう。ね??」
「はい、ありがとうございます。」
成瀬さんの優しさに泣きそうになる。
「五十嵐さん??」
「...ごめんなさい。大丈夫です。」
そんな私に気付いたのか
成瀬さんは少し微笑みながら言った。
「五十嵐さん??
五十嵐さんがこのお店のケーキに
愛情をそそいでいることは、
客の僕から見ても分かります。
そんな五十嵐さんが作るケーキなら
きっと素敵なものが出来ると思いますよ。」
成瀬さん...
「ありがとうございます。
...すいません、急に。」
「いえ。
僕も微力ながらお手伝いします。
一緒に頑張りましょう。」
「微力なんて、とんでもないです!!
成瀬さんがいてくれるだけで
私助かってます。」
成瀬さんは驚いた顔をしていた。
でも、またすぐに微笑んだ。
「それは良かったです。」
私は涙が落ちないように指先で拭った。
「なんで泣きそうだったんだろ。」
「さぁ、僕には分からないですね。」
私と成瀬さんは笑いあって、
話し合いを再開した。
第2話、如何でしたか⁇
久々すぎて
キャラを忘れてしまったり
もしかしたら
イメージが崩れてしまった方が
いらっしゃったかもしれません。
雪音や成瀬さんは
細かい設定を決めていないので
読者のみなさんが
好きなように思い描いていただければ
嬉しいです。