大きくなりましたよ!
今までの中で一番遅くなりましたほんと申し訳ありませんm(__)m
「これで大丈夫ですよ。」
「‥‥‥‥ほんとに?どこもおかしくない?言葉も変じゃない?」
「心配せずとも言葉も見た目もしっかりしてますから安心してください。」
……うーん、前世でも身に着けていたとはいえ、こんなに早く着るとなるとなかなか慣れないものですね…
あ、只今(前世を除いてでの)人生の中で一番緊張とか不安とかわくわく感が心に入り混じった状況にいるマリノアです。
先ほどの会話で察しはつくと思いますがついに私、今日からお姉様達が通っている学校に入学するんです!
やっと学校に入れる年になりましたよ…!!まだ子供に変わりはありませんが…
にしても、初めて制服を見たときから思ってたのですが、すごいおしゃれなんですよ。この制服。
まあ初等部から高等部まであるエスカレーター式の学校ですし、明らかにセレブしか通えない雰囲気がぷんぷんしましたから、そういう学校なら当然のように制服もあっておしゃれですよねー…
………金持ちって怖いと実感しますよ…
制服はセーラーではなくブレザーで、リボンは結べるものであれば何でもいいらしいです。
あとは…言葉では表現しきれない位に可愛いんです!
…説明が出来なくなったわけじゃないですよ?なんて言ったらいいかわからなくなっただけで…
あ、私ここまでの間にすごくいいことがあったんですよ!
ここ二年でアーニャさんとすごく親密になったんです!私の中では一番の理解者と言っていいくらいに!
それで今じゃすっかり打ち解けて仲良くなったアーニャことアニーが制服を着させてくれたんです。
ここ最近は笑ってくれることもあるんですよ!!
「…?マリ様、どうかなさいましたか?」
「あ、何でもない!それより早くお母さまに見せに行こう!」
いやはや、二年も経ってしまうとあの野性的美少女からインテリ系美少女にあっという間に進化してしまうものですね…
此処に来たばかりの頃は、どこで暮らしていたのかと聞きたくなるくらいにぼろぼろで、服もかろうじて原形を保っている位にひどい有り様でして。
事件の時は暗くてはっきりと見えなかったとはいえ、こんなにもすごいとは思いもよらなかったですよ…
そして、見た目からして今までとは真逆の環境で馴染められるのだろうかと心配していましたが、それもただの杞憂に終わりましたね…
何故かと言うと、あの二人、たったの一週間で仕事を全てマスターしてしまい、あっさりお兄様や他の人とも仲良くなっていました。
………とてつもない順応性です…
なんとなく言葉使いとか初めて会った時から敬語だったので、見た目に反してちゃんとしてるんだなー、と思う程度でしたが、まさかこんなに対応力があるとは思えませんでしたよ!
おっと、話が逸れてしまいました、
待ってるお母様のもとに急ぎますかね。
「お母さま、きがえ終わりました!」
「あらあら、そんなに走ったらせっかく可愛くした髪が乱れるわよ。」
そう言って触れるのを躊躇うくらいに綺麗な手が私の若干ぼさぼさになった髪を、優しく整えてくれました。
「あ、ありがとうございます!」
母親なのに何でこうもドキドキするんでしょう…
美人って怖いですね…
「さて、そろそろお時間になりますので参りましょうか。」
も、もうそんな時間になりましたか…
よーし、新入生マリノア、友達つくれるように頑張ります!
「さあ、到着しましたよ。」
……………………………ごめんなさいすごく調子に乗りましたほんとすみません。
………あ、いや、深い意味はないんですよ?何かすごく謝りたくなったというか、思った以上に学校は大きいし人が多くてびっくりしたというか…
そんなに大きくしてどうするの?と聞きたくなるくらいに巨大な門に、その下にコンサート会場のように集まっている人、…だけだったらどんなによかったか…。
なぜならその中に獣の耳や尻尾、または角が生えてたり、動物が二足歩行していたり(まだ子供だからか大半が小動物ですが)、ついには背中に羽?翼?が生えている人(?)がいたりと、なんとも言えない空間に入るのがすごく躊躇うというか、怖いというか……
「…ご安心下さい。かのバティスト家令嬢も入学されるみたいですよ、あの方のことですから正門の前で待っておいででしょう。」
びくつき始めた私を心配したのか、家絡みでとても仲良くなった幼馴染の話題をだしてくれました。
「えっ、ヨナちゃんも一緒なの!?ほんとに?」
あまりの嬉しい朗報に私のテンションも一気にもとに戻りました!
人間本当に不安になると一人でも知り合いがいるだけですっごい安心感が湧いてくるんですよ!
「はい、首を長くしてお待ちしているかと。」
待ってる…?…急がないとじゃん!!
「マリノア、お友達を待たせているなら急がないと。困らせてはいけないわ。」
「う、うん!行ってきます!お母さま、アニー!」
「いってらっしゃいませ。」
「気を付けてね。」
二人の声を背中で聞きながら私は急いで大きな門に急ぎました。
「あ、いた!ヨナちゃーん!!」
「!っマリ!」
門の前に私と同い年の子がたくさん居るなかですぐさま気づいてこっちに来てくれたのは、幼馴染みのヨナリィ・バティストちゃんです!
あの事件のちょうど一年が経った後に親の都合で出会いまして、それからの付き合いなのですよ!
でも初対面のときは正直驚きましたよ…
なんせ自分と同い年の子に会ったこともなかったのもありますし、何よりとてもキレイな色をした子だったんです!
つい見とれてしまうほど!
真っ先に見える髪は氷のような神秘さを感じる水色で、若干垂れている大きな瞳は髪よりは濃い色をした蒼氷色の存在感は半端なかったです。
それを挨拶もしないうちに見たもんですから、第一声がキレイと呟き同然の声で場の雰囲気がなんとも言えなくなってしまったのはもう黒歴史です。
でもちゃんと仲良くなれましたから!
自分のことだと理解した後に照れながらもありがとうって言ってくれましたから!!
そんでもってあの子から友達になっていい?って聞いてくれたんですから!!
第一印象が酷かったことに半ば絶望していた私からしてみれば、それは本当にヨナちゃんが 聖女にしか見えませんでした…
「ねえマリちゃん、わたしすごくドキドキする…クラスの子と仲良くなれるかな?」
「ヨナちゃんなら大丈夫だよ!」
可愛い、可愛すぎるよ、ヨナちゃん。
いや、私も確かに友達つくりたいなって思いましたよ?
まあ純粋に仲良くなりたいっていうのもありますが、私のはもうちょっとこう、現実味のある理由といいますか…………課題とか出たら見してもらえる子とかもほしいなっていう、ちょっと汚い考え方の方ですよ………
精神年齢結構高いですから!そういう考え方に陥ってしまうのですよ!!
「…でも、もしわたしが一人ぼっちになったら、マリちゃん助けてくれる?」
「もちろん!ぜったい助けるよ!」
「ほんと!?じゃあ、約束しよ!二人だけの約束!」
約束……かわいい響きですねー…子供のうちしにしかできないやつですよね…
「うん、約束!」
そう言って手を繋ぎながら、気づいたら先に行ってしまった人たちを追いかけるように向かいました。
…しかし私はその約束を後になってから酷く後悔することになるとは微塵も思いませんでした……
次回からやっと学校に通います!
また更新が遅くなる可能性が大ですが、生暖かく見守って下されば幸いですm(__)m