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まいらいふ  作者: ノシバ
7/9

やっとわかりました


遅くなりすぎました本当に申し訳ありません!!

「そろそろ始めるけど、マリちゃんの準備は大丈夫?」


「……はい、こちらの準備は完了しました。」


…………い、いよいよか……あ、変なタイミングですみません、マリノアです。



あの誘拐事件の後、使用人兼護衛として家に仕え始めた双子の1人、アーニャ・ルワルドさんとオーリア・ルワルドさんが加わりそれで一段落と思いきや、大変なことが起きていたんです……


その日の朝、目が覚めたと同時に両親に抱き締められ、耳の後ろからあの子を行かせてよかったねというとても恐ろしい会話が聞こえたりとか、

そのすぐ後に大きな音が聞こえたと思ったら、お兄様とお姉様が廊下で壮絶過ぎる素手の殴りあいをしてたりとか…


なんでそうなったかは口にしてくれませんでしたが、お母様の強制的な介入もあり、何とかその場は収まりました。


食事の間に向かう途中で小声で二人が何か話していましたが、よく聞こえなかったので、仲直りしてるのかなと思いながら朝ごはんを食べに向かいました。でも着いた後すぐ席の取り合いをしていたので、あれは聞き間違いでしたね。





まあ、そんなこんなで一ヶ月が経ちまして、そして今日、誘拐の件で潰れてしまっていた、

あの適性検査を行うんです!





「じゃあマリノア、そこの陣の中心に立って。」


「う、うん…」


うわあ~…あ、あんなお金持ち漂うリビングから魔法陣一つで緊張感溢れる儀式の部屋に変わるなんて……

魔法陣ってすごいんですね…


あ、そんなこと考えてないで早く動かねばいけませんね。



………………でもあの陣の真ん中に立つのって結構勇気いりますよ、これ。


だって私のすぐ側にアーニャさん、魔法陣の周りにはノームさん達が立っていて、さらに三人の後ろには家族全員とオーリアさんが見守ってくれているんですよ!?


目線とプレッシャーが半端ないんですよ!!


「大丈夫だよ、ただ立って目を閉じていれば特にすることはないから。」


お兄様の優しい後押しとその後に起きた姉弟漫才のおかげでなんとか中心に立つことができ、やっと検査が始まります。





そして以前のように三人一斉に唱えず、サラマンダーさん、ウィンディーネさん、最後にノームさんという順番で一人づつ唱え始めました。


でも目を閉じていて声しか聞こえないので予想でしかないのですが。



……二回目といえど、この雰囲気というか、独特な感覚はなかなか慣れませんね…なんか、自分の中の何かが吸いとられているような………


前はほんの一瞬だったのでそこまで違和感はありませんでしたが、今回は体力ごと取られてしまうような、そんな疲労感を覚えながらもどのぐらいで終わるのかなーと考えてました。










ズキッ








あれ、今度は胸の辺りから少しだけ痛みが…?



「………マリ?」



「……これで検査は終了…なんだが、お前どのあたりで痛みが来た?」


ん?え、何でサラマンダーさん私が少しだけ胸が痛んだのわかったんですか?

顔に出すほど痛いわけじゃなかったんですけど……


「隠してたのかは知らねーが丸わかりなんだよ。で、どこが痛かった?」


…出てたんですね。


ちょっとどころかかなり恥ずかしいですよ私!

出てないってドヤ顔しといて普通に顔に晒してるというこの羞恥!!



………誰だって思い込みはありますよね!

開き直らなきゃ前には進めない!

たとえノーム君以外皆が笑いを必死に堪えているとしても!!



「…んとね、ここがいたかったの。」


胸のところに手を当てると、それを見た皆が急に黙ってしまい、空気が最初のように重くなりました。

え!なんで!?


「…お前、魔力無いにも程があるだろ。」



「……………へ?」


あ、心の声が…


「いや、うん、二人よりは少ないとは思っていたけれど、ここまでとは…ねえ?」


「…予想を越えた少なさだね。」


「ほんの一定量の魔力を吸いとっただけで体に被害が及ぶって相当だぞ。」


………それ本気で言ってますかサラマンダーさん。




「…もしかしたら、マリノアは体力に直結しているからかもしれない。」


いいーですよ、どうせ私なんか…………て、直結?

どういうことですか?


「直結って?魔力が一定の力を使い過ぎてなきゃ体力には影響しないんじゃないの?」


いいタイミングでお姉様が質問を投げ掛けてくれました。


「普通そのはずだけど、たまにいるんだ。魔力と体力が一体化する人。」


「そうなると魔法を使う時間がものすごく限られちゃうけど、直接体力の消耗が激しい分、最大限の力を常に出せることができるの。」


つまり体力=魔力の人は、使える時間は短いけどその代わり魔法の威力が半端ない………………あれ?これって体力さえあればもしや無理と確定されてた私も、ついにチートの仲間入りになれるってことに……!!


「まあ、発揮するに至るまでの体力とその力に耐えきれることができるならば、の話だがな。」



……なる訳がありませんでしたね。

まあ、察しはついてましたよ?


前にも似たようなことがありましたからね?

デジャヴをひどく感じましたけど、やっぱり諦めきれないんですよ!


「…マリノア様。……ファイトです。」


アーニャさんのささやかな応援と、後に続くみんなの励ましが余計に心に傷を負いつつも、まあ変に力を持ってたって上手く使えなきゃ意味ないしね!

と無理やり納得させ、今日も元気に頑張ります!!

次回からやっと主人公大きくなります

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