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まいらいふ  作者: ノシバ
5/9

理不尽にも程があります

遅くなりすぎて本当にすみませんm(__)m












「マリ、『おめでとう』って言ってみて。」


「(今度こそ…!!)…おめとー。」


…ダメでしたか……あ、こんにちわ!今何をやっているかというと、喋る練習をしているんです。

あの衝撃の出来事からもう二年が経ちましたよ…

…それでまだしゃべれないの?とかはNGですからね!?

思ってた以上に成長が遅れてたんですよ!


遅くても二歳になればある程度できると思ってたのに…!


それどころかやっと歩けるようになっただけとか、あまりの成長の遅さに精神的ダメージが半端ないんです…


「前よりしゃべるの上手くなったね~!流石私のマリ~!」

「ウザイしそれキモいからやめた方がいいよ。」


一見今までと変わらないように見えますが、二歳になって少し経ったとき、突然お姉様が私を避けていた時期があったんです!


その間お兄様が側にいてくれましたが、あの時は本当に嫌われてしまったかと思いました…


もしかしなくとも成長が遅いせいだと瞬時に思った私は、必死になって声を出して声が枯れるくらいに練習を毎日こなした結果、

案の定と言うべきか、二歳児にして喉の筋肉痛を起こしてしまうという異常事態に陥ってしまいまして……

そりゃあもう大混乱でしたよ、おかげで声を出させないようにとお母様直々に魔法を掛けられたため、2、3日ぐらいは寝るか動き回るしかできませんでしたし。


そして魔法が解けた後、ふと気づいたんです。これって更に駄目になるパターンではないのか、と!!


余計に墓穴を掘ったことにベッドで絶望していた時、なんとお姉様がお兄様に無理やり連行された状態で私の部屋に来てくれたんです!


どういう状況であれ、数週間ずっと会っていなかったのでとても嬉しくて堪らなくなり、ついお姉様を呼んでしまいました


……その前にやることがあるのでは、とまたも後悔しそうになったところでお姉様が恐る恐るですが、私の頭を触ってくれたんです!


会えた嬉しさに火照っていた私は、お姉様の手袋越しでしたが冷たい手がとても心地好くてふと本音を漏らしたら、

突然お姉様の手がピタリと止まり、気づいたら抱きしめられていました。


そして小さく震えた声でごめんね、と謝られました。…………って、何でお姉様が謝ってるんですか!?

むしろ私が謝るべきなのに先に言われちゃいましたよ!


と、とにかく私もごめんなさいという意味を込めて何かしようと思ったら、

何故かいーこいーこと口に出しながら、お姉様のきれいな金髪の頭を撫でていました…

………謝るというか、むしろ上から目線で慰めてますよねこれ。


訂正しようと思ったら更にきつく抱きしめられたので、諦めてそのまま(無意識に)ぎゅーと言いながら抱きしめ返しました。



それからと言うもの、また前のように戻れたのですが、以前よりもお姉様と一緒にいる時間が多くなりました。


家に帰ってきて、私の部屋に入ってからお兄様が強制連行するまで片時も離れませんし、

遂には一緒に寝ることもあるのです。


現に私の練習に付き合ってくれてますし。


それが今に至るまでずっと続きました。


そして実は先伸ばしにしていたあの適性検査を今日中に行うと朝突然知らされまして、とりあえず部屋に待機しろと言われ、待ってる間練習していたということです。



「…は?」


「だから、いつも姉さんが占領してるんだから今日ぐらいは僕と代わったっていいよね?いい加減。」


………回想している間に何かあったんでしょうか?

すごく険悪なムードなんですが…


「…何で今日なのよ?悪いけど今回は特に無理だからね。あの事もあるし明日にしてよ」


…特にって、今日は検査があるからですかね?



「うっさい。今日という今日は絶対譲らないから。1年前からずっっと姉さんの言うことを聞いて我慢してきたんだ。それでまだ駄目とかもう聞くつもりないから。予知夢ったっていつ起こるかも分からないにいちいち警戒してらんないよ。

それじゃあマリ、外で一緒に遊ぼっか。」


「…う?」


あれ、いつの間に終わったんですか?


後ろでお姉様がすごい怒鳴散らしてますけど行っちゃっていいんですか!?


あと検査はどうするんですか!?




それから勢いで外に出て、お姉様のことでハラハラしながらも庭でのんびりしていたら、ふとお兄様が話し出しました。


「……僕さ、ずっと姉さんが嫌いだった。」


……いきなりどうしたんでしょうか?

やっぱり日頃のストレスを発散したいのですかね?

そういうことなら喜んで聞きますよ!

私が聞くことで少しでも発散できるなら!


「最初からって訳じゃないけど、なんか…昔からなんでも出来てる姉さんを見ると僕もああなりたいって気持ちになってた。でも、次第に何で姉さんだけって思うことの方が勝るようになってきて…そりゃあ、他の人と比べたら僕も異常っていうか、何でも出来てるイメージを持たれるけど、でも姉さんみたいに桁外れな力とかは無いし、魔力の量や属性が姉さんより少し多いだけだよ?それ以外コントロールも何も全部姉さんに負けてるし…それが悔しくて、気づいたら嫌いになってた。でもそんな姉さんが僕の自慢でもあるもんだから…なんなんだろ。自分がなにしたいんだかわかんないや。」



…お兄様はお姉様に強い劣等感を抱いているみたいですね…

元から二人はすごい才能の塊でしたが、お兄様からしてみればお姉様はずば抜けて見えるんですね。


でも魔力とか属性以外にもお兄様は防御系がとても得意な感じはしましたが…


「……おにーさま、まもる、じょうず?」


聞いてみたはいいですが、自身の会話力の無さに泣きたくなりますね、これ…


「…ん?まもる?……ああ、防御系の魔法は得意じゃないのかって?…まあタイプが防御型だから得意だけど、それほどでもないよ。いきなりどうしたの?」


えー、お姉様は攻撃型で特化してるなら、お兄様も同じくらい防御型に特化すればきっと追いつきますよ!

みたいなことを言ったんですが、通じましたかね?

むしろそれさえ習得すれば絶対お姉様と並べると思うんです!


「…マリはいい子だね。ありがとう、元気になれたよ。」


理解してくれてました!

そう言ってとても優しい笑顔を向けてくれたので、少しはスッキリしてくれたみたいです!


これで一つは恩返しできましたかね?




そんなことを思っていたら突然辺りが真っ暗になり、気づいたらお兄様に抱き抱えられながら宙に浮いていました。

………………って、ええ!?

な、ななな何が起きたんですか!?全然理解できないのですが!!

…もしかして、誘拐されたんですか!?



「…ライヴァ・メイアレーテ捕縛完了。……もう一人はどうしますか?」


「…あー、掛かったもんは仕方ねえ。ついでに連れてくぞ。」


「了解。」




「…っくそ、効かない!」


先ほどからお兄様が掛かった魔法を解こうとしているのですが、全くと言っていいほど反応しません。

ずっと暗闇のままなので、唯一わかる手の温もりを辿りながら不安になってお兄様を呼びました。


「大丈夫だよ。僕が絶対にマリを守るから。」


ギリギリまで二人で抱きつきながらどう脱出できるかを試していましたが、結局水の泡になり、呆気なく誘拐犯のアジト的な所に着いちゃいました…







しかも、実のところ私は"たまたま一緒に掛かったから"誘拐されたという理不尽極まりない理由だったと知るのは、あと数分後のこと。


今更ですが、評価、お気に入り登録して下さった方、心からありがとうございます!!

これを糧に頑張って早めに更新したいと思います!(*´∀`*)

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