信じたくないです
進んでる…ようで進んでないです(^^;
「ただいまー!!……ってみんなして何でここにいんの?」
「あ、ほんとだ。マリに何か用でもあったの?」
寝ながらもう一度出来事を整理しようとしてたら、丁度ふたりが帰ってきたようです。
「あらおかえり。ついさっき終わったばっかりなんだけどね、この子がどんなタイプの魔法が合ってるのかを調べてたのよ。」
そうだったんですか~…全然わかってませんでしたよ…
あ、お姉様がさっそく高い高いしてくれました、わーい
「そうなんだ~。なんだったの?」
「あなたたちとは別のサポートタイプだったわ。」
別ってことはやっぱりそれぞれ違うんですね。
…あ、高い高い終わっちゃった。
「へー、じゃあマリは攻撃魔法とか使えないの?」
「それとも僕たちみたいに使えるの?」
「…おまえらみたいな怪物がもう一人もいてたまるか。まあでも、サポートタイプの中では少々特殊な方ってだけだな。」
へー、私ってそこそこ特別なんですね~…"少々"ってことはそこまででもないんでしょうけど…でも特別ってつくだけでもなんだかいい気分ですよね!
…あれ?今お姉様たちが怪物って…
「そうなんだー…って、怪物じゃなーい!!ただ他の子よりもちょっと違うってだけじゃん!」
「それは僕も思う。」
そ、そうですよ!どれだけすごいのかは分かりませんが、そんな怪物と呼ばれるほどではないと思いますけど…
「あのな、普通一つしか付けられないはずの属性が二個も三個ももってたりな、タイプが異常な位に特化し過ぎてたりとかな、まあタイプについては百万歩譲るとしよう。」
いいんですかそれ!?
「だがな、その場合他の魔法が一切使えなくなるっつー対価があるはずなんだが、最悪なことにリアの血を濃く受け継いでしまったおまえらは、他の魔法が普通に使えてしまうという面倒極まりない性質を持ってるんだぞ?ちょっとどころじゃないだろ?」
……そうですね。
サラマンダーさんの言う通りちょっとどころか桁外れのすごさじゃないですか。
これは前世で言う”チート”ってやつですよねこれ。
たしか友達…が言ってたと思います。すごいハイテンションでしゃべってましたよ、どんな話題だったかは覚えてませんが…
「…あたしたち属性二個以上もあったっけ?」
「あったでしょ。姉さんが闇と火で、僕が光と風と土だし。」
「あんた三つもあったの!?」
「うん。」
き、聞けば聞くほど二人がいかにすご過ぎるのかが分かりますよ……
……ん?そしたらあんまり珍しくもないタイプだった私ってどうなんですか?逆におかしくないですか?やっぱりお父様の血の方が濃いからなんですか!?
「…ねえサラマンダー、そしたらマリは何で僕たちと一緒じゃないの?マリもお母様の血を引いてるんでしょ?」
「あー、こいつはディーの血が圧倒的に濃いからだな。しかもリアの血の方が薄いもんだから全然魔力に影響ねえし。そんでもってこいつ自身の力が弱いっつーのもあるが。」
…圧倒的に…ですか……何ですかね、この、気落ち感といいますか、絶望感といいますか…
まあ、ちょっとくらいは期待はするじゃないですか。たとえお父様の血の方が濃いと言われようとも、必ずしもお母様の血が入っているなら、お姉様たちのようでなくても何かしらの影響があると思っちゃうじゃないですか!
ああも聞かされていたらもしかしたら私も…!?って期待するじゃないですか!!
それが皆無と、弱いからだと普通に断言されちゃいましたよ!
そもそも、血で魔力が影響するとかお母様って何者なんですか!?
「ほんと、純血種のエルフを親に持つといいことしかないわね。ね?アミちゃん、ライ君。」
「「…振られても困る。」」
お母様ってエルフだったんですか!?妖精なんですか!?ってことは私とお姉様たちはエルフのハーフなんですか!?…って私の場合は三分の一ハーフですけど…
というかウィンディーネさんさりげなく私を呼びませんでしたよね!?私は例外って意味ですか!?
……こうなったら思いっきり泣いてストレス発散します!
わざと家族達に迷惑をかけるのには罪悪感がありますが、でも、少しでも抵抗させてください!!
…………些細な抵抗も空しく、泣き始めた数秒後にウィンディーネさんの魔法によって速攻で眠らせられました。
主人公は結構不憫な子ですww