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AGO物語  作者: AGOメンバー
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三章 挑発と逆鱗と

閑話のつもりでしたが三章です…でもお話進んでいません…すみません。

― ギルド内 ―


 タカキ達一行は日も暮れはじめたシグロに到着すると直ぐにギルドへと足を運ぶと、生け捕りにしたコボルトとミノタウロスの首を投げるようにギルドのカウンターへと差し出す。

それを見たマスターと周りの冒険者達が想わず「おぉ…」と低くどよめく。


「おい、このミノタウロスは、まさかコボルトと一緒に居たのか?」

「ああ」


 と、タカキは短く答えるとギルド中に驚きが伝播するのがわかる。


「…ミノタウロスが居たとはな、それじゃ今まで帰ってこれないのも頷けるな」

「なぁマスター、ミノタウロスが相手でもあるし、その証拠とコボルトの生け捕りも含めて報酬は色つけてくれるよな」

「あぁ!はずませて頂くよ。それと前に受けた2人も無事だし約束通りおごらせてくれ!」

「よしきた!アラン勝負だ!」

「うむ!」


一同(マスター大丈夫かな; 飲み尽くされるよ…)


「しかしよくミノタウロスを倒せたな。どう見ても俺にはお前さん達が『駆け出し』(ルーキー)にしか感じられないんだがね」

「私達は逃げたんだよね~ タカキが1人で倒しちゃったの。ねっタカキ」

「まぁ、うん」


 その話を聴いた冒険者達中にタカキに声を掛ける者がいた。


「あんたがミノタウロスを1人で…ねぇ?」


 声を掛けてきたその男は銀色の甲冑をまとい、如何にも良い出自である事を鼻に掛ける選民思考の強い男のようで、タカキの装備を見るや「フッ」っと鼻で笑いながら近づいて来る。

銀色甲冑男のに対し周りがざわめく。


「あれはギルドのエースのシルバーホークのアレンじゃね?」

「うゎぁ、タカキって言ったっけ?あいつ…面倒なのに目付けられたな~」


 アレンがタカキに話しだす。


「タカキ君だっけ? ミノタウロスを倒した腕前見せてほしいな、どうだい僕とお手合わせしてみないかい?」


 会話聴いてた冒険者達は『またかよっ』と顔を顰め、うんざりとしながら呟く


「あーあ、あいつの悪い癖がでたかぁ…ちょっと強い奴みては戦い挑んは、自分より強くなる前に芽を摘もうって腹積もりだろぅ?」

「タカキて奴も災難だな」


アレンの挑発に面倒くさそうに答えるタカキ。


「悪い、そうゆうの遠慮するよ。それに、あんたみたいの相手にすると疲れるからね」


 タカキの言葉に食いつくギャラリー


「おいおい、アレン相手に言うね こりゃあ見ものだ」


ミールの追い討ち


「タカキ強いんだし、相手してあげたら?」


 少し顔が引きつりながらも、対応するアレン


「そうだよ、その汚らしい亜人の子の言うとおり相手してよ。それに噂だとタカキ君は不知火さんの所で修行してたって話しじゃないか、腕も其れなりなんだろ?」

「なっ!取り消せよ今の言葉!」

「えっ?何を?取り消すような話はしてないけど?まぁどうでも良いからさ、見せてよ不知火流をさ、それとも、あのオッサンみたく酒飲みを伝授したのかな? あはははは」


その挑発にタカキは乗る事にした。


「仲間と恩人である師匠を侮辱されて黙っていられるほど出来た人間じゃないんでね。 いいよ相手してあげるよアレンさん!」

「いいね、タカキ君相手してくれるんだね。ギャラリーも多いし外でやろうか?」


 ついて来いとばかりに背を向けるアレンにタカキは無言で付いて行く。

ギルドを出た直ぐ近くの広場へと移動した2人の後を追う様に他の冒険者たちも続いていくと、広場には異様な雰囲気に誘われたのか冒険者だけでなく町の人まで集まりだした。


「なんだ?何かあるんだ?」

「アレンが、また喧嘩売ったんだとよ」

「またアレンかよ、よくやるね相手も気の毒だの」


 その会話にシース割り込む。


「アレンって、そんなに強いのかい?」

「ああ、ここのギルドのトップ3に入るし、どこぞの騎士団に居たって話しだ」

「へぇ、そりゃぁ強いね(まっ、タカキは、あの強さだしな、こりゃ一儲け出きるな)」


そうするとシースが大きな声で叫ぶ


「俺は、あのタカキって兄ちゃんに賭けるわ!」


 するとまわりの乗ってくる。


「乗った! 絶対にアレンだろ」

「俺もアレンだ」

「俺もな、てか賭けになるのか、兄さんアレンを知らないのか?この勝負頂きだな」


 シース一声で賭けが始まるり、対峙する2人を囲むギャラリー達がヒートアップし始める。


「アレン! あんたに賭けてるんだ、頼むぜ!」

「アレン~手加減してやれよ」

「なによ、タカキの応援ないね… やな感じ!私達だけでも応援しよっ」

「あっそうだぁ」


 とライザが何か思いついたらしく、何か魔法を唱える。


「我が虜なり僕となりよチャーム(魅了)」


 ライザのまわりの数名はST失敗、魅了される。(あれ?可笑しくね?チャームは単体呪文でしょ;)


「ねぇ、私ぃタカキの応援するんだけどぉ、一緒に応援しよぅ、ねっキラ☆」

「「「「ライザたんが応援するなら、応援しますっ!」」」」


するとライザが応援する後に数名が応援する。


「タカキぃ!、頑張れぇ」

「「「「タカキ!頑張れー、ライザたんが応援してるんだぞ! 負けるなよ」」」」


一同(ライザたん?; ライザたん魔法の使い方間違えて気がしますよ…)


そんなやり取りが行われてる中アレンがタカキ話しかける。


「タカキ君。僕はね、ファーレン王国の騎士だったんだよ。訳あって騎士をやめて冒険者になったんだけどね…だからね君とは格が違うんだよね格が、悪いね行くよ!」


 アレンが攻撃を仕掛ける。

ディオーネ達では集中していないと目で追えないほどの剣撃がタカキを襲う。

メンバー達は、アレンは口だけではない事は感じてはいたが、タカキの戦いを見ていた事でタカキならと安心して観戦しているようだった。

防戦一方のタカキにアレンの攻撃の速度が増す。


「タカキ君大丈夫かい? 受けきれるかな」


アレンの攻撃を受け流すタカキを見るギャラリーは益々ヒートアップする。


「うひょ~、頑張るね~アイツ!」

「あんな細い武器でアレンの攻撃をよく受け流してるよな!それに、なんだか余裕そうな顔してるんだよな、何か秘策でもあるなか?!」


(威張るだけの腕は、あるかな…だが騎士にしてはまだまだか、オヤジやラクセル方が強かったな… オヤジ… ラクセル…)

クレセントでの事を思い出しスレイプニールの顔が浮かびタカキの動きが一瞬止まる。

その隙をアレンは逃さない。


「もらったよタカキ君! 必殺アレンスパイラル!」

「…軽いよ、剣も心も」


 この時にアレンが剣を振り上げ必殺技を放とうとした一瞬、寒気を感じるのと同時にアレンの左の肩から腕が離れる!

この対戦を見ていた全員が一体何が起きたのか分からず沈黙する。

数秒が経ちアレンは自分の左腕が斬られた事を漸く気が付くと同時に壮絶な痛みを覚え獣の様な咆哮を放つ。


「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 ギャラリー達に声は無く、ただアレンの咆哮が辺りを蹂躙する。

アレンの勝利が確信しと思った瞬間に左腕が切り落とされていたのだから無理もない。

ただこの場に居る誰もが感じたのは、あの一瞬タカキから異様な瀑布のような殺気が放たれた事だったが、今は凪いだ潮のように何も感じられなかった。


 痛みに苦しみ悶えるアレンを見てタカキは、『やってしまった』とばかりに話しだす。


「ごめん手加減するつもりだったんだけど、やな事を思い出してね、あれを思い出すと加減が出来なくて」

「まじかよ… アレンが、あっさりと…」

「それより アレンは大丈夫か?」


何人かがアレンに近づき手当てを始めるが、素人に何か出来るレベルの怪我ではない。


「こりゃ、出血だけでも早くしないと」


そんな喧騒の中、品の良さそうな1人男性が人垣をかき分けるように前にでる。


「私が治療しますよ、斬られた腕を貸してください」


声の主はどうやら僧侶のようだ。

ギャラリーの中にその僧侶を知る者達がしゃべり出す。


「ドライド司教!」

「ドライド司教か、良いところに」

「アグラーヤのドライド司教様だ」


 ドライド司教と呼ばれた男はタカキを横切りアレンの所へと赴くと、ギャラリーの1人がアレンの腕を急いで渡す。

ドライド司教は躊躇なく腕を受け取ると、アレンの切られてる肩にその腕を添えると呪文を唱え始める。


「大いなる神よ、この者のキズを治したまえ! キュア ライト ウーンズ(治癒魔法、決してプリキュアではありません、あしからず)」


 呪文が唱えられると斬られた腕が付き流れていた血も止まる。

やがて痛みも治まったのかアレンが起き上がりドライド司教にお礼を言うと、次に悔しそうにタカキに向き直る。


「タカキ君、恐れ入ったよ。でもね、この借りは返させて頂くよ。まただ」


そう言うと足早に去っていくアレン。

其れお見送るやアレンとの対戦を見ていた者達が「わぁっ」とタカキに群がる。


「あんた、あのアレンを圧倒するなんてな」

「すげーよ」

「不知火のおっさんの弟子だってなぁ あのおっさんも本当は強いのか!参ったわ」


そう盛り上がってる中、シースも盛り上がってた。


「いやー、タカキ様々だな いやっふー」

「シースぅ、ウハウハみたいね 私にもぉ、わ・け・て・ね にこ」


テンションMAXのシースに、魔の影が…何故かライザに逆らえないシース;


「わ、判ったよライザ… とほほ…(今時、『とほほ』を使うのも珍しい;)」


盛り上がってる中、ドライド司教がタカキに近づき声を掛けてくる。


「見させていただいたよ強いね。タカキ殿でいいのかな?」

「はい、自分に用ですか?」

「ええ、本当はギルドに依頼を登録しにいこうしたんだが、広場に人混みが出来てたのでね、覗いて見たらアレン殿とタカキ殿の闘ってるのが見えてね」

「はぁ」

「どうかな?いきなりだがタカキ殿に依頼をお願いしてもよろしいかな?」


 タカキとドライド司教のやり取りを聞き耳をたてたシース(こうゆう時は地獄耳である)

(こりゃぁ、タカキに憑いて【取り憑くのかい!】いけばウハウハかもな)

シースはタカキとドライド司教の会話にしゃしゃり出る。


「ドライド司教さんよ、まずはスポンサーの俺を通してもらわないとな っで報酬はどれくらいかい?」

「え、まぁ、報酬はそれ相応に出させていただきますよ」


 シースの目が¥$になると勝手に話を纏めに入る。


「よし依頼を受けやしょう、依頼内容は?(最初に依頼内容かと…)」

「内容はアグラーヤに来ていただいてからよろしいかな?」


 ここでタカキが返事をする。


「自分は構わないですが、仲間がいるので確認してみます。少々お待ちを」


 確認に行ったが誰もが「タカキがリーダーなんだし、いいんじゃない」っと、あっさり決まり、了承を伝える。


「タカキ殿、感謝します。シース殿から話し聞いてますので、先にアグラーヤで待ってます。今日依頼を終えたばかりとの事なので、明日はゆっくり身体を休めてからということで、では」


 そう言い残すとドライド司教はシグロを後にアグラーヤへと発った。

タカキ達は次の日ゆっくりと休み、ドライド司教の待つアグラーヤへと向かうのであった。


『挑発と逆鱗と』-完-

次回予告

悪役登場?

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