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異世界の不確定能力(アンノウンスキル)  作者: 焔伽 蒼
第四章 鋼人形(ゴーレム)と傀儡少年(パペット)編 
89/140

【#082《霊源結界の力》】

【深夜、イグナシル開拓地・ヤドリ村】



舞は意識を取り戻す。直ぐに麻夜が言った事が理解出来た。心想領域で授かった希少能力(レア・スキル)、生成回帰は頭の中に入っていた。その使い方から、もたらす効果まで全てが分かる。


まるで会得から修練まで経験してきたような感じだ。


「舞……大丈夫か……」



舞の発光は良夜とキリヤも目撃していた。

良夜は舞に起きた異変が心配となり、腹部の痛みも忘れ安否を確認しようとしていた。



「安心してね、良夜くん。私が治してあげるから」



ニコッと微笑み、両手を良夜の傷口へ近付けた。



希少能力(レア・スキル)『生成回帰』発動……!」


白い光を帯びた舞の両手は、徐々に良夜の傷口を包み込んでいく。



(光が暖かい……。それに痛みがなくなっていく……)



それだけではなかった。


白光が消える頃には、致命傷でこそないが、深かった傷口が完全に塞がっていた。



「……へぇ(完全治癒してる。再生能力か。希少能力(レア・スキル)と言えば、8個しか見付かってない筈だけど、まさか9個目の誕生を見れるとはね)」


「舞……その力……」


「麻夜お姉ちゃんがくれたんだ。これで私も良夜くんの、皆の力になれる!」


「麻夜さんが……?(さっき舞が動かなくなったけど、何かが……)」


「やるじゃん、舞さん。まさか君が希少能力(レア・スキル)所有者になるなんてね」



愉快そうに笑うキリヤは「で?」と挑発してきた。



「どうするの?良夜さんが全快したからと言って、僕に勝てると思ってるの?」



キリヤは更に5体のゴーレムを造り上げた。



「僕の技はね、錬金術。いくらでも造れるのさ!いけぇ!」



その号令と共にゴーレムは一斉に向かっていく。



「確かに無限に造られちゃ勝ち目はねぇよ……。さっきまでの俺ならな!」



そう言った瞬間に、良夜から放たれた攻撃はゴーレム二体を、一瞬で破壊した。



「なに!?」



さっきまでとは違った攻撃、そして威力、共にキリヤが想像だにしていなかった反撃だった。



「霊源結界“参ノ型”破錐(はきり)。羅生を構成する結界エネルギーを、攻撃として打つ技だ。 今までは体内の霊力と魔力が反り会わないせいで使えなかったが、舞の生成回帰を受けてから、上手く混じりあったみたいなんだわ」



それには舞も驚きだった。


舞の生成回帰、端に傷口を癒す能力ではなかった。

その真骨頂は、あらゆる生きる成り立ちを望むように回して帰す力。

つまり舞が思うだけで、傷を負えば負う前に、霊力と魔力が合わないならば両力を一つの力に、そして使おうと思えば細胞を生まれる前にすることで停止させることすらも出来る能力であった。


今回舞が望んだのは、良夜の治癒であり、その中には霊力と魔力の不和に対する部分も含まれていた。


それらが完全に回復した良夜は、地球上の時の力を存分に使えるようになっていたのだ。



「麻夜お姉ちゃんの力がここまでなんて……。ありがとう……本当にありがとう……」



仲間の役に立てた力を与えてくれたことに、心底感謝をしていた。

それは良夜も同じだった。これで、皆と共に戦って行ける。魅紅や舞を護れると感謝の念が尽きなかった。



「錬金術で造り上げたゴーレムを一瞬で……これが不確定能力(アンノウン・スキル)か!」



ゴーレム三体は再び良夜に向かって走り出す。



「さっさと倒して魅紅の所へ行かせて貰うぞ、キリヤぁ!弐ノ型・霊装!」



結界エネルギーを身体に纏い、身体強化をしてゴーレムの間合いへ瞬脚した。



「八卦無天流・旋乂脚(せんがいきゃく)!」



強化された旋風のような回転蹴りは、ゴーレム三体を外へと吹き飛ばした。



「まだだ。破錐・円天!」


先程の結界攻撃術が、円を描くように回りだり、一気に円は拡大し近場で倒れたゴーレム三体を動体から切断した。



「やってみれば簡単なもんだな、瞬脚ってのは」



ゴーレム三体を破壊すると同時に、良夜は既に瞬脚でキリヤの間合いに入っていた。



「ちっ!(ここまで強かったなんて……!)」


「腹の返しだ!八卦無天流・吹波崩拳(すいはほうけん)!」



移動速度で加速させた掌打が、そのままキリヤの腹を穿った。威力が高くキリヤは5mは吹っ飛ばされていった。


地面に何度か打ち付けられ、最後は瓦礫に頭から突っ込み大ダメージを負わせる事が出来た。



「……っ!よくも……!」


だがキリヤは直ぐに立ち上がり、怪我も頭から血が少し流れ、腹を抑えているぐらいだった。



「あそこまでのダメージを負って、まだ立ち上がれるのか……?」


「錬金術……舐めないでよ……!良夜さんの技が当たる直前に、全身を錬金術で硬化させたんだ……つぅ!(硬化させてもお腹のダメージは大きい……それに対して向こうは、全快になった不確定能力者と再生能力者の二人……いや、間も無くここへ駆け付ける異常能力者(シリアル・ユーザー)のことも考えると分が悪過ぎるか……まさか、あの姫様にあんな力が隠されているとは思わなかった……!)」



キリヤは少し考えたが、良夜・舞・魅紅と戦うには力不足だと言うことを判断した。



「残念だよ……君らほどの実力者を倒せないで逃げるしかないなんて……」


「! 逃がすかよ!お前には聞きたいことがある━━━!」


「バイバイ、良夜さん。また闘ろうね」



そう言うとキリヤの身体は金色に硬化し、砕けた。



「なっ!? じ、自殺しやがった!」


「ど、どうしよう!わたしの力で治せるのかな!?」


「違うわよ」



慌て出す二人を制したのは、いつの間に帰って来ていた魅紅だった。



「今のは転移魔法よ。多分オリジナルのね」


「魅紅!?」


「魅紅ちゃん!?」


「良かった~。無事だったんだね」


「大丈夫だったか……? 敵がそっちにも行ったって聞いたが」


「問題ないわ。村人が全員ゴーレムになった時は驚いたけど、私の敵じゃないわ」



ドヤ顔でふんぞり返る魅紅を見ていると、なんだかおかしくなってきて、良夜は笑ってしまう。



「な、なによ~。笑うことないでしょぉ」


「いや、悪い悪い。さっきまでのシリアスな空気が吹っ飛んじゃったのがおかしくてな」


「……もう」


「あ、そうだ!魅紅ちゃん聞いて聞いてー!わたし新しい力を手に入れたんだよ!」


「え?うそ!? 教えなさいよ!聞きたいじゃない!」



良夜は疲れたこともあり、しばらくは魅紅と舞の楽しそうな話を、笑いながら見守っていることにした。



次回へ続く!!


どもども、焔伽(ほとぎ) (あおい)です!


今回お気に入り登録が100件突破いたしました!ありがとうございます!


なので以前お話した企画を起こそうと思います!焔伽作品の未来の彼方が間も無く完結します。それに合わせて、新作小説を作ろうと思います!プロットはもう出来ていて、タイトルも既に決まっています。なので今回はタイトルだけ発表します!現代風のタイトルになったのがコレです⇒「始末屋だった俺に新しい家族が出来た。」ジャンルは学園・コメディ・アクションの3.3.4の割合になるので、どれにしようか迷うところです。

今回の発表はここまでになりますが、少しずつ詳細を後書きに記していこうとおもっているので、是非にどうぞ!


アンノウンスキルも第四章はこの話にて完結です。次回から第五章になります。いよいよ、夜魅との戦いが本格化していきます!


では、今後とも宜しくお願いします。

残り少ない今年ですが、皆様も無事に新年を迎えまれますよう想っております。

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