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異世界の不確定能力(アンノウンスキル)  作者: 焔伽 蒼
第四章 鋼人形(ゴーレム)と傀儡少年(パペット)編 
85/140

【#079《ゴーレムvs良夜!》】

【深夜、イグナシル開拓地・ヤドリ村】



鋼人形と良夜は接戦していた。火は魅紅の尽力により消火出来たが、思うように能力を使えない良夜は、徐々に圧されてきていた。



「ハァ!ハァ! くそ……!こいつら固過ぎるぞ!」


(普通ゴーレムって言ったら、ファンタジーの常識じゃ土だろう!土なら能力無しでもやり合えるってのに……!)



かつて岩をも砕いた伝説を持つ良夜でも、鋼ともなると話は別で、まさにお手上げ状態だった。



(やはり能力を使うしかないか? さっきキリヤを助ける時に使ったが、あれだけで激しい頭痛がした)


「ゴォォォォオ!」


「良夜さん来ます!ゴーレム来ますよ!?」


「チッ!こりゃ寝込むのは避けれないな!」



良夜が再び霊源結界を使おうとした瞬間、後方から炎と水が同時に放射されてきた。


攻撃してきたゴーレムは2つの放射に耐えきれず、地面へと倒れた。



「水と火……魅紅か!」



だがそこにいたのは、魅紅ではなかった。



「舞!?」


「ま、間に合って良かったぁ……」



息を切らして、汗を滲ませていたが、さっきの攻撃は間違いなく舞が放ったものだった。

証拠に舞の右手からは火が、左手からは水が纏われていたからだ。



「お前、そんな力があったのか?」



ずっと攻撃魔法等を扱えないと思っていた舞が、ゴーレムを倒す程の攻撃を出来る事実に驚きを隠せない。



「わ、私にもよくわからないんだけど……なんか、イメージしたら火とか水とか色々出せたの」



舞自身も驚いていたのか、両手や火水を見て戸惑っていた。



(イメージしたら?これがエレメントの力なのか? それに色々と言うことは……)


「とにかく助かったよ。ありがとう」


「うん!」


「そういえば魅紅は?」


「魅紅ちゃんは湖に残って、避難してきた村の人達を守るって」


「そうか。 つまり、こいつらは俺達でやるしかないって事だな」


「そうみたいだね……」



二人は迫り来るゴーレム三体見て顔をひきつらせる。



「舞はバックアップを頼む!俺が突っ込む!」


「え!?ダメだよ!能力使えないのに、大ケガしちゃうじゃん!」


「……いや、能力を使う」


「そんなの尚更ダメ!エレクシアはまだ身体に馴染んでない!今能力を使ったら、中の霊力とそれに引き寄せられる外の魔力が混ざりあって、拒否反応を起こしちゃう!」


「……っ」


「そう……なんですか?」



舞の話を聞いていたキリヤが驚いた様子で訪ねてくる。



「れ、霊力って何ですか……? 魔力と混ざると拒否反応が起こるって、良夜さんは何者何ですか!?」



色々と確信ある事を聞かれてしまう。こう言った混乱を避けるため、自分が地球と言うアルカティアの住人から見て、異世界である場所から来たことを内緒にしたかったのだが、今は緊急事態だ。



「悪い、今はゴーレムに集中する。その説明は後で必ずするから、お前も湖へ避難してくれ」



説明する覚悟は決まった。後は目の前の状況を解決する。

戦場となるこの場に子供を残すのは、余りに危険だ。本当なら舞にも避難してもらいたいが、今は少しでも戦力が欲しかった。


いざとなれば、我が身を犠牲にしてでも舞を逃がすが、そうなった時に二人も守りながら避難させるのは難しい。


だからこそキリヤには立ち去ってほしかった。



「良夜さん前!」


「!?」



ゴーレムが走り出した。



「あの図体で走れるのか!?」



これではキリヤを避難させれない。三体の内一体でも、キリヤの方に行ったら直ぐに追い付かれてしまう。



「くそ! こうなったら、三体倒すしかないか……!」


「良夜くん、5分です!5分ぐらいでしたら、能力をセーブすれば反動も小さくすみます!」


「セーブして5分……」



ゴーレムが良夜達の間合いに入った。数トンにま及ぶ威力の拳が降り下ろされる。


バガァッ!と地面は真っ二つに割れ、(めく)れ上がる。


三人とも潰されてしまったのか。



「……ならさ、全力なら何分だ……?」



砂煙で黙視できないが、声だけは聞こえる。そしてゴーレムの拳が持ち上がっていく。



「全力がどのぐらいか分かるけど……多く見ても1分と考えてくれれば良いと思う」


「ハッ!1分か……上等!相手は魅紅ですら一体倒すのに2分程要した。ここまで分が悪い喧嘩は久しぶりだな!」



砂煙が晴れて良夜達が見えるようになる。全員無事だった。霊源結界の羅生で完全に防がれていた。


キリヤと舞は良夜の後ろで守られていて、ピンチにも関わらず良夜は楽しそうに笑っていた。



「30秒で終わらせてやる!霊源結界“弐ノ型・霊装”!」



銀色の光が良夜に纏われていく。結界のエネルギーを、身体へ纏う事で身体強化した。


良夜はゴーレムの拳に両手で触る。



「あんのクソ師匠の技なんて使いたく無かったが……!八卦無天流“双天手”!」



ドパァァァッン!



破裂したかのような音と共に、ゴーレムが吹き飛んだ。圧倒的な質量のゴーレムが吹き飛ばされた。


感情の無いゴーレムには、この凄さが分からないが、舞やキリヤは唖然としていた。



「魔法……じゃない……ただの打撃で?」


「……すごい……」


「正確には掌打。中国の武術をベースに、あらゆる格闘技を混ぜて作った我流ってクソ師匠は言っていたが……って、言っても分からないよな」



はは……と軽く笑い飛ばすが、凄いことには代わりなかった。何せただの体術で、ゴーレムを吹き飛ばしたのだから。



「まあ、その辺の説明も後でするから、今は戦いに集中しよう!」


「う、うん。そうだね!」



起き上がるゴーレム、他二体も向かって来ている。



「砕いてやる!」



次回へ続く!!


どもども、焔伽(ほとぎ) (あおい)です!


お待たせいたしました!やっと投稿できました。去年もそうでしたが12月は忙しく、ペースが遅れてしまいました。


そして、遅れたのにはもう一つ理由がありまして、今回から焔伽蒼が投稿している二つの作品「俺はリア充になりたい」と「未来の彼方」を再開することにしました!

元々投稿停止するつもりはなく、休止状態になっていた二つですが、見てくれている方もいるという事で、改めて投稿再開させて頂きます。ペースはアンノウンスキルより遅いかもですが、更新してくのでよろしかったらどうぞ。


ちなみに俺充の方はリレー形式の小説でして、僕「焔伽蒼」と、「私は白猫である」や「コール・オブ・ガンバレット」等をなろうで投稿している「堀川猫柳」さんで交互に創っています。物語の打ち合わせなどは一切していないので、新たな気分で見れると思います(笑)

他にも二人の作家さんがいたのですが、わけあって参加できなくなってしまいました。申し訳ございません。


ミラカタは僕の初投稿長編作品です。主に武術や学園がメインです。


では!

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