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異世界の不確定能力(アンノウンスキル)  作者: 焔伽 蒼
第四章 鋼人形(ゴーレム)と傀儡少年(パペット)編 
83/140

【#077《虹色に輝く料理》】

小休止のつもりの四章でしたが、意外と物語の展開を進めるようです。自分で予想外ゴクリンコ

【夜、イグナシル開拓地・ヤドリ村・キリヤ宅】



良夜は葛藤していた。未だかつてない、人類史上初めてとも言えて、文化的革命を興せるんじゃないかとも言えるほどの料理が、虹色に輝く料理が、今目の前に存在している。


これは舞の手作りのよる物のようだ。良夜は光栄な事に、後の世に歴史的偉人ともなり得る屯朶舞の良夜を口にする権利を会得していた。


過去にもこの良夜を食した物が居たが、その味の完成された究極さ故に、感動で意識を失ってしまう実証証明までされている。


そんな至高の逸品を果たして口にして良いのだろうか?

ごく普通の世界の、ごく普通の生活(?)を送ってきた良夜。口にするには余りに畏れ多い。


食べたい。食べたいんだよ。嘘ではない。断じて。だが、俺には出来ない……!勇気がない脆弱な存在なんだ!だから━━━!



「あの舞……悪いんだけど━━━」


「その……美味しく出来てるかはわかりませんが、良夜くんに食べてもらいたくて……どうでしょう……?」



ウルウルな瞳で上目遣いまでされてしまったら、良夜は腹をくくるしかなかった。



「もちろん、頂くよ。手作りなんて久しぶりだ(はい、言い訳してましたとも。心なかで。だって怖いじゃん?虹色ってなんなん?食材と調味料をどう使ったら、こんな色鮮やかな料理が作れるの?だけど、舞の気持ちとあの仕草を見てしまったら、例えテトロドトキシン(一滴で致死量となる毒)が入っていた料理だとしても食べないわけにはいかないじゃないか……!)」


「うん、召し上がれっ」


「じゃあ、早速……」



ズズ……と、良夜はスプーンでレインボー・スープを一口、口内から胃へと流し込む。



「うぐっ!?」



瞬間、良夜の脳内にある記憶が蘇った。


良夜が中学時代、家庭のことや見た目の事で、周りからバカにされて喧嘩も弱かった癖に喧嘩っ早かった頃━━━、とある田中なる男が良夜の頭をメリケンで殴って軽傷を負った時、ぶちギレた良夜は全重心の力を右拳に乗せた右ストレートが、田中に難なく交わされて、行き場を失った拳は田中の後ろの割とギザギザした塀にぶち当ててしまった事があった。


あの時の十倍の苦痛が、いま良夜を襲っている。



「どうかな……? ま、まずかったら、ちゃんと言ってね?」


「……ぅ……」



良夜は思考する。



(どうする!?これは不味いとか旨いとかの次元じゃない!生かさず殺さずで、死に近い苦痛を味わす料理━━━(いな)、兵器だ!言葉が思い付かない!だが、あえて言うなら不味いになってしまう。なぜなら、旨いと言う表現はこの兵器(料理)には適用されないからだ!しかし、正直に言ってしまうと、舞を傷付けてしまう!かといって、嘘をつくのも気が引けるぞ……!舞の気持ちを取るか(旨い)、舞の気持ちに応えるか(不味い)、解答は二択!俺は━━━!)



この間、2秒。



「ま……」


「うん……(まずかったのかな……)」


「ま、まいう~?」


「うん……?まいう~?まいう~って何かな?」


「……」


「良夜くん……?」



良夜からは返事がない。すでに事切れていた。辛うじて発した感想と共に、良夜は左手にスープ右手にスプーンを持ったまま気絶していたのだ。



「寝ちゃってる。 疲れを癒そうと思って、エレメントを入れて作ったのが、良い方向に効果が出たのかな! でも、まいう~?異世界の言葉だと思うんだけど、どんな意味なんだろ」



ある意味良夜の考えは外れていなかった。料理を虹色に輝かせていたのは、食材でも調味料でもなかったのだ。


寝てしまったと勘違いした舞は、予め聞いていたベッドに三人を連れていき、食器の片付けを始めた。


ちなみに、残りの料理はしっかり対策を取って保存した。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━



皆が寝静まった深夜、突如キリヤ宅の玄関を叩く音がした。

その叩き方が激しく、外も騒がしくなっていて、良夜は誰よりも早く目覚めた。



「んだよ……。 ん!?」



良夜は窓から外を見て気付いた。まだ深夜な筈なのに明るい。



(もう朝━━━? いや、違う!火事か!)


「皆、起きろ!!」



良夜はベッドから飛び出すと、直ぐに皆に大声を上げて起こすと、玄関を開けた。



「ひぃっ」



勢いよく玄関を開けて飛び出てきた見知らぬ男に、村人の男はビックリしてしりもちをついてしまった。


しかし、そんなことお構い無しに、良夜は現状把握を求めた。



「何があった!?」


「だ、誰だアンタ! キリヤくんはどうした!?」



以外と強気でキリヤの安否を聞き出そうとする。



「俺は客だ!それより火事か!?」


「あ、ああ……奴等が攻めてきた……! とにかく、ここも危ない!君達もキリヤくんを連れて避難してくれ!」



そう警告してから男は湖の方へ逃げていった。



「奴等って誰だよ、くそ! 本当に休ませてくれない世界だなぁ!」



次回へ続く!!


どもども、焔伽(ほとぎ) (あおい)です!


気付けば先月で異世界の不確定能力1周年を迎えていました。最初はお気に入り登録者4人から始まった、良夜の異世界物語ですが今や93人!!更に間も無く100話!長く続けてこれたなぁと実感しています。

また、僕の初作品である未来の彼方から読み続けてくれている人もいて嬉しい限りです。そして、アンスキ読んでいる人は勿論、ミラカタから読んできている人は特に感じているかもしれませんが、僕の文章や展開には統一して悪い癖があります。

順番です。この展開はもっと先だろう、もっと前だろう、等から始まりここでの説明はこうするべきなのでは?等と、上げて言ったらキリがないかと思います。↓↓急ぎ文章とか(^_^;


そんな中、よくぞ今まで見てくれていました!ありがとうございます!僕も人間です。投稿している以上は、楽しんで多くの人に見てもらいたい。そのモットーを掲げているのでちょっとした宣伝等(許容範囲にて)もしていますが、それらも実り100名まであとわずか!

見方によっては少なくも、多くも見れますが、少なくても僕にとっては多いです!携帯での友人配信時なんて4人がいいとこでしたからね。楽しみにしてくれていたのは(笑)その時も満足していましたアッハッハッハ~


以上の話を踏まえて、100話もしくは100人が達成した時点で、記念として本編後にオマケとして中編ストーリーを少しずつ書いていこうと思います。主人公は良夜ですが、ヒロインが変わります。スピンオフのような物語です。では、次回にてまた!


PS

後書きを書く暇があるかどうかは、残業次第(個人的大爆笑)

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