【#072《イグナシル開拓地》】
屯朶の村“メティア”を出た良夜達は、現在、イグナシル開拓地へと来ていた。
目的地である都市“クレイシス”へは、このイグナシル開拓地の北側にあるからだ。
開拓地と言われるだけはあって、木々などは伐採され、平地に調整されていた。
所々に小さなな村や畑があり、長い細道には馬車や荷車を引いた行商人や農作業の人達が歩いていた。
「懐かしいな」
「ノーマジー(地球)にもあるの?」
良夜がボソッと漏らした言葉に、魅紅が興味を持ったようで聞いてくる。
「親戚の家にな……。あそこは田舎だったからな」
良夜の親戚は、群馬にある町の地主で大きな屋敷を持っている。辺りは山や畑等で面積を専有していて、実際イグナシル開拓地と似ていたりする。
中学の時に一年ほど群馬に暮らしていた事もあったが、主に道場の師範代にしごかれていただけだったので、本来良い思い出ではない筈だったのだが、それでも親近感は感じていた。
それが衝動的に地球のことを思い出すことに繋がり、つい言葉にして出してしまっていた。
「良夜の世界にも、アルカティアと同じような地域があるのね」
「ねっねっ、魅紅ちゃん!」
目を輝かせた舞が、魅紅の顔を除き込んでくる。
「魅紅で良いわ。ちゃん付けは、その……馴れなくて」
「あ、ごめんね!じゃあ、改めて……魅紅ちゃんは良夜くんの世界に行ったことあるんだよね!?どんなトコだったの?教えてほしいな!」
「一部分かってないとこあるわよ? まあいっか。 凄かったわ……見たこともない作りの建造物があって、くるまとかばいくとか色々な乗り物があるの!しかも夜になると、それらの人工物が光出すのよ!?魔力回路を使わずによ!」
「すごいすごい!建物や乗り物も気になるけど、魔力回路を使わずに光を灯すなんて、どうやって発光させてるの!?」
「何でも科学っていう文明の発達によって生まれた技術系作業の力みたいだけど、あそこまでの数と質をみると、アルカティアの科学とは比べ物にならないほど特化してたわね」
二人のガールズトークを聞いて良夜が、魅紅の発言に気になる点があることに気付く。
「ちょっと待て。こっち(アルカティア)にも科学があるのか?」
「あるわよ。向こう(地球)程じゃないけど、西陸国郡にある商業都市【コミュア】には骨董品として機械が売られているの。昔にお母様に連れて行ってもらった事があって、その時に初めて科学について知ったのだけど、第一印象は使い道がないだったわ」
良夜はこの世界にも科学があったことに驚く。何せ電気や家具等から始まり、交通手段に至るまで、魔力回路(科学風に言うと電力やエンジン等)を使った魔法で、全てを補っているからだ。
そんな便利な異世界に、科学何てあるはずがないと思っていた。良夜にとっては、それが以外と嬉しかった。地球と似ている。それは安心感にも繋がる。
「使い道がないって、どんな物だったんだ?」
「う~ん、良夜の世界のように生活に使われる物じゃなくて、飛び道具や近接武具みたいな武器関連だったわ」
「武器関連……(銃とかミサイルみたいなやつか……?)」
「あんな武器使っても、一般の魔導士すら倒せないわよ」
「確かにな。あっちの兵器じゃあ、魔法に勝てる気がしない。でも商業都市コミュアか。いつか行ってみたいな」
ひらめいたかのように魅紅が提案する。
「そ、それじゃあ、帰る方法が分かったら行ってみようよ!」
「良いな。行こう」
「コミュアかぁ。私も久しぶりに行きたくなっちゃったな~」
舞もテンション高めに嘆願してきた。会った時と今の性格の違いに、驚きを隠せなかった。
「舞は行った事があるの?」
「うん。ほら、10年程国連の施設でお世話になってたから」
「ああ、それで」
「国連って、確か真美さんが視せてくれた記憶にも出てきたな」
「真美お姉ちゃんが国連に所属していたしね!」
「その国連って、どういった組織なんだ?」
「その説明すると長くなるわよ……?」
魅紅が変わるように入ってきた。だが、それでもアルカティアについて色々知りたかった良夜は説明を聞くことにした。
魅紅は「えぇ、聞くの?」と嫌そうな顔をしたが、説明をしてくれた。割とドヤ顔で。
次回へ続く!!
どもども、焔伽 蒼です!
今回は早めに出来ましたが、短め&内容も薄くなってしまっているので、73話を明日中に投稿します。では!
ハーメルンのハロウとしての二次投稿は明日明後日には間に合わせたい!願望です!




