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異世界の不確定能力(アンノウンスキル)  作者: 焔伽 蒼
第三章 屯朶三姉妹編 
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【#045《目の前の問題》】


あれからリュウは、助けに来た宰達の手によって救出された。


そして、一面や敵と思われる女達が凍っていて、宰達も驚いていたので、リュウは直ぐに説明をした。



「煉獄キャスターズだな」



凍った女達を見て宰が正体に気付く。



「D級の犯罪組織だ。女だけの組織で、人をなぶり痛めつけ、苦痛に歪む顔を見るのに快楽を得ていたある意味危険な組織だったのだが……運が悪かったと思うしかないだろうな」


「それは……俺も思うよ。あんな化け物のような奴に絡んでしまったんだからな……」


「まさか彼女が出てくるなんて……特A級犯罪者“最氷・ヒュース”。A級の中では危険度トップの相手だ」


「特A級の中で一番?」



ケイがその言葉に驚く。続けて聞いた。



「リュウの話を聞く限りじゃ、まだ小さな女の子みたいじゃん。人殺しなんかするか?それも大量に」



A級と言えばかなりの殺しや犯罪をやらなければ認定されないクラスだった。

小さな女の子が、それをやったと言う所がケイにはピンっと来ていなかった。

それは本人を見たリュウも同じだった。



「確かに。あの子がそんな事をするとは思えないんだが……」


「そうだ、小さい娘を疑うのは良くないぞ」



シンも同意してくる。

ただユウとケイは(出たよ、ロリコンの情け……)と心で思っていた。



「それはそうだろうな。何故なら、彼女は殺しを殺しと思ってないのだから。もっと言うと、彼女のは殺しではなく生殺し……そこで凍っている煉獄キャスターズも、今まで最氷に凍り浸けにされた人間も死んでないのだから」


『!?』



宰の言葉に全員が驚いた。同時に今まで以上の恐怖が込み上げてくる。



『……』


「気付いたようだな。最氷の氷雪魔法は、相手の命ごと細胞レベルで凍結させる。腐敗や肉体的低下を起こさない程に」



それは凍っている間ですら意識はあり、ただ滅びる事のない身体と、溶ける事のない氷の中で一生を生かされると言うことだった。


それは果てしなく苦しく、地獄のような辛さだろう。生殺しもいいとこだ。それを考えるとリュウも、キャスターズが可哀想に思えてくる。



「この氷の解除方法とかあるの……?」



リュウと同じように、キャスターズが可哀想に感じたユウが質問してくる。



「最氷が自ら解くか、最氷が死ぬかしかない。だが、そのどちらも我々には無理だろう」


「ど、どうして……?」


「まず最氷に解かせるのは、彼女に感情と言うものがないので不可能。彼女を殺すのもまた、実力的に我々では相手にならない」



あの宰が不可能・相手にならないと言うからには、本当なんだと皆は納得せざるを得ない。しかし、気になった。感情がないとは?



「どうりで無機質な眼をしている訳だ……最氷ヒュースの言動はどれも機械的だった」



リュウは自分の目で見てきたから分かる。ヒュースからは感情の一切を感じられなかった。



「後天性神経消失症、彼女はある日を境にその病にかかり、心と言うのを無くしてしまった。原因は不明。また同時期に彼女には氷雪魔法が急に使えるようになり、後にその力を悪用しようと犯罪組織に利用され、ある時は個人を凍結させ、ある時は街ごと凍結させた事もあり、それらが特A級と評価させているのだろうな」



それを聞いた皆は再び黙ってしまった。



「何だか可哀想な話だね……」



そんなユウの呟きが皆の心に響いた。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━



屯朶の村外れにある小さな一軒家では、屯朶三姉妹とハーベルトが四人で話し合っていた。



「そうですか。では、御三方は一族については何も聞かされて来なかったと言うことですね」



四人は律儀にも縦断の上に背筋を伸ばして正座で会話をしていた。



「そうだよ~。ごめんね、期待に応えられなくて~」


「ですが、もう一つの要件でしたら2日もあれば完全出来ます」


「核制御薬エクシリアなら1日で出来るよ」



麻夜が提示した時間より、早く作れると舞が言った。



「ほう、舞様が作られるのですか?」


「そうだよ~。薬剤師としては、私達の中では舞が一番だからね~」


「そうですね。元は私が教えていたのですが、いつの間にかに抜かされてましたからね」



二人の姉から褒められている舞を見たハーベルトが、どこか不思議な感じがした。



「そんなことないよ……。真美お姉ちゃんはエレメントに関しては圧倒的だし、麻夜お姉ちゃんだってエレメントと治癒能力両方使えるじゃん。私なんか……まだまだだよ」



そう言った舞の表情には、どこか寂しそうな感じがした。



「仲が良いですね」



ハーベルトは姉妹間に何かあるのかと思ったが、それはこの姉妹の問題。自分が口を挟むべきではない。それが分かっていたので、疑問は無視し、直ぐに前より思っていたことを考え出した。



(屯朶一族を襲った魔族と姉妹が知る情報の少なさ……。天塚一族の消失もそうですが、こうなってくると御三家に何かが……)



気になることは山程あった。

①屯朶一族を襲った魔族

②屯朶三姉妹の不信感

③天塚一族の消失

④魅紅を狙う輩

⑤良夜と言う異例な存在

大まかに挙げればこんなところだろう。



(調べてみる必要がありますね。……ともなれば、情報を集めなければ……。久しぶりに“彼女”に会いに行ってみるのが無難ですかね)



ハーベルトは苦虫を噛んだように濁らす。



(甚だ不本意ですが、情報解覧(ディフーリング)の異名を持つエルシアを訪ねてみますか)



━━━━━━━━━━━━━━━━━━



その頃、真美に案内された村の書庫で調べ物をしていた良夜と魅紅だが、二人はある書物に目を止めていた。


それは━━━“日記帳 屯朶雅”と書かれた、手日記だった。



『to be continued』


どもども、焔伽(ほとぎ) (あおい)です!


早速ですが、OVL文庫大賞応募作落ちちゃいました!至極、残念此処に極まりです。ですが、現況においてお気に入り登録者様もそれ以外の読者様居てくれるので、そこまでのショックはありません。無論、応募するからには本気でしたが、嘆いたって無意味なことです。チャンスなんていくらでもありますし、そもそも僕の小説を創る上での目的は、自分の作品で他の人に楽しんで貰いたいがモットーなので、一人でもそんな方が居て下さるのなら、ぶっちゃけ満足なのですよ!

よって、今後も創り続けますのでどうぞお付き合いください。


本編はゆっくり進んでいるせいか、退屈に感じる方もいるかもしれません。そこは素直にすいません。長い目で見て頂けると幸いです。アドバイス等あれば是非にww


あと、凄く個人的な呟きなのですが……犬、飼いたい……。ではw

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