短編01【#042.5《煉獄キャスターズ!出陣の義》】
これは42話と43話の間にあった短編ストーリーです。
リュウはカイを呼び戻すと飛び出したのは良いけど、実際唯我独尊のカイを見付けるのも、見付けたとしても連れ戻すのも困難を極める筈だと言うことに気付き、今になって嫌気が刺してきていた。
「気配がこっちの方からするんだよな……」
「声が小さい!」
「な、何だ!?」
突如、鳴り響いてきた声にリュウは驚き、警戒体制に入る。
リュウは声のする方向へ向かうと、森の中にある小さな平原に二十人ぐらいが集まっていた。
木の影に隠れて、様子を伺う事にした。耳を澄ませて聞く耳を立てる。
「良いかい、あんた達!これから捕縛する雄は、調教甲斐のある奴だ!我が愛の鞭と褒美の蝋燭が火を噴く!よってこれより出陣の義を取る!復唱せよ!」
『ハッ!』
「接客五大用語!合唱!この醜い豚が!」
『この醜い豚が!』
「調教してあげる!」
『調教してあげる!』
「膝まづいて足をお舐め!」
『膝まづいて足をお舐め!』
「汚い体液ね!」
『汚い体液ね!』
「フォーホホホ!女王様とお呼び!」
『ホーホホホ!女王様とお呼び!』
「何でやねん!!」
リュウは彼女達の奇怪な行動に耐えられなくなり、つい叫んでしまった。
「何者!?」
「やべっ!ばれた!?」
女は近付いてくる。
「どこの誰かは知らないけど……出陣の義を邪魔するなんてやってくれたわね、ぼうや」
第43話へ続く。