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異世界の不確定能力(アンノウンスキル)  作者: 焔伽 蒼
第二章 異世界渡航編
33/140

【#027《龍激砲(ドラゴン・ブレス)》】

「僕の活躍を邪魔するなら潰すよ!」



ユウは本気だった。良夜と戦って「役に立つんだアピール」を邪魔されたのが、相当に気にくわなかったようだ。


そんな勇姿を見ていた、カイとケイは(あき)れていた。



「ホントどうしちゃったの?龍種に一人で挑むとか、遂に頭のネジが外れたか?」


「……フン、それは元からだ……」


「ゴギャァァァァァァァァァァァァァァァァア!!」


「ああああああああああああああああああああ!!」



ドラゴンとユウが奇声を発し、互いに爪と拳を放つ。



「崩壊拳!最大出力!!」


ユウの渾身の崩壊拳が、龍の爪攻撃に衝突する。だが驚くことに、ユウの崩壊拳は龍の只の爪攻撃を押し返す事も出来ず、あっけなく相殺されてしまった。



「只のパンチで、風代の崩壊拳に匹敵するのかよ……!」


「……」


「まだまだぁ!!」



ユウが突っ込もうとした瞬間、龍は翼を広げ飛翔した。それだけで風が吹き荒れ、辺りにいた4人は吹き飛ばされそうになる。



「こらぁー!逃げるなぁー!」


「いきなりどうしたんだ……本当に逃げたのか?」


「……」



カイは飛んでいった(ドラゴン)を見ていた。そして飛び立った意味に気付いた。



「……逃げろ……」


「ん? 逃げろって、俺らが?むしろドラゴンの方が逃げていったぞ」


「……そういうことじゃない、お前ら逃げろ……」


「え?」



空へ飛び立ったドラゴンは、良夜達の上空30m辺りで止まり口に光のようなエネルギーが集束されていく。


そこでケイは、カイが逃げろと言った意味が分かった。



龍激砲(ドラゴン・ブレス)か!風代、退避だ!」



だが退避する間も無く、ドラゴンの口からビームのような砲撃が放たれた。


瞬間、辺りは大爆発に巻き込まれた。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━



大爆発により着弾地点周囲100mにも及ぶ巨大なクレーターが出来上がっていて、木々はもちろんの事その他の形を為す物は全て消滅していた。


だがそのクレーターの真ん中に、二人の人陰が立っていた。



「ありがとう、伊座波君……君の能力のおかげで助かったよ」


「かなりの魔力を消費したがな……燃費が悪いんだよ、光速移動は」


「でも助かったよ、ありがとう。 そういえば、ドラゴンはどっか行っちゃったみたいだね」


「この辺を破壊した後、南の方へ飛んでいった……」



ケイの言葉にユウが焦る。



「その方向って!」


「ああ、宰や倉崎がいる方角だ」


「まずいよ!いくら宰様でも、ドラゴン相手じゃ分が悪い!如月君は!?」


「あいつはドラゴンを追っていった」


流石(さすが)……。僕たちも追おう!」


「そうだな……だが」



ケイは少し深刻な表情で、近場の地面に倒れ土に埋もれている良夜の方を見た。


それをユウが制する。



「気の毒だけど、ドラゴンブレスを直撃したんだ……肉体があるだけマシだよ」



ユウもどこか申し訳なさそうに、ピクリとも動かない良夜を見る。



「悪いな……お前まで助けるには魔力を消費し過ぎていたんだ」



先の紫のオーラを使った良夜は、彼らにとって予想以上に手こずり、相応の魔力を消費していたせいか、良夜を助けるための光速移動を使う魔力がなかったのだ。



「行くか……」


「……うん」



ケイとユウは、瞬脚で龍とカイの後を追った。



「…………」



誰も居なくなったところで、良夜の手が僅かに動き、その瞬間さっきまで見えなかった銀色の光が身体から放たれた出した。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━



クレーターの地点から南へ数km離れた先では、魅紅とリュウが呆気に取られていた。

辺りには強い風が吹き荒れ、土埃(つちほこり)が乱雑に舞う。



「天塚の姫、異界の能力者と来て次はこいつなんか……」


「大きい……初めて見たわ」



二人は目の前に今、正に降り立たんとしている龍から目を放せずにいた。



「成体の龍種なんて……」


「今日は最悪の日だ……」


「ゴギャァァァァァァァァァァァァァァァァア!!」


「くっ……!とにかくやるしかないようね!」



魅紅は直ぐに紅炎を両手に出現させた。



「“炎拳・火走(ひばしり)”!」



ボボボッと魅紅が地面を殴った瞬間、紅炎が地面を走りながらドラゴンを円周状に囲った。



「“炎拳弐式ニシキ火柱(ひばしら)”!」



すると囲っていた火走が、ドラゴンに目掛けて走り脚に着火した瞬間、互いの紅炎がぶつかりあい火柱となって空へ向かって燃え上がった。


魅紅はやったかと思ったが、伝説とまで謡われるドラゴンの強さは計り知れなかった。



「ゴギャァァァァァァァァァァァァァァァァア!!」



怒号のような奇声と、翼による突風によって紅炎は四方に霧散させられてしまった。



「そんな……!これがドラゴンの力なの!?貴方も戦いなさいよ!」



魅紅は我慢し切れなくなり、先程から何もやらないリュウを叱咤(しった)した。



「無理だよ、俺の能力は戦闘向きじゃないんだ!」



その瞬間、ドラゴンに向かって空気が吸い込まれて行くのが分かった。



「……あれは……まさか!」



魅紅は直ぐに気付いた。ドラゴンが龍激砲(ドラゴン・ブレス)を放とうとしている事に。



(文献で読んだ時は信じ難ったけど、本当だったのね……!龍が持つ最強の攻撃法、ドラゴン・ブレスは放たれる前に大気に満ちる魔力を吸い込み、それを凝縮して放つ……今の私じゃ防ぎようがない……っ)



そして、ドラゴン・ブレスが放たれようとした━━━次の瞬間、魅紅の両横から二つの影が通り過ぎた。



『to be continued』


気になることがあります……。ドラゴンって砲口以外にどんな能力が合うんですかね。何かオリジナリティを付けたい自分がいます。

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