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異世界の不確定能力(アンノウンスキル)  作者: 焔伽 蒼
第二章 異世界渡航編
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【#012《竜種(ドラゴン)》】

良夜は生まれ始めて恐怖した。今までは持ち前の性格と、皮肉にも生まれ持った能力のおかげで誰かに襲われたり、事故に巻き込まれたりしても、余裕で身を守ることが出来た。


だが、いま目の前にいる存在は何だ。竜種(ドラゴン)と言った。ドラゴン、よく漫画や古文献等で記される空想上の生き物。嘘だぁと茶化したい所だが、そうもいかない。


目の前にいる存在が、まさにソレだったからだ。


赤い瞳に鋭い眼光、鱗のような皮膚と凶悪な牙、他の追随を許さないその巨体と威圧感は圧倒的だ。一度(ひとたび)翼を広げれば、風が吹き荒れ大地が振動する。



「……逃げるわよ」


「それがいいな。……アレと戦おうとは思えない」



魅紅の意見に賛成する。異論は無いと言った感じだ。


「ゴギャァァァァァア!!」


『……!?』



ドラゴンが奇声を発した。それだけで木々が揺れ、ビリビリと空気を通じて衝撃波が襲ってくる。



「耳に響くなぁ……!」


「!? 良夜避けて!」


「ん?」



地面に大きな影が映る。ゾクリと悪寒を感じ、上を見上げるとドラゴンの爪が降り下ろされて来ていた。



「ちょっ!ま……!」



爪が降り下ろされると、その衝撃で大地が砕ける。周囲の巨大樹すら巻き込んで、破壊していく。


普通なら人間なんてミンチになっている所なんだが、良夜は無傷だった。


寸前で魅紅が入り込み、どこから出したのか身の丈程もある鎌を両手に、ドラゴンの爪を受け止めていた。



「受け止めた!?その細い身体のどこにそんな力が!」


「無いわよ!これは魔力で身体能力を強化してるだけよ!」


「そんなことが出来るのか!?」


「貴方だって出来るじゃない!さっきの霊装と同じ理屈よ!て言うか、私はいつまでこの状況でいればいいのかしら!?」



そうだった!と魅紅が大地を砕く程のドラゴンの一撃を抑えている事に気付く。

余り辛そうにしていないせいか、普通に喋っていた。



「い、いくら、身体強化してたって、いつまでも耐えられないわよ……!」


「すまん!いま助ける!」



助けてくれた人を直後に助けると言う状況に、変な感じがしたが今は目の前の事態を対処することにした。



「霊源結界“参ノ型・破錐(はきり)”!」



良夜はドラゴンに向かって手をかざすと━━━



『……』



何も起きなかった。結界が発動しないどころか、銀光すら発せられず良夜は唖然とした。



「うそだろ……」


「ど、どうしたのよ……?そろそろ限界……なんだけど……」



魅紅の足や手が震えている。いくら身体強化しても、ドラゴンの一撃をずっと防いでいたら、いずれ限界が来てしまう。早く何とかしないといけない……のだが、良夜は力を振り絞って結界を発動させようとする。そこで更なる事実が発覚する。



「霊力が使えない!」


「な、なんですって!?」



そう。良夜は霊力が全く使えなくなっていた。



「くそ!何でだよ!何で……霊力を出せないんだ!」


「うぅ……も、だめ……!」



魅紅はこれ以上、ドラゴンの爪を防いでいられないと判断した。



(仕方無いわね……ドラゴンには出来るだけ、危害を加えたくなかったけど……)



“そうも言ってられない”と言うのが、魅紅の結論だった。

かろうじて魅紅が避けても、後ろにいる良夜に攻撃が落ちてしまう。かといって、ずっと抑えているのも不可能だ。だとすれば、残された手で行くしかない。



(ドラゴンには悪いけど、焼滅(しょうめつ)させるわ!)



ドラゴン級を掴まえて、そう言い切れるのはやはり魅紅の実力がそれ程あると言う事だろう。



(紅炎を使う━━━!)



そう決意し、鎌に力を流し込もうとした瞬間━━━木々がざわついた。



ゾクッ



『……!』



同時に良夜と魅紅は何か言い知れぬ恐怖感に囚われた。



「え……?」


「グルゥ……!」



魅紅は驚いた。ドラゴンから殺気が無くなり、爪をどかしたのだから。

しかも、心なしかドラゴンの身体が奮えているように見える。



「ど、どうしたんだ……そいつ? それに今の悪寒……」



良夜が訪ねる。



「わからない……けど、ドラゴンも今の気配に当てられて、警戒しているような感じに見えるわ。でも今ならチャンスね、逃げるわよ」


「ああ」



良夜と魅紅はドラゴンと先程の気配に警戒しつつも、その場から離脱した。結局ドラゴンが追ってくる事はなく、ただそこに立ったままだった。


そして、ドラゴンの側の木の影に、その気配の主はいた。



「行ってくれたのかな……。竜種に襲われてたから、助けようと力を使おうとしたけど、余り意味がなかったなぁー」



顔は暗くて見えないが、女性の声と長い黒髪を後ろで2つに纏めて下へ流した髪型をしていて、和服っぽい着物を着ている。



「でも、どうして竜種の動きを止められたんだろう」



その少女は自分が出している殺気に自覚がなかった。

正確には殺気ではなく、殺気に匹敵する程の力の気配が正しいが。竜種は野生であるからこそ、その少女に秘められた力の解放に本能で気付き、警戒して守りに専念するために行動を止めたのだろう。



「うん、でもいっか!あの人達も逃げれたみたいだし、私も村に帰らないと」



そう言って、少女はそこから居なくなった。



『to be continued』


毎年ながら思います。ほっんと11月12月ってのはぁ仕事が忙しくなります!確かに忙しいからと言って、執筆できないわけじゃありません。しかしですね。僕にもやりたいことがあるのですよ!そう!執筆に匹敵するほどに人生の楽しみ「人の作品ラノベを読むこと」がぁぁ!僕は、僕はもっと笑って泣いて燃えて成分を味わいたいのですよ!略して、WNM成分!?


後書きを略して「最近投稿ペースが遅いのは、読みもやっているからです」と言うことです。





・・・・・・・・・・・・なんか・・・・・・・・・・・・すいませんでした。

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